【教育論】電子黒板が普及しない理由

――導入された明治時代以降から黒板は使い続けられてきました。その文化を壊すことにためらうし、黒板で事足りているから壊す必要性を感じていない空気があるように思えます。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「電子黒板が普及しない理由」というテーマで話していこうと思います。

◆黒板を使わないアメリカ人

普段は創作に関する記事を投稿しているんですが、実は僕は教育学部生でして、近々教育実習があるので教育に関する記事を投稿しています。

さて、昨日に引き続き「黒板」について語っていきます。


昨日は、黒板は情緒的な価値はあるけれど機能的な価値はそんなにじゃね?という話をしました。やっぱり板書には時間がかかるし、授業の時間をロスするし、書いたら消さなきゃだし、チョークの粉は飛ぶし……。

もちろん黒板のメリットはいくつもあると思いますが、そこに固執する必要はないよねと思う人は多いのではないでしょうか。

ちなみに、アメリカ人は黒板を使わないそうです。というより、もはや歴史的な道具で、「ああ、そんなものあったね」というノリのものなのです。白黒テレビとか。洗濯板みたいなものです。


◆世界はもう電子黒板

ちなみに、世界では電子黒板の普及が進んでいます。

パソコンとプロジェクターと黒板が合体したみたいなやつです。電子ペンを使うことで黒板として使うことができますし、必要な画像や動画を見せることだったできます。生徒の持つタブレットと同期して生徒のつくった資料を電子黒板に写して共有することもできるのです。

電子黒板を使う場合と使わない場合の2グループで同じ内容の授業を展開したとき、電子黒板を使ったグループの方が、思考・判断に関する観点でより良い結果が出たというデータもあります。


そういえば書いていて思い出したんですが、僕が中学受験のために通っていた塾は、電子黒板のようなものを利用していました。ホワイトボードに投影して、電子ペンを使うことで文字を書いたり図表を描いたり、あるいは専用の端末に入っている動画や画像を見たりすることができました。

電子黒板(もどき)だけのおかげではないと思いますが、学習者の学力向上に一役買っていたのではないでしょうか。少なくとも僕はその塾の中で上のクラスにいくことができたし、何よりわくわくして授業を受けていました。

効率的になるし、学習者により良い学習効果をもたらすにも関わらず、日本の導入が遅れているのはなぜでしょう。


◆電子黒板が普及しない理由

電子黒板の普及に限った話ではありません。日本の教育へのICTの導入は酷く遅れています。授業中のデジタル機器使用時間がOECD加盟国の中で最下位という結果。ちなみに上位にランクインしているのは北欧の国々です。

コロナの影響でICT機器の導入が早まり、一人一台のタブレット端末が用意されたり、オンライン授業の研究が続いていますが、それでも十分とはいえない状況です。


電子黒板が普及しないのにはいくつか理由があるように思います。

まずは、「あんまり誰もやっていなくて抵抗があるから」が挙げられるでしょう。やっぱり大勢が右を向いたら右を向く国民性ですから、誰もやっていないこと、普通ではないことに対する抵抗は確かにあるはずです。今のままで十分だし、電子黒板よくわからないし、まあいっか……みたいな。

そう!「今のままで十分」と思っていることも理由の一つですよね。一つ目の理由と被るところがありますが、導入された明治時代以降から黒板は使い続けられてきました。その文化を壊すことにためらうし、黒板で事足りているから壊す必要性を感じていない空気があるように思えます。

もちろん、金銭的な理由もあるでしょう。メンテナンス費は黒板よりも高いはずですからね。

それよりも、大きな原因は「空気」だと思います。


今日も実習先の学校に行ってきました。まだ授業はしていませんが、先生方の授業を拝見しています。黒板にプロジェクターで映像を映し、そこにチョークで直で答えを書いていく授業がありました。いや、だったら、電子黒板でいいじゃん(笑)

スライドをつくってプレゼンのような展開をする授業もありますよね。あれもわざわざ黒板にプロジェクターシートを貼りつけてそこに写しています。いや、だったら電子黒板でいいじゃん(笑)


これからも何だかんだ黒板は生き残り続ける気がしますが、電子黒板の普及、そしてICT化がもっともっと進んでくれればなと思います。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20220830 横山黎


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?