歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史…

歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史なのですが、地方だといろいろやらざるを得ず、日々勉強しながら仕事をしています。それゆえ「歴史屋」を自称しています。

最近の記事

「概説 静岡県史」第159回:「本土決戦準備」

 シルバーウイークですが、今年は3連休が2回という、大型連休にはならず、まぁ、その方が休みボケしないで良いのですが、なんとなくダラダラ過ごして終わりそうで、なんか損しているような気がします。もう少し休み方を上手になりたいものです。  それでは「概説 静岡県史」第159回のテキストを掲載します。 第159回:「本土決戦準備」  今回は、「本土決戦準備」というテーマでお話します。  1944年(昭和19年)7月、「本土防衛」の要とされたサイパン島が陥落し、その責任を負って東条内

    • 「概説 静岡県史」第158回:「地方翼賛文化運動と地方新聞の統合」

       台風10号が去って、今週はすっかり元の暑さが戻って来てしまいました。ただここ2~3日、朝だけはやや涼しくなったような気がします。日中がもう少し涼しくなるのはいつなんでしょうか。思えば、昨年も10月に入っても暑かったような気がしますから、まだ1カ月以上は暑い日が続くのでしょうか。  それでは「概説 静岡県史」第158回のテキストを掲載します。 第158回:「地方翼賛文化運動と地方新聞の統合」  今回は、「地方翼賛文化運動と地方新聞の統合」というテーマでお話します。  193

      • 「概説 静岡県史」第157回:「強制連行された朝鮮人」

         台風10号の雨が、我が家の周辺ではやっと解消されたようです。普通、台風が近づいてくると雨が降ったわけですが、今回は台風本体はまだかなり遠いにもかかわらず、非常に大量の雨が降ったのは驚きでした。近くの川が警戒水位ギリギリだったようですし、我が家のすぐ裏にある用水路も、残りほんの数センチであふれるギリギリでしたが、降ったり止んだりで止み間があったのが幸いでした。ただ、また新しい台風ができているようですし、9月になったばかりですから、この後もまだ危険性はありますね。やはり地球全体

        • 「概説 静岡県史」第156回:「朝鮮人による労働運動と皇民化政策」

           来週、また台風です。火・水曜日あたりに、今度は台風10号の影響を強く受けそうですね。当初の予想より西よりになってきましたが、列島直撃は免れない進路予想です。来週になると、多くの地域で学校が始まると思うのですが、明日あたりから雨も多く降るでしょうから、少し心配です。   それでは「概説 静岡県史」第156回のテキストを掲載します。 第156回:「朝鮮人による労働運動と皇民化政策」  今回は、「朝鮮人による労働運動と皇民化政策」というテーマでお話します。  1930年(昭和5

        「概説 静岡県史」第159回:「本土決戦準備」

          「概説 静岡県史」第155回:「在留朝鮮人とその組織化」

           「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が何事もなく終わった矢先に、台風7号で東海道新幹線が東京-名古屋間で計画運休って、だいぶ早い段階からアナウンスされていました。早いアナウンスだったので、それほど混乱はなかったようですが、これって何かあった時には「東海道新幹線は動かない」ってことを、国民にアピールしているんでしょうか。本心は、リニア新幹線の重要性のアピールってあたりかなぁとも思いますが。  それでは「概説 静岡県史」第155回のテキストを掲載します。 第155回:「

          「概説 静岡県史」第155回:「在留朝鮮人とその組織化」

          「概説 静岡県史」第154回:「戦時下の社会紛争」

           8月8日の日向灘を震源とする地震が、南海トラフの想定域内での地震ということで、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されたのには、少し驚きましたが、幸いに今のところ大きな変化はありません。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、今回初めて発表されたので、最初は分からないことも多かったのですが、ちょうど週末にもなり、テレビで盛んに解説が行われたので、理解できてきました。この先、変化が起こらないとは限りませんが、いまのところ大丈夫なようなので、その意味では「南海

          「概説 静岡県史」第154回:「戦時下の社会紛争」

          「概説 静岡県史」第153回:「戦場の静岡県民」

           オリンピックが開催されているパリと日本との時差は12時間ですので、ちょうど朝のニュースの時間に試合が行われているのですが、朝、民放をはじめ、NHKまで総合、Eテレともオリンピックってのはどうなんでしょう。どの局でも同じことをやっているのって、テレビ局が複数ある意義がないわけです。まぁ、日本って、そういう国なんですけどね。  オリンピック以外が話題になっているかと思えば、「8月2日の国内株価は大幅な下落は、ブラックマンデー(1987年10月)以来の史上2番目の大きさ」だと騒い

          「概説 静岡県史」第153回:「戦場の静岡県民」

          「概説 静岡県史」第152回:「配給制度下の日常生活」

           パリオリンピックが始まりました。開会式や入場行進は、パリのど真ん中である、セーヌ川を中心のアウステルリッツ橋からサン・ルイ島とシテ島を巡ってイエナ橋、そしてエッフェル塔前のトロカデロ広場で開催されるという、何ともコンパクトかつユニークなものでした。オープニングがジダンが登場する映像から始まるのも画期的でした。でも、あの時間ってテレビを見ていない人はどうしていたんでしょう?セーヌ川の途中にも、いろいろと物議をかもすものがいろいろありましたが、まぁお祭りなんで、多少は目をつぶり

