歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史…

歴史屋カワカミ

研究者ではありませんが、静岡県で歴史に関わる仕事をしてきています。本来の専門は近現代史なのですが、地方だといろいろやらざるを得ず、日々勉強しながら仕事をしています。それゆえ「歴史屋」を自称しています。

最近の記事

「概説 静岡県史」第140回:「満蒙開拓の実態」

 連休後半に、「浜名湖花博2024」に出かけましたが、非常に天気も良かったので、とても良かったです。日差しが強くて紫外線で目をやられたようで、帰って来てから目がショボショボしましたが(この時期でも、サングラスは必要ですね)、花や緑はいいですね。「概説 静岡県史」のストックが無いことも忘れて、すっかりのんびりした気分になってしまいました(来週、掲載するものがない!)。  それでは「概説 静岡県史」第140回のテキストを掲載します。 第140回:「満蒙開拓の実態」  今回は、「

    • 「概説 静岡県史」第139回:「満州開拓移民」

       今年は昨日27日からゴールデンウイークということのようですが、来週3日間も普通の日があり、それを休みにするのはかなり難しいので、(一部の大手の方は可能でしょうが)、昨日、今日、明日の3連休と、後半3日から4連休ってのが一般的だろうと思いますが。  今日みたいな天気の良い日には、どこかに行きたいなぁと思いますが、子どもの就職に伴い、先月は引っ越しやら、必要な生活物資の購入やらでお金が湯水のごとく無くなり、クレジットで買ったものも多いので、その支払いは来月まで続くため、連休だか

      • 「概説 静岡県史」第138回:「戦時林業統制と遠洋漁業の解体」

         静岡県知事の立候補者が大村氏と鈴木氏に固まり、各陣営もそれぞれどちらに付くかはっきりしてきました。いちおう自民の大村氏と連合・立憲・国民の鈴木氏という感じですが、東・中・西部という問題もあり、経済界も静岡市と浜松市と二つに分かれています。政策的にはどちらの候補もあまり違わないように見えますので、西部をバックにした鈴木氏と中部の大村氏という地域対決になって、東部での得票率がカギを握るという構図になるような気がします。また浜松市長としての実績が明確な鈴木氏に対して、元副知事の大

        • 「概説 静岡県史」第137回:「小作料統制と農業団体統制」

           先週、急に忙しくなって、「概説 静岡県史」の続きが書けなさそうとぼやいていましたが、いよいよ現実になってきました。今までの業務ならば、先の見込みが立ったのですが、唐突にいろいろな案件が飛び込んできて、1つ終わると、それを見計らったかの如く、別案件が入ってきて、おまけにこれまで放置されていた問題の当事者にならざるを得ないことが分かり、その対策を検討する必要があり、急ぎ明日からそれに取り掛からないとならず、他にもやらなければならない業務があるので、もういっぱいいっぱいです。なん

        「概説 静岡県史」第140回:「満蒙開拓の実態」

          「概説 静岡県史」第136回:「農業労働力統制と農地統制」

           新年度になり、明日あたりに始業式・入学式のところが多いのでしょうか。個人的に昨年度とは違い、かなり業務量が増えることになり、4月1日からやたらと忙しく、早くもふらふらしています。この調子だと、また「概説 静岡県史」を書く時間もなくなり、連休前にネタ切れになる危険がありますが、それも仕方がないかなぁと思っています。  それでは「概説 静岡県史」第136回のテキストを掲載します。 第136回:「農業労働力統制と農地統制」  今回は、「農業労働力統制と農地統制」というテーマでお

          「概説 静岡県史」第136回:「農業労働力統制と農地統制」

          「概説 静岡県史」第135回:「中小商工業と金融機関の再編成」

             それでは「概説 静岡県史」第135回のテキストを掲載します。 第135回:「中小商工業と金融機関の再編成」  今回は、「中小商工業と金融機関の再編成」というテーマでお話します。  政府は、昭和恐慌の下で、輸出拡大を図るためにも中小工業の組織化と重要輸出品工業組合への結集を図りつつ、金融的に一定の支援策を講じました。1936年(昭和11年)の商工中央金庫の発足も、第一次世界大戦後に始まる中小商工業支援策として企画された施策の1つです。全般的に戦時経済統制に入るまでの産業

          「概説 静岡県史」第135回:「中小商工業と金融機関の再編成」

          「概説 静岡県史」第134回:「工業の構造変化と労働力の動員」

           まだのところもあるかもしれませんが、学校は春休みに入っていますよね?それとともに、あちらこちらで人事異動のニュースが出ています。喜んでいる人、落ち込んでいる人、いろいろでしょうが、某政令市の教育委員会の話もありましたが、多くの勤め人にとってはどうしようもない部分もあるでしょう(そういう私も、若干落ち込み気味なので、こう言ってある意味自分に言い聞かせているわけですが)。しかし、人事っていったいどうやって決めているのか、本当に謎です。こういうのは、おそらく知らない方が良いのだろ

          「概説 静岡県史」第134回:「工業の構造変化と労働力の動員」

          「概説 静岡県史」第133回:「戦時工業再編と統制」

           今日は、「歴史は、研究者や教師、生徒・学生だけがつくるものではありません。本来、誰もが過去について調べ、未来に記憶をつないでいく担い手です。歴史好きの人も、これから歴史に触れてみたい人も、歴史研究者も、それぞれに「歴史する」主体なのです。多くの人が一緒になって、楽しく真剣に歴史する場を作りたい。いろいろな歴史の「楽しい」「面白い」を持ち寄り、たくさんの「歴史の仕事」を知ることができる場がほしい。」という趣旨のもと、名古屋大学で歴史フェスが開催されていて、残念ながら現地には行

