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現地採用の中国人社員から一目置かれる日本人駐在員の特徴

以前はよく中国に出張に行っていたのですが、主なお客様は中国に進出している日系企業であり、私は本社から派遣された日本人駐在員(上司)と現地で採用された中国人社員(部下)の橋渡しのような役割を担っていました。

私の場合は中国人社員の方とは直接中国語でコミュニケーションが取れたため、彼ら彼女が日本人上司の前では見せないような一面も垣間見ることができました。

中国人社員の方の多くは日本語が話せるため、普段日本人上司の前では素直に言うことを聞いているフリをしますが、本人のいないところでは「適当にやればいい」となあなあの姿勢で仕事をするところがあります。

そのため、日本人駐在員からよく「言われたことしかない…」「指示したことも守ってくれない…」といったお悩みを聞きます。

一方で数は少ないのですが、日本人駐在員の中にも中国人社員からリスペクトされている人はいらっしゃいます。

このような人は本人がいないところでも「これは総経理の方針だからちゃんとやらないといけない」という言葉が中国人社員の口から出てきます。

多くの日本人駐在員の方とお会いした中で、中国人社員から一目置かれる人の特徴が一つわかりました。

それは「自分の意志がはっきりしている」ということです。

何をするにしても「本社の方針だからやりなさい」ではなく、「私はこうしたいから、これをやってほしい」という言い方で伝え、総経理(現地法人のトップ)であれば「私はこの会社をこうしていきたい」と自分の言葉で会社の将来について語ります。

そうすると、共感できるできないはともなく、中国人社員は「この人はリーダー」と認めるようになります。リーダーの方針に共感できなければ職場を去り、共感すれば一生懸命働いてくれます。

一方で、中国人社員からナメられてしまうのはその逆の「自分の意志が全く見えない人」です。

このような人は何でもかんでも「これは本社の方針だから」と自分の言葉がなく、何かあると「私に言われても困る」「私はどうせ3年で帰る」と逃げてしまいます。

そうなると中国人社員は「この人は期間限定の伝言係ね」と思ってしまい、適当にあしらわれてしまいます。

こういう自分の意志が見えない人が多い企業はチャレンジ精神のある人材が定着せず、ダラダラ仕事したいという人がいつまでも居座ってしまう傾向があるため、外から見て波風は立たないものの組織としての元気がありません。

一方で自分の意志がはっきりしている人が多い企業は人の入れ替わりもそれなりにありますが、組織として元気なので業績も好調だったりします。

このような人はもしかしたら日本ではいわゆる「クセの強い面倒な人」扱いされているのかもしれませんが、海外に出るとリーダーとして活躍できるケースもありますので、海外駐在員の人選を行う際にはあえて変わった人を選んでも良いかもしれません。

今回もお読みいただきありがとうございました。



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