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今夜、この服でどんな酒を飲む?第9夜/高須浩平

僕の趣味は、服をながめながら酒を飲むこと。
10代の頃より集めてきたコレクションの中から一品をチョイスしてハンガーにかけ、それに合ったストーリーの酒で一杯やる。
何ともバカバカしい趣味ですが、これがけっこう楽しいのです。
このテーマで書くのは今回で第3弾。
初めてお会いする方も、そうでない方も、ぜひ全4回おつきあいください!
さて、今夜は何をながめて酔おうかな♪

【高須浩平 プロフィール】
放送作家、1977年東京生まれ。
『バラいろダンディ』(TOKYO MX)『サバンナ高橋の、サウナの神さま』(TOKYO MX)などを構成。
趣味は服の収集、酒を飲むこと、東京ヤクルト・スワローズの応援、格闘技観戦。
この連載は、2022年3月の第1弾2022年8月の第2弾の続編です。

第9夜『wjk』のライダースジャケットで『山崎12年』を飲む

ライダースジャケットに憧れます。
カリスマなロックミュージシャンが、さっと肩に羽織り、ギターを奏でる姿。
荒くれ者のバイカーたちが、集団で果てなき地平線を走る姿。
それはもう「カッコイイ!」の一言に尽きます。
 
自分もそんな男を目指し、『Lewis Leathers』や『Schott』などのロッカーやバイカー御用達の王道ライダースブランドを試してきましたが、どれもしっくりきませんでした。
ギターも弾かないし、バイクにも乗らないですから。
そんな“ライダース魂”が全くない自分に対して、試着した名品たちが「お前は違うぞ」って言っているようでした。
チクショー。めちゃめちゃカッコイイのに着られないなんて……。
 
「もう、諦めよう」
 
そう思ってから数年たったある日。
『阪急メンズ東京』をのぞいてみたら、「大丈夫だよ」「こっちにおいで」と話しかけてくる声が聞こえるではありませんか!
それが、日本が誇るドメスティックブランド『wjk(ダブルジェーケー)』のライダースだったのです。

▲wjkのライダースジャケット(150000円 ※参考価格)

ストリートに合わせたタイトなデザイン。
シープスキン(羊革)の柔らかい手触り。
都会にも合う洗練されたデザイン。
ついに、自分にとって理想のライダースを見つけました!
 
「ロッカーでもバイカーでもない人間にライダースは似合わない」
 
そんな自分の“ライダースコンプレックス”を取っ払ってくれた大切な一品です。
 
「ファッションとは自由なものだ!」
 
改めてそう感じたので、いずれは『Lewis Leathers』や『Schott』の無骨なものにも挑戦したいし、あわよくばバイクにも乗ってみたいと感じたのでした。
今のところは、これを着て自転車に乗りながら、脳内でバイク音を再生しています(笑)。
 
さて、“ライダースには無骨な酒”という固定観念が取っ払えた気がするので、この服をながめながら何を飲もうか?
アルコール度数は高いんだけど、ライトにも感じる酒が飲みたい。
そこで選んだのは、ジャパニーズウイスキーの最高峰のひとつ、『山崎12年』。

▲山崎12年(25000円 ※参考価格)

スコッチやバーボンにはない繊細さ、これぞ日本のウイスキー。
まるで、柔らかい手触りのシープスキンのような舌ざわりです。
柔らかいライダースの革をモミモミしながら、口の中に含んだ山崎を舌で一周させる。
もう、たまりません。
 
次回は、今シーズンも話題の『Nハリウッド×Champion』の服で飲みます。
ぜひいっしょに酔いましょう!
 
(つづく)
 

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