カフェラテ、ストローでくるくるしてから飲んでね/真野愛子
アイスカフェラテが好きです。
フツーはこうなります。
エスプレッソが上層で、ラテ(牛乳)が下層。
こんなのは当たり前で、理由はコーヒーより牛乳が重いから。
これにストローをさして飲むと、下層のラテのまろやかさに上層のエスプレッソの苦みを混ぜて、わたしたちは味わっていくわけです。
しかし、作為をもってすれば、こんなこともできます。
ラテが上層で、エスプレッソが下層。
オッシャレー!
やり方は、先にエスプレッソにシロップを混ぜておくこと。
そうすることで重くなるので、あとはやさしくラテを注いで、きれいな2層をつくるというわけです。
これをストローで飲むと、下層の黒い味覚が最初にやってきます。
なので、くるくるとかき混ぜて味わうのがオススメですが……
これってやってることは週刊文春みたいだなと思いました。
最初に真っ黒だと思わせる。意図的に。
わたしが飲みたいのはアイスカフェラテなのでストローでくるくるすればいいのですが、黒い方だけを最初に持ってくる。
手間ひまかけて、そんなカフェラテをつくるわけです。
かつて週刊文春は「過激にして愛嬌あり」というモットーを持っていました。
真っ黒だと見せているけど、そこにはシロップが入っていたはず。
それが”愛嬌”の部分だった。
最近は別のものを入れてるんじゃないの? って疑っちゃう。
わたしは以前に文春OBのジャーナリスト中村竜太郎さんにインタビューしたことがあるんだけど、自らの取材姿勢に誇りをお持ちでカッコいいなと思いました。
その中村さんも「今の感じだと愛嬌ないよね」と漏らしているほど。
文春は超優秀な集団なので、自らの批判もちゃんと組み入れて見せ物にすることで下品さからは逃れているとは思います。
そこはお見事。インテリらしい芸ですね。
けど、世の中に真っ黒なだけの人はいないし、真っ白なだけの人もいない。
わたしも、あなたも、白黒が混ざった人間だと思っています。
だから、アイスカフェラテは少しずつストローでくるくるしてから飲んでね(笑)。
混ざり具合を自分で調整できるところがかわいい飲み物だって思うの。
P.S. ハイツ友の会の解散は残念でならない。 いいコンビだったのにぃ!
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