見出し画像

日本の歴史にはなぜか残虐非道な「暴君」がほとんど出てきません(中国にはゴロゴロ居ますが)

今年のNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がなかなか面白いです。

最初は知っている登場人物が源頼朝と北条政子ぐらいで、主人公の北条義時(小栗旬さんが演じる)を含め他はどんな人物かよくわからなかったのですが、見ていくうちに人間のえげつない部分がどんどん出てくるのでいつの間にか引き込まれてしまいました。
(録画してみているのでまだ10話までしか見ていませんが)

NHKの大河ドラマは年によって見たり見なかったりしますが、基本的には日本史の人物が出てくるので見ればそれなりに「へえー、こんな人物が居たのか」という学びになります。

ちなみに私は中国の歴史ドラマも結構好きで、最近は見ていないのですが以前はいわゆる古代の名君、暴君が主人公の「皇帝もの」をよく見ていました。

そこで気づいたことですが、中国の歴史ドラマには主人公自身も含めてとんでもない暴君がよく出てきますが、日本の歴史ドラマには「暴君」と呼べるような人物はほとんどいません。

強いて言えば織田信長や豊臣秀吉あたりが暴君扱いされることがありますが、この程度の行為は中華ドラマでは「普通」過ぎてもはや暴君のうちに入りません。中華ドラマなんて「名君」扱いの唐の太宗や清の康熙帝すらかなり酷いことをやっています。

史実でも信長が行った延暦寺焼き打ちや長島の一向一揆弾圧なんて世界史的に見るとむしろ穏便な部類で、もっと残忍なことをやっている人物なんていくらでもいます。

もし世界史上の暴君の残虐度ランキングなるものがあるとおそらく中国が上位をほぼ独占し、織田信長をもってしても100位以内にも入れないのかもしれません。

「鎌倉殿の13人」も頼朝が死んだ後はドロドロの権力闘争が始まるみたいですが、今まで味方だった相手を粛清するのは中国では「よくあること」で、頼朝が義経を殺したようなことが歴代王朝ではほぼ「お約束」のように起きています。

ちなみに中華ドラマでもその辺が一番えげつないのが「大明帝国 朱元璋」というドラマです。前半はモンゴル人を追い出して明王朝を創立するまでの話ですが、後半は天下を取るために苦難を共にした仲間を片っ端から始末していく話です。

ドラマは歴史考証ガン無視で娯楽作品に振ったフィクションですが、史実でも部下を粛清しまくっているのでその部分だけは本当の出来事です。
(かなり後味が悪いのでお勧めしませんが)

世界史を見ると残虐な「暴君」は中国が飛びぬけて多いイメージがありますが、ヨーロッパ諸国にもそれなりに「暴君」はいます。有名なところではイワン4世(イワン雷帝)やヘンリー8世あたりはかなり酷いことをした人物だと思います。

ただ日本は歴史的に見て残虐非道な「暴君」がほとんどいません。(もしかしたら私が知らないだけで、とんでもなく酷い人はいたかもしれませんが)

日本に「暴君」が生まれない理由はわかりませんが、少なくとも私が生きているうちは日本には酷い「暴君」は現れないという確信はあります。

そのかわり、事なかれ主義の決断できないリーダーばかりになってしまう可能性もありますが、考えようによっては「暴君」が現れるよりはマシかもしれません。

まあ隣の芝は青く見えるのが人情なので、つい他国のリーダーが頼もしく見えてしまいますが・・・

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?