          「概説 静岡県史」第152回:「配給制度下の日常生活」

          「概説 静岡県史」第151回:「日常生活の統制」

           東海地方も梅雨があけ、本格的な夏なわけです(まぁ、それ以前から暑いが続いていましたが)。心なしが、風が吹けば(梅雨明け以前よりも風が湿っぽくない)、外では若干涼しいような気がしますが、室内はエアコンが無ければダメですね。自分の部屋は、エアコンはついているのですが、長年つけたことがなく、扇風機で何とかなってきたのですが、体温よりも気温が高いような状態では、扇風機の風も温風で、窓を全開に開けても(部屋の構造上、完全換気は無理)、室内の暑い空気が抜けていかない事態に陥っています。

          「概説 静岡県史」第151回:「日常生活の統制」

          「概説 静岡県史」第150回:「労務動員政策の破たん」

           それでは「概説 静岡県史」第150回のテキストを掲載します。 第150回:「労務動員政策の破たん」  今回は、「労務動員政策の破たん」というテーマでお話します。  1941年(昭和16年)12月1日、14歳以上40歳未満の男子、14歳以上25歳未満の未婚の女子に対して、1年のうち30日以内の勤労動員業務を課す「国民勤労報国協力令」が施行されました。その後、日数は1年に60日、年齢は男子が60未満、女子が40歳未満にまで拡大されました。国民勤労報国隊は、大政翼賛会、翼賛壮年

          「概説 静岡県史」第150回:「労務動員政策の破たん」

          「概説 静岡県史」第149回:「職業紹介所と徴用」

           各地で夏の高校野球が始まっています。静岡県でも昨日、今日と県内各地で野球が行われましたが、この暑い日中に、太陽を遮るものが何もないところで野球なんて、クレージーです。それを応援するブラスバンドや応援団はもっとクレージーです。野球をやっている子たちはやりたくてやっているからまだ良いですが、ブラスバンドの子たちはあくまでも友情応援ですから、もし体調不良で倒れても、だれも責任をとってくれません。それでも連れて行かされるのですから、かわいそうです。気候が今までと違うのに、そのような

          「概説 静岡県史」第149回:「職業紹介所と徴用」

          「概説 静岡県史」第148回:「戦時下の女性団体と青年団体」

           明日から7月です。もう今年も半分が過ぎてしまいました。ただ、4月から急に忙しくなった身としては、4月以降まだ3カ月しか経っていないという方が、実感として強く、読めていない本の山を今後どう処理するか、今年の夏も既にオンラインでセミナーの予定が数件あるので、苦慮しています。  それでは「概説 静岡県史」第148回のテキストを掲載します。 第148回:「戦時下の女性団体と青年団体」  今回は、「戦時下の女性団体と青年団体」というテーマでお話します。  戦時下の女性団体は、静岡県

          「概説 静岡県史」第148回:「戦時下の女性団体と青年団体」

          「概説 静岡県史」第147回:「産業報国運動の展開」

           今日6月23日は沖縄「慰霊の日」です。本土決戦の時間稼ぎのために持久戦が展開された沖縄戦終結から79年です。いくら時間が経とうとも、このことは決して忘れてはいけません。ほんの少しでも、このように話題にすることで、語りついていくべきことだと思います。  それでは「概説 静岡県史」第147回のテキストを掲載します。 第147回:「産業報国運動の展開」  今回は、「産業報国運動の展開」というテーマでお話します。  産業報国(以下、産報)運動の発端は、1919年(大正8年)の床次

          「概説 静岡県史」第147回:「産業報国運動の展開」

          「概説 静岡県史」第146回:「社会運動の衰退」

           今朝は雨でしたが、もう6月も半ばになるのに、東海地方は梅雨入りしていません。雨が降り続くのは実際嫌なのですが、しかし来るものが来ないと、何故か落ち着かない感じがします。おまけに連日の暑さのせいで、額に汗がにじんで、早くもあせもで痛痒く、夏本番になったら、どうなってしまうのか、今から不安です。   それでは「概説 静岡県史」第146回のテキストを掲載します。 第146回:「社会運動の衰退」  今回は、「社会運動の衰退」というテーマでお話します。  1936年(昭和11年)か

          「概説 静岡県史」第146回:「社会運動の衰退」

          「概説 静岡県史」第145回:「戦時社会教育と幼児・障害児教育」

           『現代思想5月臨時増刊号』が「アントニオ・ネグリ」だったので、とりあえずポチったのですが、1か月以上表紙だけを眺め続けています。これを読むためには、かなり集中しないといないし、そもそも途中で誰かに邪魔されるのも嫌なので読める機会を待っているのですが、未だにそのチャンスがなく、このままだと間違いなく夏休みでしょう。その方が落ち着いて読めるので、早く読みたい気持ちは強いのですが、仕方がないかなぁと思います。  それでは「概説 静岡県史」第145回のテキストを掲載します。 第1

          「概説 静岡県史」第145回:「戦時社会教育と幼児・障害児教育」

          「概説 静岡県史」第144回:「学校教練と高等教育の軍事化」

           今回学徒出陣の際の、静岡高等学校出陣学徒総代であった原口清の言葉を取り上げていますが、原口先生には生前親しくお付き合いさせていただいていて、私にとっては非常に温和で朗らかな先生というイメージしかないだけに、あの原口先生がこのような言葉を発せられていたということは、全く想像できません。それゆえ逆に、あの原口先生すら、このような言葉を発するくらい、当時の社会はおかしかったのだということを強く感じます。  それでは「概説 静岡県史」第144回のテキストを掲載します。 第144回

          「概説 静岡県史」第144回:「学校教練と高等教育の軍事化」