ひとりぼっちの相合傘/真野愛子
店を出る頃には雨が降っていた。
傘が一本しかなかったので「入ってください」と言ったら、彼は申し訳なさそうに大きな体をかがめて私の傘に頭だけ入れて私たちは駅まで歩いた。
その後、彼が結婚すると聞いた時は驚いた。
さらにそのお相手が私の同僚だと知ってショックを受けた。
そっかー。
彼が私の傘に頭だけ入れて申し訳なさそうだったのは遠慮していたのではなく、恋人に誠実だったからだ。
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831字
いろいろとこじらせている真野愛子が過去に綴った雑文です。よかったらぜひ!
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たぶん、こじらせているだろう独身女が感じたことをあれこれと綴っています!
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