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【TOEIC】リーディング問題を速く解く為のコツ23選 - 知らずに受験すると解答時間をロスしてしまう -

はじめに

この記事を読んでくださりありがとうございます。この記事では、TOEIC L&Rのリーディング問題で時間が足りなくなってしまう方向けに解答時間短縮テクニックを23個挙げています。これらのテクニックを知って受験するのと知らずに受験するのとでは解答スピードに大きな差が生じ、スコアにも影響を及ぼしてきます。

私は、2022年以降、ほぼ毎回TOEIC L&Rの公開テストを受験して最新の出題傾向を分析しています。2年間の有効期限内の公開テストのベストスコアは、リスニングが満点、リーディングが485点です。

この試験においてリーディング問題を解く際、正確さに加え、解答時間を短縮する為に、頭の中で効率性を常に考えながら解いています。

時間との戦いであるTOEIC L&Rのリーディングセクションにおいては1分1秒の短縮がスコアに影響を及ぼしてきます。

リーディング問題を解き進めていく際に、頭の中で考えている解答時間を短縮する為の様々なテクニック的なことがらを言語化し、この記事でまとめました。

この記事に挙げたテクニックは、私が実際に使って解答時間の短縮につながっているものばかりですので効果は実証済みです。また基本的なテクニックが多く、どなたが試しても再現性があると考えます。

実行すればすぐに効果がある時短テクニックと効果を得る為に普段の学習時に準備しておく必要がある時短テクニックがあります。

2024年になり難化傾向がますます進んでいるTOEICの公開テストにおいては、テクニックは通用しなくなっていると言われますが、通用する解答時間短縮テクニックは存在します。

もちろん、テクニックに頼らず、英語力そのものを伸ばしてTOEICのスコアアップを狙うのが正攻法だとは思いますが、どんな試験においても知っているのと知らないのではスコアに大きな差がつく試験の特徴や癖というものがあります。

私は、TOEICのスコアアップには、英語力に加え、TOEIC独特の特徴や癖に対処するテクニック(TOEIC力)、そして、学習過程や試験中におけるメンタル管理能力が目標スコアを達成する上で欠かせない重要なファクターだと考えています。

現在のTOEIC試験は、一般のネイティブスピーカーが全く準備せずにぶっつけ本番で受けた場合は恐らく満点は取れないでしょう。それは英語力はあっても、TOEIC力が不足しているからです。

この記事に挙げた時短テクニックを用いて、読まれた方が解答時間の短縮を実現し、目標スコアを達成されることを願ってやみません。


🔸TOEICの得点力 = 英語力 x TOEIC力 x メンタルマネジメント

※TOEIC力: TOEIC特有の問題に対処する力。例えば、TOEIC独特のパラフレーズ/言い換え表現や語彙、コロケーション、複合名詞の知識や各パート別の効率的な解き方、時間配分、時短テクニックなどがある。

それでは早速はじめていきましょう!

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“Never say never, because limits, like fears, are often just an illusion.”

Michael Jordan (マイケル・ジョーダン)

「無理だなんて絶対に口にするな。限界は恐怖と同じで、大抵は幻想にしか過ぎないから。」
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作者のプロフィール

モリヨシナリ
Bizconsul Office代表。ビジネス英語講師。全国通訳案内士(英語・中国語)。

2022年3月からほぼ毎回、TOEIC L&Rの公開テストを受験し、最新の出題傾向を把握、また韓国から既出問題集、実践問題集等を購入して解き、対策法を分析している。英語学習に関する記事やTOEICの対策法についてブログやSNSにて発信中。

2022年以降の公開テストの受験回数は、2022年度が10回、2023年度が12回、2024年度は、7/28時点で7回。現在、住んでいる香川県では公開テストは毎月実施されない為、前泊して兵庫県や岡山県で受験している。

2年間の有効期限内の公開試験のベストスコアは、リスニングが満点、リーディングが485点。

TOEIC以外に、全国通訳案内士(英語・中国語)、英検1級、国連英検A級、TESOL(英語教授法)などの資格を保有。米国大学経営学部留学マーケティング専攻。

英語講師としては、観光庁主催のインバウンド英語研修に講師として認定され、香川県や愛媛県、高知県の市役所や宿泊施設等にて登壇。また、エレクトロニクス企業での20年以上の豊富な海外ビジネス経験を活かしてビジネス英語講師として活動。TOEICのスコアアップ対策を指導中。



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・目次




🔸この記事に含まれる内容

・リーディングの解答時間短縮に役立つ基本テクニック23選。知らないとスコアに差が出てしまう小さな技を組み合わせて解答時間を最短化するコツ。

・リーディング問題のパート別の解答時間短縮テクニック (パート5, 6, 7)

