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#建築 まとめマガジン

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note上の建築系記事をまとめていきます。 #建築 をつけて投稿しよう!
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2018年2月の記事一覧

デザインリサーチを通じた課題設計〜 #建築合宿2018 を通じて

こんにちは、デザインリサーチャーの浅野翔〈あさのかける〉です。普段は新規事業開発やブランディングなどに携わっています。 今回は先日、ジュリストとして学生のワークショップに参加するなかで気づいた、「デザインするためのデザイン」としての課題設計について取り上げてみます。 建築合宿とは建築合宿とは、学部1-2回生が中心となり、全国から120名ほどの学生が1週間程度で与えられた課題に対して建築設計を提案するものです。1グループ4-5名のグループワークで、建築学生は1人で設計課題を行

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「法」と「制度」から建築を考える─『新建築』2017年12月号月評

建築を規定する「法」と「制度」という言葉を使い分けて1年間考えていきます. 法(建築基準法や都市計画法など)+制度(依頼者や市民や地域社会が持つ規範のようなもの)=ドゥルーズ(『哲学の教科書』,1953年)にならって,法という言葉を「行為の制限」と,制度という言葉を「行為の肯定的な規範」として使います.どちらも人間がつくり出すものですが,建築に置き変えると,法は建築基準法や都市計画法などであり,制度は依頼者や市民や地域社会が持つ規範のようなものでしょうか.このふたつの総和と

05 渉成園の築地塀

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』(学芸出版社)。 歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です! 2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。 訪れる人 塚本由晴さん 建築家。アトリエ・ワン主宰 東京工業大学大学院准教授(当時) 案内する人 森田一弥さん 建築家+左官職人 森田一弥建築設計事務所主宰 前回のようす渉成園は別名「枳殻邸」とも言われる、東本願寺の別邸で、静かなお庭がありま

04 西本願寺伝道院と東本願寺のなまこ壁

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』(学芸出版社)。 歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です! 2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。 訪れる人 塚本由晴さん 建築家。アトリエ・ワン主宰 東京工業大学大学院准教授(当時) 案内する人 森田一弥さん 建築家+左官職人 森田一弥建築設計事務所主宰 前回のようす親鸞聖人750回大遠忌法要で賑わう門前町の町並みのなかに、突如、洋風建築

大阪都心の社寺めぐり-地域のお宝さがし-00

■楽しい「まち歩き」■ 毎日の忙しい生活のなかで、繁華街をブラつくときなどに、レトロな近代建築をさがしてみるのも楽しいものです。一方、大阪の都心には現在も多くの社寺が残されています。たまにはパワースポットや癒やしの空間を巡ってみるのも面白いものです。ここでは、社寺だけでなく、近代建築やそれを設計した建築家、史跡なども紹介します。現代と近代のまちの景観などを思い浮かべながら、「まち歩き」を楽しみませんか。あなただけの、魅力的な空間や面白いスポットを発掘できるかもしれません。

03 しっくい浅原

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』(学芸出版社)。 歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です! 2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。 訪れる人 塚本由晴さん 建築家。アトリエ・ワン主宰 東京工業大学大学院准教授(当時) 案内する人 森田一弥さん 建築家+左官職人 森田一弥建築設計事務所主宰 前回のようす「しっくい浅原」は、森田さんが弟子入りされていた左官屋さん。 京都をはじ

建築にとって「他者」とは誰のことでしょうか?─『新建築』2017年12月号月評

からまりの他者性.これは,平田晃久さんがTree-ness Houseの解説に書かれている言葉です.さて,この「他者」とは誰のことでしょう. 読み方はいくつもある気がしますが,僕は益子義弘さんが著書で書かれていた 「木陰の気持ちよさには,木の側にそうしてやろうという意図がないことも含まれている」 という言葉を思い出しました. 確かに「木」というただそこに超然と立つのみの存在に「気持ちよさ」というアビリティを与えているのは,木陰で休む誰かであって木ではありません.与えら

インタビュー調査は「他人からその人自身の経験を聞くこと」だけじゃないの?というあなたに #デザイン.

