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Google流 「疲れない働き方」とは。

前回モチベーションの記事を作成しました。又、その前にNetflixの記事も作成しましたが今日はやはりこの企業、Googleを題材に記事を作成してみます。同社は言うまでもなく世界のTOP企業ですが、実はその成長の要因として様々な工夫をしています。その工夫のひとつがこの「疲れない働き方」で、高い生産性を保つ要素の一つとして挙げられています。特に日本人は疲れているとよく言われますが何がどう違うのか、いくつかの要素を交えて紹介していきます。

一つ余談ですが、この記事を作成しながら感じたことの一つとして以前書いた樺沢紫苑 著【神・時間術】に非常に似通った部分がありました。よろしければこちらの記事も読んでいただけるとおもしろいかと思います。

Google流スプリント

Google社員は昼休みに遊ぶそうです。真昼間から大の大人たちが会社でバレーボールをして遊んでいたり、近くをランニングしていたりするそうです。これを聞いてGoogleの社員は何て気楽で恵まれているんだろうと大企業で儲かっているからそんな働き方ができるんだそう思う人もいるかもしれませんが当然そうではないのです。

労働生産性とは単位時間あたりでどれだけの付加価値を生み出せたかを示す値です。仕事で本当に必要なのはアウトプットがいかに大きいかで、どれだけ長時間職場にいたかではないのです。Googleの社員たちは最大限のアウトプットを出せるように心と体の状態を整えるために休息しているわけです。つまり昼休みにバレーボールをして息抜きをすることも実は仕事に直結しているということです。

さてGoogleの仕事の仕方として著名なものにスプリントと呼ばれるものがあります。

スプリントとは”ずっと仕事を続けるのではなく、仕事について集中する時間を決めて作業を行い、その後はしっかりと休息を取るというメリハリのある働き方”のことです。

Googleではこのスプリントが徹底されているそうです。ずっと走り続けるマラソンでは疲れてしまいます。何もしない時間を意識的に作ることでより集中して創造的な仕事をすることが初めて可能になります。例えば Googleの社員は人によっては遅くまで働いていることがありますが、それはこの人が長時間労働の犠牲者であるということではありません。エンジニアならばある一定の期間を決めて、その間はそのプロジェクトに集中して働くのですがそれが終わったらしっかりと休みを取っているのです。また、午後10時まで働くその代わり明日は昼に出社する、あるいは有給休暇を取ってしまうといった働き方をする人もいるそうです。そうでないと必要なことに集中できないまま疲れが溜まってしまいますし、それでは結果も出せないのです。

ある社員は予定を組むときにもこのスプリントを意識して予定を入れるようにしているそうです。その社員のカレンダーはびっしりと予定で埋まっていて、毎日コンサルや打ち合わせや講演、ワークショップと様々な仕事が入る上に出張も多いし土日も仕事が入っているそうです。こんなスケジュールの時は特に仕事をする時と休む時の色分けが大切になってくるのです。

例えば仕事が詰まった状態が何週間も続いていたらある時期は一切仕事を入れないようにする。このスピードで動くと最大限の結果は無理だと思ったら何もしない日を意識的に作る。こうして必要な時にしっかりと集中できるようにバランスを取っているのです。

スプリントの大事なポイントは、休む時はきちんと休むということです。とはいえ日本人というのは休むのが苦手です。頭ではわかっていても勤勉ですから土日も仕事で会社に出る人は多いし休むこと自体を罪悪感に感じてい休みの日も仕事のことを考えてしまうという人もいるでしょう。そういう人は週末の休みの捉え方を根本から変える必要があるといわれています。単に月曜から金曜まで働いたから週末休むと捉えるのではなく、次の一週間で自分が最大限のパフォーマンスを出すための休みだと認識するわけです。

そして疲れやすいという人は90分とか45分で強制的に作業を切り上げて細切れに休憩を入れるようにします。会社員の方であっても90分とか45分たったら飲み物を買いに行ったり、トイレに行ったりして細切れに休憩します。そうすることでトータルで1日に集中できる時間が延びることでしょう。

