2002年の琥珀
慈愛の心を持って進む
受けた恩は石に刻み
慈しみの心は天高く伸びていく
心に受けた傷を癒し
ひとしきり休んだら
私はまた、元気に外へ出かけていく
太平の世にのみ現れる白い虎は
私の瞳の奥に映っている
強くなりたいと願った小さな少年も
もう大人になっている
傷つくことの多い世の中だけれど
それでも私は歩いていく
こんなところで負けてたまるかと
私はまた立ち上がる
涙にくれる孤独な夜が
絶望の淵で胸を締め付けられるあの瞬間が
大人になるための登竜門であるというのなら
私は甘んじて受け入れよう
私は絶対に、本当に大切なものから逃げたりしない
私は琥珀を胸に宿し、
白い虎となってこの街の喧騒を駆けていく
きっと、楽しく舞ってみせる
私を遠くから照らす北極星は
早く来いと私を急かす
全てはあの嵐の夜に始まったのだ
真冬に似つかわしくない
台風のような夜だった
人生は思い出の宝箱
全員がそう思えるように、
私は頑張っていきたい
人を刺すような鋭い暴力性も
全てを包み込むような深い慈愛の心も
私は併せ持っている
私はこの化け物を飼い慣らしてみせる
私は綾杉の木の前でそう誓った
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