歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史…

歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史なのですが、地方だといろいろやらざるを得ず、日々勉強しながら仕事をしています。それゆえ「歴史屋」を自称しています。

最近の記事

「概説 静岡県史」第151回:「日常生活の統制」

 東海地方も梅雨があけ、本格的な夏なわけです(まぁ、それ以前から暑いが続いていましたが)。心なしが、風が吹けば(梅雨明け以前よりも風が湿っぽくない)、外では若干涼しいような気がしますが、室内はエアコンが無ければダメですね。自分の部屋は、エアコンはついているのですが、長年つけたことがなく、扇風機で何とかなってきたのですが、体温よりも気温が高いような状態では、扇風機の風も温風で、窓を全開に開けても(部屋の構造上、完全換気は無理)、室内の暑い空気が抜けていかない事態に陥っています。

    • 「概説 静岡県史」第150回:「労務動員政策の破たん」

       それでは「概説 静岡県史」第150回のテキストを掲載します。 第150回:「労務動員政策の破たん」  今回は、「労務動員政策の破たん」というテーマでお話します。  1941年(昭和16年)12月1日、14歳以上40歳未満の男子、14歳以上25歳未満の未婚の女子に対して、1年のうち30日以内の勤労動員業務を課す「国民勤労報国協力令」が施行されました。その後、日数は1年に60日、年齢は男子が60未満、女子が40歳未満にまで拡大されました。国民勤労報国隊は、大政翼賛会、翼賛壮年

      • 「概説 静岡県史」第149回:「職業紹介所と徴用」

         各地で夏の高校野球が始まっています。静岡県でも昨日、今日と県内各地で野球が行われましたが、この暑い日中に、太陽を遮るものが何もないところで野球なんて、クレージーです。それを応援するブラスバンドや応援団はもっとクレージーです。野球をやっている子たちはやりたくてやっているからまだ良いですが、ブラスバンドの子たちはあくまでも友情応援ですから、もし体調不良で倒れても、だれも責任をとってくれません。それでも連れて行かされるのですから、かわいそうです。気候が今までと違うのに、そのような

        • 「概説 静岡県史」第148回:「戦時下の女性団体と青年団体」

           明日から7月です。もう今年も半分が過ぎてしまいました。ただ、4月から急に忙しくなった身としては、4月以降まだ3カ月しか経っていないという方が、実感として強く、読めていない本の山を今後どう処理するか、今年の夏も既にオンラインでセミナーの予定が数件あるので、苦慮しています。  それでは「概説 静岡県史」第148回のテキストを掲載します。 第148回:「戦時下の女性団体と青年団体」  今回は、「戦時下の女性団体と青年団体」というテーマでお話します。  戦時下の女性団体は、静岡県

        「概説 静岡県史」第151回:「日常生活の統制」

          「概説 静岡県史」第147回:「産業報国運動の展開」

           今日6月23日は沖縄「慰霊の日」です。本土決戦の時間稼ぎのために持久戦が展開された沖縄戦終結から79年です。いくら時間が経とうとも、このことは決して忘れてはいけません。ほんの少しでも、このように話題にすることで、語りついていくべきことだと思います。  それでは「概説 静岡県史」第147回のテキストを掲載します。 第147回:「産業報国運動の展開」  今回は、「産業報国運動の展開」というテーマでお話します。  産業報国(以下、産報)運動の発端は、1919年(大正8年)の床次

          「概説 静岡県史」第147回:「産業報国運動の展開」

          「概説 静岡県史」第146回:「社会運動の衰退」

           今朝は雨でしたが、もう6月も半ばになるのに、東海地方は梅雨入りしていません。雨が降り続くのは実際嫌なのですが、しかし来るものが来ないと、何故か落ち着かない感じがします。おまけに連日の暑さのせいで、額に汗がにじんで、早くもあせもで痛痒く、夏本番になったら、どうなってしまうのか、今から不安です。   それでは「概説 静岡県史」第146回のテキストを掲載します。 第146回:「社会運動の衰退」  今回は、「社会運動の衰退」というテーマでお話します。  1936年(昭和11年)か

          「概説 静岡県史」第146回:「社会運動の衰退」

          「概説 静岡県史」第145回:「戦時社会教育と幼児・障害児教育」

           『現代思想5月臨時増刊号』が「アントニオ・ネグリ」だったので、とりあえずポチったのですが、1か月以上表紙だけを眺め続けています。これを読むためには、かなり集中しないといないし、そもそも途中で誰かに邪魔されるのも嫌なので読める機会を待っているのですが、未だにそのチャンスがなく、このままだと間違いなく夏休みでしょう。その方が落ち着いて読めるので、早く読みたい気持ちは強いのですが、仕方がないかなぁと思います。  それでは「概説 静岡県史」第145回のテキストを掲載します。 第1

          「概説 静岡県史」第145回:「戦時社会教育と幼児・障害児教育」

          「概説 静岡県史」第144回:「学校教練と高等教育の軍事化」

           今回学徒出陣の際の、静岡高等学校出陣学徒総代であった原口清の言葉を取り上げていますが、原口先生には生前親しくお付き合いさせていただいていて、私にとっては非常に温和で朗らかな先生というイメージしかないだけに、あの原口先生がこのような言葉を発せられていたということは、全く想像できません。それゆえ逆に、あの原口先生すら、このような言葉を発するくらい、当時の社会はおかしかったのだということを強く感じます。  それでは「概説 静岡県史」第144回のテキストを掲載します。 第144回