是非このスプリントの考え方を導入して自分の集中力やパフォーマンスがどのように変化するのかということを一度確かめてみてほしいと思います。

エネルギーの状態で仕事を変える

私たちのエネルギーの状態には波があるそうです。確かにこの時間に何をしなければならないといったタイムマネジメントは最低限必要ですが、全く集中できない中で頑張っても効率は上がりません。大切なのは自分のエネルギーレベルによってやる仕事を柔軟に変えるという姿勢です。疲れずに自分のパフォーマンスを高めるためには次の三つに応じてやる仕事を柔軟に決めていく意識を持つことが必要とのことです。

①必要なエネルギーの方向性とその状態

一口に仕事といっても様々な内容の仕事があり必要なエネルギーの方向性は違います。例えば打ち合わせやプレゼンなど主に人と関わることが中心になる仕事。もう一方で資料作成や企画書づくりなど集中して何かをまとめたり作らなくてはいけない仕事。もちろんこれらはどちらも大切な仕事ですが使うエネルギーの方向性が全く違うということを意識しなければなりません。

例えば新しいことを発案したり資料を作るのであれば集中して作業できる時間をきちんと確保して集中的に作業を行うべきです。一方で打ち合わせをしたりイベントがあったりお客と話をしたりするという仕事は1日にまとめてその日は資料作成などはしないようにするのです。仕事の種類が異なると使うエネルギーの種類も変わってくるのです。その度に使うエネルギーを切り替えるというのはあまり効率的な働き方ではないとのことです。

今日は人に会う日、今日は1日作業をする人いったふうにエネルギーの切り替えをしなくても済む作業をまとめてスケジューリングして動く。そうすれば疲れにくくなり、アウトプットの質も高まるでしょう。

そしてさらに自分のエネルギー状態によっても仕事を変える。例えば今の自分のエネルギーがポジティブな方向を向いていて元気で集中できるのであれば集中してやる必要がある資料作成や大切なメールできちんと考えて返答することができます。一方で元気がなくて疲れていて集中力がないのであれば大事な仕事は後回しにして事務的なことや整理などの仕事をします。

仕事には集中力を必要とするモノと必要としないモノがあります。この二つをしっかりと区別して自分のエネルギーレベルが高い時は集中的な仕事をこなすことに徹する、エネルギーレベルが低いのならば集中力が必要のない作業をこなすということを徹底することが重要とのことです。

②場所を考える

自分のエネルギー状態に合わせて仕事をするのと同様に、場所に合わせて仕事をするのもエネルギーを無駄にしないために非常に有効な方法とのことです。

簡単な例で言うと電車での移動が考えられます。移動の最中にスマホにたまっているメールやメッセージに返信したりカレンダーを確認したりします。しかしもっと混んできてボタンを押しづらくなったりスマホを操作しにくくになったらオーディオブックなどに切り替えて頂いてそれを情報収集の時間にするんです。このように何々をすると決めて頑張ろうとするよりも状況に合わせて柔軟に時間を使った方がストレスはたまらないとのことです。

状況に合わないことを無理やりやろうとすると疲れてしまいます。状況に逆らうのではなくて上手に状況を利用するのです。そのためには普段からどういう状況だったら何をするということを大まかに決めておくといいとのことです。

例えば元気があり20分以上席に座れるのならばパソコンを使って資料作成、またはメールの返信をすると決めておく。そして元気はあるけれど立っていなければならないのならばスマホを使って予定の確認や簡単なメールの返信をすると決めておく。電車が混んできたのならばオーディオブックを聞いて情報収集や勉強をすると決めておき、混んでいるし疲れて何もできない時は瞑想すると決めておく。こんな風にあらかじめ状況にあわせて自分のやるべきことを決めておくといちいち迷わなくて済み、時間を有効に使うことができとということです。

Googleのカフェテリア

疲れない働き方を実践する上で、きちんと自分の心と体を整えることが何より重要であるというのがGoogleの主張です。パッと疲れを取るような小手先のテクニックではなく、土台となる”心と体の健康を日々のサイクルの中で整えていく”これは一見遠回りに思われるかもしれませんがそれが結果的に高いアウトプットを出すことに繋がるとのことです。

