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#建築 まとめマガジン

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2018年8月の記事一覧

変わらないもの、移り変わっていくもの

今朝拝見した、お問い合わせメール。都内で住宅を考えておられる方からのものでした。 そこに書かれていた内容に、これまで弊社で手掛けてきた建築のバリエーションが豊富であること、経年で味が出てくるような家をつくられたいという想いが書かれていました。 お返事を書いているうちに、これは自分が普段から大切に思っていることだなぁ…と改めて感じました。それをここにも転載します。 ひょっとすると、構えて書く文章よりも伝わることがあるかも知れません。 --------------- ○

時代の雰囲気を感じよう─『建築 未来への遺産』

稀代の建築史家であり,つねに建築・都市の現在への鋭いまなざしを向け続け,評論の最前線を駆け抜けた故・鈴木博之.最も近しい研究者たちの手により,膨大な既発表テキストから書籍未収録のものを中心に精選し,系統的に集成.その足跡と思想を通観できる一冊. 2014年に亡くなった建築史家・鈴木博之氏が書き遺したテキストの中から公刊されていないものを親交の深い研究者たちが厳選し,編集した書籍. 明治村館長など数々の活動を行いつつも,膨大なテキストを残した氏の多筆さが伺える書籍となってい

私たちは「思ったより」も「無知」である─『知ってるつもり』

なんでもは知らないわよ。知ってることだけ。 と言ったのはどこぞの(元)メガネ美少女だったか. 彼女は自分にどれくらい知識があるかわかった上で,自らは全知ではないと語る. 一方,私たち人類は自分が「何を知らないかすら知らない」ばっかりに,ある意見に流され,簡単に,浅はかな判断をしてしまう. そんな人間の愚かしい姿を明らかにするのが本書『知ってるつもり 無知の科学』である. 水洗トイレや自転車の仕組みを説明できると思いこむ、政治に対して極端な意見を持っている人ほど政策の中身

地震時の液状化現象の再現!? 土層を用いた振動台実験。

”京大建築式” β式は、2018年11月オープン予定「京大建築式(仮)」のプレサイトです。学生の視点から京都大学建築学科・建築学専攻の活動を紹介。デザインから構造実験まで幅広い建築学の魅力を伝えます。今回は空間安全工学講座・地震環境工学分野 松島研究室の活動を紹介します。 地震時に港湾地域などでしばしば発生する液状化現象。大きな被害をもたらすこの現象を、宇治キャンパスの振動台をつかって再現し、砂の斜面が強い揺れを受けた時の液状化現象や斜面崩壊の様子を観察するという実験を行い

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2章 SNSまるっと分析させていただくわ

ワイはTwitterを主戦場にしてるソーシャルなペリカンやから、Twitterを分析させていただくで。 目次やで 1、建築家界隈のTwitter人口はどれくらいやろ 2、建築家Twitterのフォロワーはんの中身はどんなんやろ 3、建築家TwitterのランキングBEST30やで 4、まとめやで 1、建築家界隈のTwitter人口はどれくらいやろ建築家界隈の定義が難しいと思うで、ここでは建築家、設計事務所所員、建築学生、建築家と協力関係にある人々を建築家界隈として定義する

ミサワホーム(バック・トゥ・ザ・)フューチャーホーム2001

1987年、森高千里が歌手デビューした5月、東京・晴海で開催された国際居住博覧会にヘンタイ感あふれる趣向を凝らした住宅が出展されました。その名も「フューチャーホーム2001」(1987)。大手ハウスメーカー・ミサワホームが提案する未来型住宅でした(図1)。 図1 フューチャーホーム2001(文献2) この未来型住宅、なにがヘンタイ感あふれるかって言いますと、世界で初めての「回転する家」だったのです。回転する展望台やベッドは昭和のおなじみですが、この「フューチャーホーム20

西日本豪雨災害支援募金《 YEN 》

うしろめたさを感じていました。 どこかで、いつものように生活をしている自分に。 災害が起きたとき、設計をやっている人の出来ることは、もう一度建物をつくることだと思う。 しかし、現地に足を運んでみると、すぐ必要とされているのは、人とお金であるという事実を知る。 ボランティアにいきたいけれど、自分の仕事をおろそかにして行くことは現実として難しかったり、なにかしたいと心では思っていても、なかなか行動に移せなかったり、心のどこかにある引っかかり。 そんな思いがあるときに、片山さ

「建築の見方」を身につけて、前川國男を見に行こう!