          「概説 静岡県史」第144回:「学校教練と高等教育の軍事化」

          「概説 静岡県史」第143回:「勤労動員」

           ここ数年、5月が初夏であるということを実感しています。今日も、外に居たら、すっかり日焼けをするほどの日差しでしたし、真夏ほどではないにしても少し動くと暑くて、冷たい飲み物が欲しくなる陽気です。ただ、夜のために、あまり昼間には冷たいモノは飲みませんが…。  それでは「概説 静岡県史」第143回のテキストを掲載します。 第143回:「勤労動員」  今回は、「勤労動員」というテーマでお話します。  戦時下には、銃後の労力奉仕として中等学校の生徒も勤労作業に従事するようになりま

          「概説 静岡県史」第143回:「勤労動員」

          「概説 静岡県史」第142回:「学童疎開」

           学童疎開の話をするたびに、高校時代の先生を思い出します。その先生は学童疎開で静岡県にやってきて、詳細は不明ながらそのまま静岡県に住み着いたということなのですが、学童疎開での経験が非常に辛かったらしく、そのためか、戦争関係の歴史を研究されていました。静岡県の歴史研究者としては大変有名な方で、非常に多くの論文を執筆し、著作もあり、多くの自治体史にかかわっていて、大学の先生方も一目置く存在でした。私が歴史を学ぶ道を選んだのは、その先生の影響が大変大きいのですが、先生の歴史学はその

          「概説 静岡県史」第142回:「学童疎開」

          「概説 静岡県史」第141回:「戦時下における「行」と「錬成」の教育」

           GWも過ぎ、やや休みボケの1週間でしたが、カレンダーを見ると、この先7月まで祝日が無いんですね。その事実を認識した時点で、すっかり気力を失いましたが、まぁ仕方がないですね。なんとか、ごまかしながら、残りの5月と、6月を乗り切るしかないですね。  幸いなことに、とりあえず今週掲載できる原稿は出来たのですが、週末以外に休みが無いと、原稿を書く時間がなかなか無いので、しばらくはまた自転車操業でいかざるを得ないという、大変厳しい状況です。  それでは「概説 静岡県史」第141回のテ

          「概説 静岡県史」第141回:「戦時下における「行」と「錬成」の教育」

          「概説 静岡県史」第140回:「満蒙開拓の実態」

           連休後半に、「浜名湖花博2024」に出かけましたが、非常に天気も良かったので、とても良かったです。日差しが強くて紫外線で目をやられたようで、帰って来てから目がショボショボしましたが(この時期でも、サングラスは必要ですね)、花や緑はいいですね。「概説 静岡県史」のストックが無いことも忘れて、すっかりのんびりした気分になってしまいました(来週、掲載するものがない!)。  それでは「概説 静岡県史」第140回のテキストを掲載します。 第140回:「満蒙開拓の実態」  今回は、「

          「概説 静岡県史」第140回:「満蒙開拓の実態」

          「概説 静岡県史」第139回:「満州開拓移民」

           今年は昨日27日からゴールデンウイークということのようですが、来週3日間も普通の日があり、それを休みにするのはかなり難しいので、(一部の大手の方は可能でしょうが)、昨日、今日、明日の3連休と、後半3日から4連休ってのが一般的だろうと思いますが。  今日みたいな天気の良い日には、どこかに行きたいなぁと思いますが、子どもの就職に伴い、先月は引っ越しやら、必要な生活物資の購入やらでお金が湯水のごとく無くなり、クレジットで買ったものも多いので、その支払いは来月まで続くため、連休だか

          「概説 静岡県史」第139回:「満州開拓移民」

          「概説 静岡県史」第138回:「戦時林業統制と遠洋漁業の解体」

           静岡県知事の立候補者が大村氏と鈴木氏に固まり、各陣営もそれぞれどちらに付くかはっきりしてきました。いちおう自民の大村氏と連合・立憲・国民の鈴木氏という感じですが、東・中・西部という問題もあり、経済界も静岡市と浜松市と二つに分かれています。政策的にはどちらの候補もあまり違わないように見えますので、西部をバックにした鈴木氏と中部の大村氏という地域対決になって、東部での得票率がカギを握るという構図になるような気がします。また浜松市長としての実績が明確な鈴木氏に対して、元副知事の大

          「概説 静岡県史」第138回:「戦時林業統制と遠洋漁業の解体」

          「概説 静岡県史」第137回:「小作料統制と農業団体統制」

           先週、急に忙しくなって、「概説 静岡県史」の続きが書けなさそうとぼやいていましたが、いよいよ現実になってきました。今までの業務ならば、先の見込みが立ったのですが、唐突にいろいろな案件が飛び込んできて、1つ終わると、それを見計らったかの如く、別案件が入ってきて、おまけにこれまで放置されていた問題の当事者にならざるを得ないことが分かり、その対策を検討する必要があり、急ぎ明日からそれに取り掛からないとならず、他にもやらなければならない業務があるので、もういっぱいいっぱいです。なん

          「概説 静岡県史」第137回:「小作料統制と農業団体統制」

          「概説 静岡県史」第136回:「農業労働力統制と農地統制」

           新年度になり、明日あたりに始業式・入学式のところが多いのでしょうか。個人的に昨年度とは違い、かなり業務量が増えることになり、4月1日からやたらと忙しく、早くもふらふらしています。この調子だと、また「概説 静岡県史」を書く時間もなくなり、連休前にネタ切れになる危険がありますが、それも仕方がないかなぁと思っています。  それでは「概説 静岡県史」第136回のテキストを掲載します。 第136回:「農業労働力統制と農地統制」  今回は、「農業労働力統制と農地統制」というテーマでお

          「概説 静岡県史」第136回:「農業労働力統制と農地統制」