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ラグビーブームを飲み込むまで

ラグビーの試合を今年に入るまで見たことがなかったけど、今日はウェールズ対フランス戦も、日本対南アフリカ戦も見てしまった。完全なミーハーである。
そんな自分でも、今回のラグビーブームを飲み込めるようになるまでは大分時間がかかってしまった。

(なお、以下の文ではラグビーを楽しめるようになるまで時間がかかったという内容を書いていますが、時間がかかったのは自分の性格によるものであって、ラグビーの選手やファンを傷つけるつもりはなく、下記の文はあくまでも自分の心境の整理がしたいという趣旨で書いております。)

初めてラグビーを見たのは日本対アイルランドだった。歴史的な勝利をしたと盛り上がったゲームだったけれど、正直私はあまり楽しむことができなかった。ルールもわからないし何をしたら点が入り何をしたら反則なのかもわからない。何よりも、そもそもラグビーを楽しむ温度感がわからなかった。
普段からテレビをつけない私は、ラグビーのワールドカップがどのくらい盛り上がっているのかという実感が湧いていなかった。周りにラグビーファンという人はW杯前までいなかったし、前回のW杯で善戦したことは知ってるけど、果たして今大会はちゃんと盛り上がるのかな?くらいの感覚であった。
この試合もテレビで恋人と一緒に見たけれど、ラグビーの面白さに目覚めたという恋人をよそに、私はどうも入り込めず、これがサッカーだったらもっとちゃんと楽しめたのに、なんて思ってしまった。

とはいえ、私はは正直サッカーのルールだってちゃんとわかってない。大きな試合も見ることはあるけど見逃してもまあいいかくらいにしか思えない。それでもサッカーなら楽しめると思ったのは、おおよそのルールはわかることと、なによりも温度感がなんとなく肌で感じられることなのだろう。
サッカーファンは身近に多くいるし、大きな試合なら日本が一丸となって応援するのを感じ取れる。実際に、友人とバーで日本戦を見て応援したこともある。そういった盛り上がる空気感の中でサッカーの試合を観戦する経験を積み重ねることによって、だんだんとサッカーは面白いという感覚を身につけていったのだろう。
一方でラグビーにはこのような経験を積み重ねていないから、いくら日本は強豪国相手に頑張ってるだのラグビーのどこが面白いだの聞いても、自分でちゃんと受け止めて楽しむことができなかったのかもしれない。

日本対アイルランド戦の日は友人の結婚式二次会に呼ばれていたので、試合終了直前に家を出ることになった。タイミングもあり、話題はもっぱらラグビー、ラグビー、ラグビーであった(ごめん新郎新婦)。そこで世間でもやっぱりちゃんとラグビーは盛り上がってるんだ、日本は応援されてるしすごいチームなんだと認識したけれど、それでもまだラグビーの話を楽しむことはできなかった。彼ら彼女らは、もともと身近でなかったラグビーの面白さをすでに理解し、このラグビーブームに適応することができているのに、なぜ私はそれができないのだろうと思った。

そんなこんなでまだラグビーにはまっていなかった私は、次の日本対サモア戦は見なかった。出かけていた恋人からは、出先で友人らと観戦して盛り上がったとの話を聞き、なるほど、と思った。
その次の日本対スコットランド戦については、また恋人が遊びに来ていたこともあり鑑賞した。
このとき、私は初めてラグビーって面白い、日本ってすごいと思ったのである。前回よりはラグビーの知識が増えたのと、日本のゴールが気持ちよく決まる瞬間があったのもあるけれど、もしかしたら自分の中でやっとラグビーブームを飲み込むことができたのかもしれない。恋人や色々な友人から少しずつラグビーが面白いという話を聞いたり、友人がSNSでラグビー観戦の様子を載せてるのを見たりする中で、少しずつ「これは皆が楽しんでいるものだ→これは興味を持っても良さそうなものだ→これは気になるな」というように意識が変わっていったのだと思う。
人の影響で興味を持つなんてミーハーの極みだと思うし、初めて試合を見たときから感銘を受けられたらよかったとは思うけれど、遅くなったとしても少しずつ新しいものに興味を持てるようになってよかった。

こうやって人の輪の中でラグビーに興味を持つようになったけれど、今まで見えていなかったラグビーの輪があったことにも気付かされた。
ウェールズ対フランス戦を見たのはかつてわたしが家族でウェールズに住んでいた経験があったからで、今日は実家に戻って、「日本対ウェールズではウェールズを応援するかな」と言ってた父親(純日本人)と並んで座って試合を見た。父親と一緒にスポーツの試合を丸ごと見たのは初めてかもしれない。ウェールズはギリギリでなんとか勝ってよかった!!
また、ラグビーというとニュージーランドだけど、ニュージーランドには母の友人がいる。母がその人と仲良くなったウン10年前には、オールブラックスのグッズをもらったものの全くピンと来ていなかったとの話だったけれど、去年私がニュージーランドに行ってその友人と会った時は、随分とオールブラックスグッズが売られているなという印象であった。今なら、私もラグビーを見始めたよと話せるのにな。
そうやって、ラグビー出場国を見ながら特定の人のことを思い出せると、より試合を楽しむことができる。この国といえばこの人、と思える人がいると、より世界が身近に感じられる。

ここまでにわかの中でもにわかすぎる雑感を書いたけれど、引きつづきにわかなりにラグビーを追っていきたい。日本戦、お疲れ様でした。

#日記 #エッセイ #ラグビー #ワールドカップ #スポーツ #日本 #ウェールズ #南アフリカ #ニュージーランド

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