          「概説 静岡県史」第133回:「戦時工業再編と統制」

          「概説 静岡県史」第132回:「戦時における社会行政」

           明日は東日本大震災から13年です。あの時、福島第一原発の事故で、世界的に大きな衝撃が走り、国内においても非常に悲惨な原発事故に対して、脱原発の声が高くなり、以前から原発に違和感を感じていた自分としては、これで何かが変わるかと期待していましたが、少なくとも現時点において日本という国は変わっていないように思います。それどころか、ほとぼりが冷めたころを見計らって、いまだに福島第一原発の廃炉作業に伴い、放射性廃棄物の処理に関する議論がままならないにもかかわらず、原発稼働を延長させ、

          「概説 静岡県史」第132回:「戦時における社会行政」

          「概説 静岡県史」第131回:「地方財政の戦時化」

          3月になりました。今年はうるう年で2月は29日まであったにもかかわらず、「1月は行く、2月は逃げる」のごとく、あっという間に3月になってしまったという気がします。  静岡県では3月1日が公立高校の卒業式でしたが、全国的にも同じような時期に高校の卒業式があるのでしょうが、卒業された高校生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。今の高校生は100歳まで生きると言われるように、むしろここからが長いわけで、高校卒業は新たなスタートです。皆さんのご活躍を心から期待します。  それでは「

          「概説 静岡県史」第131回:「地方財政の戦時化」

          「概説 静岡県史」第130回:「太平洋戦争下の地方行政と静岡大火、東南海地震」

           昨日2月24日は、ロシアによるウクライナ侵攻から2年になりますが、当初、現代においてこのような動きは、世界各国からロシアには様々な制裁、ウクライナには様々な支援が行われ、1年以内で解決するのではないかと思っていましたので、まさかここまで続くとは想像しませんでした。ロシアという国をよく分かっていなかったのが原因ですが(正直言って、今でもよくわかっていないのですが)、ロシアの実態を知りたいと思う今日この頃です。何か良い方法はないでしょうか。  それでは「概説 静岡県史」第130

          「概説 静岡県史」第130回:「太平洋戦争下の地方行政と静岡大火、東南海地震」

          「概説 静岡県史」第129回:「議会の無力化と翼賛会、翼壮」

           今回の話ではないですが、今の政治って「建設的」ではなく、その存在意義を疑いたくなる状況です。自民党のパー券問題があれだけいろいろ出てきたのに、何の責任も取らず、また文科大臣が「覚えていません」を繰り返すだけで、そのままでいられるのは、小選挙区制の、その地域からたった1人だけ選ばれるというシステムを悪用した開き直りであり、小選挙区制のデメリットだと思いますし、選ばれるために政治に金をかけるので、この問題を助長している制度なのではないかと思います。もちろんこのままでいいはずはな

          「概説 静岡県史」第129回:「議会の無力化と翼賛会、翼壮」

          「概説 静岡県史」第128回:「推薦制市町村選挙と戦力増強への県民総動員」

           今回は、市町村会選挙を取り上げていますが、地域によって候補者への規制力が強いところと弱いところがあるというのが、そういう状況が起こることは理解できますが、どんな要因で強いところと弱いところが生まれるのか、今回そこまでは調べられなかったのですが、気になるところです。特に市レベルで、いろいろ問題があるというのは、いったいどうしてなのか、翼壮の影響力にポイントがありそうですが、翼壮の地域差が何故存在するのか、新たな課題が出来てしまいました。  それでは「概説 静岡県史」第128回

          「概説 静岡県史」第128回:「推薦制市町村選挙と戦力増強への県民総動員」

          「概説 静岡県史」第127回:「翼賛壮年団の結成と翼賛選挙」

           昨日は節分でしたが、豆まきって子どもが小さいころはやりましたが、最近はすっかりやらなくなってしまいました。こういう行事って各家庭レベルではだんだんやらなくなっていくんでしょうね。ただ、きっと孫ができると、再開するのだと思いますが、そうすると、我が家で豆まきが復活するのは、10年以上先かなぁと思いつつ、いり大豆が大好きな私は、一人ポリポリ豆をつまみながら、酒を飲む節分でした。  それでは「概説 静岡県史」第127回のテキストを掲載します。 第127回:「翼賛壮年団の結成と翼

          「概説 静岡県史」第127回:「翼賛壮年団の結成と翼賛選挙」

          「概説 静岡県史」第126回:「隣保組織の整備と革新派の再結集」

           今回の記事を書いていて改めて思ったのですが、推進員制度のところで、「戦争は無理なしでは勝てぬ、戦争は不可能を可能にすることであり、同じように肥料がないから増産できないということは許されない、という精神教育」というのがありますが、「戦争は不可能を可能にすること」って、上に立つものにとっては非常に都合の良いですが、何て無責任な言葉なのでしょう。そんなこと言えば、なんでもまかりとおってしまいます。改めて戦争って人をおかしくするってことが良くわかる話で、だからこそ戦争はダメなんだと

          「概説 静岡県史」第126回:「隣保組織の整備と革新派の再結集」

          「概説 静岡県史」第125回:「大政翼賛会県支部の結成と地域末端組織の整備」

           政党の問題は、昔も今もいろいろ難しいですね。大政翼賛会の成立過程をを見ると、それを実感します。自民党の派閥問題も、自民党はいろいろな考えを持つ集団の連合体なわけで、55年体制時の派閥はそれによって自民党がいろいろな人々を引き付けるのに役立っていたわけですが(それゆえに政権政党として存在意味があったわけですが)、小選挙区体制下の派閥は、いくつかの親分子分グループがあるだけで、存在意味があるようには思えませんので、解消しても政治には影響がないと思います。  それでは「概説 静岡

          「概説 静岡県史」第125回:「大政翼賛会県支部の結成と地域末端組織の整備」