#21 私たちが考えるデイサービスの運営戦略について【前編】
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#21 私たちが考えるデイサービスの運営戦略について【前編】

Y.Nishikawa

 コロナのせいで忘れていましたが、リハビックスは今月8月1日で7周年を迎え、8年目に突入していました!通って下さっている利用者さん、こんな時期でも私たちに大切な家族を任せてくれているご家族の皆さん、そして従業員のみんなのお陰です。ありがとうございます。

 さて7周年という節目でもあるので、弊社本業の通所介護(デイサービス)の運営戦略について、7年やってきて多分こう考えるのが一番筋が良いよね、と思っていることについて書いていきたいと思います。

ーPOINTー
 1 デイは何をする場所なのか
 2 デイ職員に必要な知識とスキルとは
 3 接遇やコミュニケーションの考え方
 4 コロナ禍での運営戦略

1 デイは何をする場所なのか

 リハビックスは2013年に沖縄県で創業したデイサービスで現在8店舗、そして9、10店舗目がOPEN準備中です。沖縄で同一法人が展開するデイとしては多い拠点数ですが、国内で見るとその数は40,000以上で競争も激しく、それゆえ個性的なデイも多く存在しています。歩行特化型や入浴特化型、最新カラオケ機器導入店やカジノ型デイサービスまで色々あります。

 事業における失敗パターンはそんなに多くないと思うのですが、逆に成功には色んなパターンがあるわけなので、私たちがどういう方向性で勝負していくのか、その運営戦略が必要になってきますよね。弊社の場合、僕自身が他業界出身だったので、この業界でどんな企業が上手くいっているのかを色々調べる中で自分が一番しっくりくる考え方について掘り下げてきた、という感じです。

 最初に、デイの運営戦略は「デイは何をする場所なのか?」の定義に立脚して決めるべきだと思いました。見渡すと本当に色んなやり方で上手くいってる人がいるので、まずはこの問いへの私たちの答えを明確にすることから始めるべきだと考えたのです。で、ここで気付いたのですが、この問いに対するデフォルトの答えは国が示しているということでした。まぁ考えるまでもなくデイサービスは介護保険という公的保険制度上の一つの機能なので、制度上デイが何をする場所なのかが示されていることは至極当たり前なのでありました。。

 そうすると今度は介護保険制度の成り立ちや制度設計の背景までひっくるめて調べていくと、デイサービスはもちろん周辺のサービスを含めてなぜそうなっているのかが見えてくるわけです。このへんに興味のある方は、過去の記事(#10 ,#17 )でも紹介している池田省三著『介護保険論』から読むといいかもしれません。まだまだ介護保険制度に込められた思想や理念が今の社会に浸透しているとは言えないまでも、描く理想としては僕自身腹落ちする内容でもあり、国が示すデイサービスに期待されている機能についても、純粋にそうあるべきだと共感できるものでした。

 そうして弊社では、介護保険制度において本来担うべきとされているデイサービスの機能をまずはしっかり果たすことを基本路線とし、「デイは何をする場所か?」についても国が示す通り、[心身機能] [活動] [社会参加] の3つに働きかけることで利用者の暮らしの質を上げる支援をする場所と定義しました。


2 デイ職員に必要な知識とスキルとは

 デイ運営の基本方針が固まれば、職員に必要な知識とスキルも決まってきます。前項最後に書いた通り、デイが担うべきは、利用者の [心身機能] と [活動] と [社会参加] の3つに働きかけて暮らしの質を上げることなので、この3つに関する知識とスキルを身につければ良いということになります。

 ちなみにこの3つは、決められた手順通りに実施して記録を残すことで【加算】という形で報酬が上乗せされます。なので加算の趣旨とルールを法令で理解することが最初にやることです。たまに他社のデイで「うちのデイでは書類が増えるから加算は取らない」とか、ケアマネージャーから「加算を取ると利用者自己負担も増えるから取らないでほしい」と言われてしまい反論出来ないということを聞くことがあります。デイは何をする場所なのか?の共通認識を社内で持たずに、単なる報酬増の一手段として考えるからそうなってしまうのだと思います。

 実際のところは、そこそこ多くのデイで [心身機能] と [活動] については加算を算定して取り組んでいると思います。このご時世、加算無しでやっていけるほどデイ運営も甘くないという事情もあるのでしょう。しかし、3つ目の [社会参加] の支援はまだ多くのデイで取り組めていないのではないかと思います。理由は難しい上、[心身機能] と [活動] の2つに絞っても取るべき加算は全て取れることもあるのでしょうが、最大の理由は、利用者さん自身が [社会参加] を望んで通所されているわけではないから、ということだと思います。

 [心身機能] は歩行改善や筋力強化、[活動] は日常生活での課題なので、利用者さんにとってはまさに今困っていることなのです。提供する私たちもそれに応える形で取り組むことが出来ます。一方で [社会参加] は、家庭などで役割を担うことを目指したり、かつての趣味活動を再開することなどであり、日常的にお世話をされる立場にある彼らにとってはイメージが湧きません。そんなことはとうに諦めていたり、家族に迷惑をかけないことが最大の目標となっている方も多いのです。当たり前といえば当たり前ですよね。

 つまり、利用者さんの要望に応えるという方針で運営している限りは、デイで [社会参加] を取り組もうとはならないのです。。

 そもそもどうして [社会参加] の支援をすることがデイに求められているのでしょうか。実はあらゆる医療・介護サービスの中で [社会参加] への取り組みを期待されているのは主にデイサービスだけだと思います。利用者(患者)の状態を急性期→回復期→維持期の時系列でみると、デイは一番最後に位置付けられています。回復期を経て在宅復帰するとそれ以降は維持期と呼ばれますが、維持期における通所サービスとしては他にもに通所リハビリがあります。しかし通所リハビリでは [社会参加] の具体的支援までは求められていません。[心身機能] と [活動] への集中的な支援により、[社会参加] に取り組める状態にしてデイサービス等へ送り出すことが求められています。通所リハビリではそれを社会参加支援加算で評価されているわけです。なので、通所リハ or デイサービスではなく、通所リハ→デイサービスの順番なのです。

 しかし弊社でも多くの新入社員が通所リハビリとデイサービスの違いを理解していません。実際に施設を見比べても、同じような内容でサービス提供していることも少なくないので無理もないのですが、本来、介護保険制度において、そのような機能の棲み分けがされています。デイの職員に必要な知識やスキルを考えるにあたっては、まずは全体の中でのデイサービスの立ち位置を理解することが大事だと思います。

ー続くー

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Y.Nishikawa
株式会社ベストライフ代表取締役 1984年 大阪府生まれ| 2008年 就職のため東京へ| 2013年 沖縄へ移住し創業今に至る| リハ特化型通所介護のリハビックスを9店、沖縄脳卒中リハビリセンターホコトレを2店運営しています。