Googleでは社員が快適に働ける環境を作ることを重要視しています。その代表がフードチームです。Google社員は無料でカフェテリアを利用でき、好きなものを好きなだけ自分で選んで食べるようになっているそうです。そこでフードチームではどんな食べ物が人気なのか、どういう順番で食べる傾向があるのか、など膨大なデータを集めているそうです。こうして集められたデータをもとに試行錯誤を重ねて社員の健康のために様々な施策を打っています。

Googleで出されている野菜は全てオーガニックですが、カフェテリアでいかに良い食習慣をつくるのか、最近の栄養学の研究によって私たちは何を食べれば健康的で高いパフォーマンスを出せるのかということが分かってきました。例えば炭水化物を控えめにしてタンパク質と野菜をしっかりと摂るなど毎日の食事で実践できそうなものもあります。皆さんの中にも Google では美味しい食事を出すカフェテリアが無料で使えるという話を聞いたことがある人いるかもしれません。本当に注目するべきことはカフェテリアが無料で使えるということではなく、そこで使われている仕組みでありその根本にある考え方です。

Googleは健康に良い食事は社員の満足度向上そしてパフォーマンスアップに繋がると健康的な食事が自然に取れるカフェテリアを社内に用意すれば社員は食事に意識を払わなくても済むと考ええているそうです。日々しっかりとした栄養のある食事を取れば仕事のパフォーマンスUPにつながるということは私たちはなんとなく知っていますがなかなか良い食習慣を実行するというのは難しいです。しかし本当に成果を出したければ Googleのように良い食習慣を身につける、すなわち食事に投資するのは必須であります。

実はGoogleでは料理を教えるプログラムも始まっているそうです。なぜ自分で料理をすることが健康に良いのか。それは料理をすることでその料理がどんな材料でどんな方法で作られているかが分かるからです。

近年ではなんとハーバード大学になどでもエグゼクティブに料理を教える講義などがあるそうです。一度自分でしっかりと栄養のある食事を自炊するようになれば、いかに食事が私たちのパフォーマンスに影響を与えるのかということをしっかりと理解できるでしょう。

我々がもし Googleのようにまたはプロのスポーツ選手のようにしっかりと食事の重要性を認識し栄養のある食習慣を実行すれば周りの人間に圧倒的な差をつけることができるでしょう。とても頭が良くて多くの利益を追求している Googleが社員のためにわざわざ栄養のとれるカフェテリアを用意しているということの意味がわかってきたような気がします。

まとめ

この「疲れない働き方」当然職種や業界によって様々なので一概に正解があるようなものではないでしょう。特に営業職の場合、お客様第一なので自分の都合でなかなか働き方をコントールできるシーンばかりではないでしょう。そんな中、食事の取り方やメリハリをつけた働き方など実践できそうなモノもあるかと思います。以前樺沢紫苑 著【神・時間術】でも紹介しましたがメリハリの付け方次第でそのパフォーマンスを向上させることができるように思います。

特にコロナ禍でWork from HOMEの考え方も出現しました。家族との時間をとりながら仕事のパフォーマンスをあげる。まさに理想の働き方ですね。コロナが落ち着くに伴いこの考え方が消滅しそうな企業は黄色信号です。いいところは文化として残し、課題があるところを改善していく。全体としての生産性がどう推移しているのかを見る必要性があると思います。

冒頭にも触れましたがこのGoogleは世界のTOP企業です。もちろん全てを模倣することはできませんしする必要もありません。しかし人々を魅了し、成長し続けている企業の要素を少しでも研究してみること自体は絶対やるべきでしょう。研究した上でそこに何が見えるか!

”アメリカの企業だからできること”

”他者は他者、自社とは関係がない”

”別に私には関係がない”

”自社でも実践してみたい”

どう思うかはそれぞれでしょう。ただ、自社の未来をどう描いているか。そこにこういった考え方が必要ないか。単なる手法というよりも大きな目線で今一度社員の働き方を考える必要性があるのかもしれません。

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