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【鬱屈飯】#1  ジャーマンドックとアイスコーヒー

うっくつ-めし【鬱屈飯】
意味: 素晴らしいご飯が精神状態により憂鬱になってしまった飯。「鬱屈飯を食べる」「鬱屈飯になる」

食とは見た目、匂い、音、触感、そして味と五感全てで楽しむ素晴らしい文化であるがガラスハートの著者はメンタル状態によってはその五感が全て0になる。そんな日々の鬱屈としてしまった飯の紹介をするメランコリー食ブログ


5月初旬
だんだんと夏が近づいていることがわかる日差しの強い日のこと。
ゴールデンウィークも終わり、休みの日でも仕事のことが頭から離れない。
もうすでにどんな飯を食べても鬱屈飯にもなりかねないそんな昼下がり

どこか涼しいところで休みたい…
がっつりしたものではなく、胃袋が悲鳴をあげないもので小腹を満たしたい…
次の予定まで少し空いているから時間を潰したい…

これを満たせる店はないものか、周りを見回すと
あるじゃないですかドトールが!

僕、ドトールのジャーマンドックとアイスコーヒーの組み合わせが好きなんですよ。
ジャーマンドックは表面が程よくあたたかくサクッといった食感のあるパンで
ソーセージはパリッとして余計な肉汁はなくほどよく食べ進められ
レタスなど無駄なものは排除し最低限のもので最大限楽しめられる…
そしてアイスコーヒーは酸味はおさえてあり、濃すぎない。
時間がたつと氷が溶け、だんだんと変化していく味を楽しみながら、残った氷はザクザクとかみやすく
氷を食べるなんて子供っぽいと思われるかもしれませんが、口をさっぱりとしてくれます。


(今日はこいつで決まりだ…)

ドトールに向かい、自動ドアが開くと同時にほどよい涼しさが僕を取り囲みます。

(涼しい…)
受付へと進み、店員さんにジャーマンドックとアイスコーヒーを注文。

電子マネー決済をすることにより、小銭計算を店員さんにさせずに済むことができる…
こんな完璧にことをこなせることはない…電子マネーが足りずにエラーがでることも、ホットドッグ終了のアナウンスもない!意気揚々とアイスコーヒーとジャーマンドックを受け取り、席を見渡すと

全ての席が埋まっている…

いや待て…どこか空いている席があるはずだ…
全ての席が二人席なのにみんな一人で座っている…こんなことあるのか…?
どこかの席に相席にさせてもらうか…?
いやそんなことをすれば鬱屈飯は避けられない…
しかしどんどんと冷めていくジャーマンドック、薄くなるアイスコーヒー、そして涼しい店内にもかかわらず止まらない汗!!

もうこの場で立って食べるか…そんなことを考えているとサラリーマン風の男性が席を立ち上がった!

(あそこだ!!)

待ってましたという表情は出さずに、自然な流れで空いた席を確保
卓上の上にトレーをおき、そっと一息

(奥側のほうに座るか…)

奥側に移動しようとしたとき、そのとき…


僕の腰が机の角にあたり…

完全に机をひっくりかえしてしまいました。




衝撃音と共に割れるグラス、飛び散るアイスコーヒー、跳ね返るトレイ、そして飛び散ったアイスコーヒーを吸い続けるジャーマンドック



全ての客がこちらを確認しつつコンマ数秒で自分の世界へと戻り、取り残される僕…

そして急いで出ていく隣の別のお客様…

急いで店員さんがきてくれ、掃除をしてくれました。
別の席にご案内いただいたのですが、混雑した店内空いているのは汚した席の隣のみ…(この席も僕のせいで空いたのだという罪悪感が僕を襲う)

店員さんが掃除してしている横でショボーンと座っていると
別の店員さんがあたらしいアイスコーヒーとホットドッグをもってきてくれました。

できたてのジャーマンドックとアイスコーヒー
しかし真横ではゴミとなってしまったホットドッグとアイスコーヒー…そして笑顔で片付けてくれている店員さん…

もう完全に味がしない…
心の中で何回もあやまりつつ、ただジャーマンドックを口に運ぶマシーンと化し、栄養の摂取を終えた瞬間に
店員さんに謝りつつお店を出ました。

皆様はこんなミスをせず
食に感謝し、感動できるご飯に出会ってください。

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