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この料理家のレシピが天才すぎる⑥全農広報部編/高山惠

 私はフリーライターとして仕事をするかたわら、夫、中学生、小学生の子どもとともに生活しています。原稿などの締め切りに追われる毎日ですが、夜になるととりあえず仕事を切り上げ、台所に立って夕食をつくっています。
 
 そんな自分にとって日々助けになっているのが、SNSなどでみかける「誰かが作った美味しそうなレシピ」。簡単で美味しそうなレシピをみつけては「いいね」を押して、いつでも確認できるようにするのがライフワークとなっています。 

【高山惠 プロフィール】
ライターとして現在は雑誌「DIME」「BE-PAL」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、他さまざまなWEB媒体で執筆。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。
この連載は、前回2022年6月期のシリーズ第2弾です。

レシピではなく“美味しい食べ方”がバズっている

 Twitterというのはよくできているもので、ひとりの料理家の方をフォローすると、その方と関係がある別の料理家のレシピ情報が次々とタイムラインに流れてきます。そんなつながりにより、今年に入ってしょっちゅう私のタイムラインに登場していたのが「全農広報部」のアカウント。実は以前に取り上げた料理家リュウジさんも「いま1番バズってるのはぼくじゃなくて、全農広報部さんですね」と語っています。
 
 こちらはJA全農(全国農業協同組合連合会)が「日本の食を味わう」をテーマに開設してるもので、野菜や果物のちょっとした楽しみ方を提案しているもの。例えば、こちらの「スティック梨」は、梨を縦状のスティックに切っただけですが、2.8万いいねがついています。梨を縦状にカットすること自体が斬新で、思わずマネをしたくなりますよね。
 こちらです(↓)。
https://twitter.com/zennoh_food/status/1564498948575834113 

 全農広報部さんのツイートには「小麦粉100g」「砂糖大さじ1」のような材料表記がほぼありません。例えばズッキーニなら「縦切りにしてにんにくをきかせた油で両面焼いてステーキにすると存在感抜群」。これだけの表現で3万いいねがついているのです。 

「よだれ豚」で豚小間の美味しい食べ方を知った

 今回、私が全農広報部さんのツイートの中で一番よく作っている“食材の美味しい楽しみ方”をご紹介します。
 こちらです(↓)。https://twitter.com/zennoh_food/status/1521043625244647424

  野菜や果物ではなく、豚肉でつくる「よだれ豚」。これ、スーパーでよく売っている安価な「豚小間」でつくると、とても美味しいんです。豚小間は豚肉のモモやバラ、ロースなどさまざまな部位の切れ端が集まったもので、とてもリーズナブルに購入できるのが魅力。しかし部位が異なるので調理法が難しく、普通に焼くと固くなってパサパサになることも少なくありません。だからこそ気軽に手を出すことに躊躇していたことが多かったのですが、このレシピを知ってから、しょっちゅう豚小間を買うようになりました。

▲仕上げに青ネギやシソをかけると映えますが、
うちでは子どもが薬味を嫌がるので使わないことにしています

 ツイートの内容は「豚肉に酒、砂糖、片栗粉をまぶし、フライパンに油多めで揚げ焼きします。野菜を載せたお皿の上に盛り付け、タレ(醤油、酢、砂糖、ラー油などを混ぜる)をかけて完成」というもの。これだけでは調味料をどの配分で入れればいいかさっぱり分かりませんが、なんとなく感覚でつくっても美味しくできます。ちなみに我が家では子ども仕様でラー油は入れませんが、入れなくても美味しい! シンプルだけど飽きのこないしょう油ベースの味付けで、子どもが本当にパクパク食べてくれます。
 
 とても人気が高い全農広報部さんですが、今年6月にはツイートをまとめた『JA全農広報部さんにきいた 世界一おいしい野菜の食べ方』という本がKADOKAWAより発売されています。今、気づいたのですが、前回紹介した長谷川あかりさんの本もKADOKAWAでしたね。担当の方は私と趣味が似ているのかも??
 
(つづく)
 

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