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 みなさんは建築を見るとき、どんな見方をしていますか? これまでnoteを通じて、僕が見に行って「いいな!」と思った建築を紹介してきましたが、実は僕も建築の見方を誰かに教わった経験はありません。 大学の授業でも、歴史的に重要な建築作品を学ぶ授業はありましたが、ではそれらの建築が良いのかどうか、というのは教わりませんでした。 授業で習った作品を「あんなものは駄作だ」と言う建築家がいて驚いた経験も多々あります。 では僕がどのように建築を見

『新建築』7月号を評する─『新建築』2018年7月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします!(本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 『新建築』2018年7月号購入(Amazonはこちら) 『新建築』2018年8月号購入(Amazonはこちら) 評者:深尾精一 目次 ●ビハール博物館 ●川口市めぐりの森 赤山歴史自然公園 歴史自然資料館・地域物産館

銃後の『建築設計資料集成』|未曾有の時局と娯楽場の射的コーナー

建築を設計するにあたっては、いろいろと調べたり考えたりラジバンダリしなきゃいけないことが多々あります。そんなとき、いちいち方々に情報を当たっていると大変なので、建築設計で必要となる基本的な資料・情報をまとめておこう。そんな主旨でつくられたのが『建築設計資料集成』です(図1)。 図1 建築設計資料集成(丸善) 最新版はA4判・全14巻で構成されていて、セット価格19マソ円します。そんな『建築設計資料集成』は一体いつできたのかといいますと、ズバリ、約70年以上前、戦時中のこと

ワークプレイスはどう変わっていくのか?(提供者側から)─『新建築』2018年7月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします!(本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 『新建築』2018年7月号購入(Amazonはこちら) 『新建築』2018年8月号購入(Amazonはこちら) 評者:楠本正幸 目次 ●企業が自社の労働生産性と従業員満足度を高めるためにオフィスを一新し,対外的にも企業

中心に据えられた存在感のある階段が、未来に"建築"であることを担保するーー御手洗龍による「stir ステア」

こんにちは。 アーキテクチャーフォトの後藤です。 今日は先日、内覧会に伺った、御手洗龍建築設計事務所が設計を手掛けた、東京・目黒区の店舗・住宅「stir ステア」について書いてみたいと思います。 御手洗さんは、東大にて安藤忠雄さん・千葉学さんに師事し、伊東豊雄建築設計事務所にて経験を積んだのち独立した建築家です。(詳細はこちらのプロフィールにて) 東横線の最寄駅から、数分歩いていくとこの建物はあります。 Googoleマップに導かれ、細い路地を入っていった、突き当りに、

「勝手に銀座ソニーパーク再生計画」。公園で過ごし、楽しむ人々を、観察し、分析し、開発へ活かす実験プラットフォームとするのは、どうだろう!?

銀座の「ソニービル」、芦原義信の名作建築が建て壊される?!えっでも、そのあと公園を作るの!?その名も「Ginza Sony Park」、それを聞いたときには興奮しました。 こ、これは、あのソニーなんだから、相当「公園」や「パブリックスペース」について、相当考えてくるに違いない!さらにそこに、ソニーという企業のこれからのヴィジョンを重ね合わせて、きっと僕らを「おぉぉ!!!」なんて言わせるに違いない! ソニーウォークマン世代で、ソニーラブな僕は、思っていたわけです。で、先日完

04|コンクリートブロック堰堤(長野県小谷村・第6号千国砂防ダム)

 フォッサマグナの西縁をなす糸魚川静岡構造線に沿って流れる姫川流域は、たびたび大きな土砂災害に見舞われており、多様な砂防対策が図られている。その中のひとつに、400を越えるプレキャストコンクリートブロックを積み上げた砂防堰堤がある。  既存の重力式コンクリート堰堤の直上、つまり地盤支持力が期待できない堆積土砂の上に、緊急に堤体を構築することになったため、沈下による変形を許容する形式が選ばれたという。  角張っていたブロック表面が、滑らかに削られている。土砂を含む水流が