名古屋と京都を拠点に活動する、フリーランスデザインリサーチャーの浅野翔〈あさのかける〉です。新規事業創出やブランディング、組織デザインなどを行なっています。 なお、今回はインタビューの分析手法や構造的な分類はいたしません。興味がある方は、「質的調査入門ー"人間の科学"のための方法論 (春秋社)」などの社会学や民俗学の専門書をお勧めします。 目に見えないモノから「経験」や「価値観」など、目に見えない文脈を聞き出すインタビュー調査のひとつ。ナラティブ・ヒストリーは個人の深

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建築の(ちょっとずれた)面白い本を紹介してみる

最近忙殺されていて思考が硬くなり気味です.ということで,変なことに思いを巡らせたいなと思いまして,キーボードを叩いてみている. 世の中には変わった本が山ほどありますが,例に漏れず建築界にも変わった本が山のようにあります.僕が読んだ建築の中でちょっと変わっているな〜,と思った本を簡単に紹介してみようと思います. という訳で最初はこの本です. 『グッドバイ・ポストモダン』隈研吾 今や,日本人なら誰でも知っているであろう建築家・隈研吾氏が著者のこの本.1989年出版です.ア

02 日野薬師・法界寺

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』。 歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です! 2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。 訪れる人 塚本由晴さん 建築家。アトリエ・ワン主宰 東京工業大学大学院准教授(当時) 案内する人 森田一弥さん 建築家+左官職人 森田一弥建築設計事務所主宰 前回のようす移動中の車内では土モノと粉モノの関係性について盛り上がります。 「土って練ったり、捏

捉えどころのないモノに補助線を引くために

こんにちは、フリーランスのデザインリサーチャーとして、名古屋と京都の2拠点で事業開発やブランディング等に携わる浅野翔(アサノカケル)です。 4年ぶり!?のnote投稿は、コミュニティデザインの事例から、補助線を引くデザインリサーチについてです。 ― 「ここは15haの広さがあります」と聞いて、どれだけの人がその広大さを感じることができるでしょうか。ものに置き換えて「ここは東京ドーム3個分の面積があります」とすると、一度も東京ドームを訪れたことのない私は残念ながらその大きさ

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キューバ建築の魅力はホテルにあり!——その2

こんにちは、ロンロ・ボナペティと申します。 普段は建築デザインを中心に、書籍の編集をしております。 ノートでは日常で目にする町並みや建築を題材に、「建築ってこんなにおもしろいよ」「建築のことがわかると町歩きが楽しくなるよ」ということをお話しできればと思います。 前回、キューバに行ったらホテル建築とその空間構成に注目してみましょう、というお話をしました。 今回は前回紹介しきれなかった、ハバナの老舗ホテル、ナシオナル・デ・クーバについて。 前回のテーマとは逸れますが、見所たっぷり

けんちく目線で見てみよう!平日の朝一にこそ行きたい「根津美術館」

なんだか難しい顔をしながら腕を組んで考える、そんな分野に捉えられがちな「建築」という世界。 この連載では、建築がもっと身近に感じられるよう「建築」ではなく「けんちく」のように、ひろくやさしく、やわらかく。そんな目線で建築の魅力をお伝えします。 けんちく目線からの施設の紹介を通して、「こんな素敵な建物があったのか!」という新たな出会いや、「もともと好きだった建物には、こんな見方があったのか!」という発見につながれば嬉しいです。 都会の喧騒を忘れられる、とっておきの美術館

01 妙喜庵待庵

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』。 歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です! 2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。 訪れる人 塚本由晴さん 建築家。アトリエ・ワン主宰 東京工業大学大学院准教授(当時) 案内する人 森田一弥さん 建築家+左官職人 森田一弥建築設計事務所主宰 前日までの雨もあがり、快晴のなか学芸出版社を出発! 塚本さん、まずはRauk(ルーク)のパンで腹ご