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志村けんさんとテレビ/鈴木しげき

志村けんさんが他界して2年が経った。
私は志村さんの番組で10年以上コントを書いてきました。
『バカ殿様』での時代物コント、ショートコント、深夜枠の家族コメディーなど何本書いたかは自分でもわかりませんが、とても濃密な仕事だったと記憶しています。
なにせ、会議にあの志村けんがいるのです。コントの王様に「こんなコント考えてきたのですが、どうでしょう?」と見せるわけですから、これはもう緊張以外の何物でもありません。ホントに吐きそうでした(笑)。

その時の記憶をつづった文章があります。以下のリンクです。よかったら読んでみてください。

上記のリンクは、志村さんが亡くなって半年ほどして書いたものです。少しだけ心の整理がついた頃で、私が見た「テレビ制作者としての志村けん」を書き残したくて寄稿しました。

あれからそれなりに時間が過ぎたんだなぁと改めて思います。

最近、志村さんがいないことを受け入れつつあり、この先もっと慣れていくんだと思うとなんとも複雑な気持ちです。

志村さんはテレビが国民的だった時代の王様でした。それを10数年ですが近くで見ることができた以上、私はテレビの変貌を受け入れながら今後も自分なりにできることを続けていきたいと思っています。

昨今、いろいろと言われているテレビですが、今後も国民に共通体験を提供するメディアとして役割を担っていくのは間違いないようです。

よくネットで話題が拡散して注目が集まることを「バズる」と言いますが、じつは、ネットはバズる力より地道にファンと繋がる力のほうが得意で、むしろ瞬間的にバズが広がるのはテレビの独壇場だと伺いました(ちなみに、これを教えてくれたのは、noteプロデューサー徳力基彦さんです)。

今、テレビはネットと融合して新たなステージへ進化している最中です。

ダ・ヴィンチやアインシュタインが他界しても地球は回っているし、志村けんが旅立ってもテレビや笑いは続いていく。まだまだテレビからおもしろいものが出てくるんじゃないかとワクワクしています。

【鈴木しげき プロフィール】
放送作家として『志村けんのバカ殿様』『ダウンタウンDX』などを担当。また脚本家として映画『ブルーハーツが聴こえる』連ドラ『黒猫、ときどき花屋』などを執筆。『読みテレ』にてコラム連載中。

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