・パート7の解答の根拠とその言い換え表現を集めた書籍の紹介

・最新の傾向である多種多様なトピックに対応するのに役立つサイト紹介。和訳、キーワード、音声付きのサイトなど。


第一章: TOEIC学習者の悩みとスコアアップの大前提


1、TOEIC学習者の悩み

TOEIC学習者の方の相談で一番多いのが、リーディングセクションで時間が足りなくなり問題を解き終わらないので、いつも塗り絵をしてしまう(問題を読まずに適当にマークする) と言う内容です。

この記事では、そんな悩みを持つ方に対してリーディング問題の解答時間の短縮につながる様々な時短テクニックを、最新の問題傾向も加味しながら説明していきます。


2、スコアアップの大前提

多くの方が時間が足りず全問解き終わらなくて悩んでいると書きましたが、そもそも大前提として、全問を解き終える必要があるのは、900点以上を目指す方です。

公開試験の得点分布データでは900点以上を取る人は全受験者の中の3%〜4%くらいとなります。

TOEICには、全問解き終えることよりも重要なポイントがあります!

それは、TOEICでは、難問も簡単な問題も一問の価値は同じという点です。また、速く全問を解いたからといってスコアが良くなるというスピードを測る試験でもありません。スコアは正解した数で決まります。

ですから、同じ時間をかけるなら難問を1問解くよりも、簡単な問題を3問解いて正解する方がスコアが高くなるのです。

また、苦労して難問を解いたとしても、それが採点されない可能性もあります。ある問題に関して、英語の初級者と上級者の間で正答率が逆転し、初級者のほうが正解する率が高くなってしまったような場合は、この問題は不適切な問題、つまり「悪問」として扱われ採点対象から除外されます。

ですから一番避けるべきは、上級者も迷うような難問に時間をかけすぎて、本来、自分が解ける簡単な問題を時間不足で解けない状況に陥ってしまうことなのです。

せっかく毎日、TOEICの準備に時間と労力、資金をかけてやってきても、本番の試験で自分が解ける問題を時間切れで解けないと言うことはスコアアップのチャンスを自ら放棄してしまうようなもので悔やんでも悔やみきれません。


🔸【ポイント】900点以上を目指す上級者以外は、リーディング問題を全問解き終える必要はない。解ける問題を取りこぼしなく確実に解き、正解数を積み上げることがスコアの最大化につながる! 上級者が悩むような難問を時間をかけて解いたとしても簡単な問題と価値は同じ、更にその難問が悪問の場合は採点されない可能性もあることを知っておく。

🔸スコアアップ = 正解数の最大化


3、最重要事項は実践で使える英語力を養うこと、テクニックはスコアアップの手段


この記事では、TOEICのテクニック面を取り上げますが、あくまで大事なことは、実践の場で使える英語力を身につけることです。その英語力を養う為の一つの方法としてTOEICの勉強を利用する、そしてTOEICのスコアアップの手段としてテクニックがあるというスタンスが大切です。

TOEICのスコアを上げる為だけの勉強をしたり、様々なテクニックばかりを身につけても実践で使える英語力は身に付きません。

とは言え、就職や転職、社内昇進のためにTOEICのスコアが非常に重要であることも事実です。TOEICのスコアには、転職や海外赴任により、その後の年収や生涯賃金の額を変えてしまうほどのインパクトがあります。

現在、多くの企業では、TOEICのスコアを昇進や海外赴任、海外部門への配属の条件として活用しています。また従業員を採用する際に、英語力を客観的に判断する指標としてTOEICのスコア提出を求めている企業も多くあります。

私は以前、東証1部上場の大手エレクトロニクス企業2社で勤めた経験がありますが、採用時や配属先決定の際にはTOEICのスコアが評価対象になりました。また、入社した後の海外赴任や昇進の条件の中にもTOEICのスコアが含まれていました。

ですから、私はTOEICを英語力を養う為の一つの方法として捉え、テクニックについてはスコアアップの為の必要手段として割り切って勉強していました。

🔸【ポイント】TOEICのリーディングセクションに限らず英語の読解力を養うには、精読(英文解釈)をして英文を頭から返り読みせず、英語の語順で正確に理解出来るようになることを目指すのが王道です。そして王道こそが英語力を身につける一番の近道です。

英語の読解力が不足している段階でいくら速読しても英語力は伸びません。時間はかかりますが、英語の文書を読み、知らない単語と文法を調べ、構文を把握し、意味の塊ごとに線を引いてスラッシュリーディングをやり、イメージ音読を行うことにより読解力を身につけていくのが王道です。

文法と構文把握はルールが決まっていますので比較的早く身につけることができます。また英文を頭から英語の語順で理解することを目的とするスラッシュリーディングも様々な文書に触れてコツを掴めばできるようになります。

初級者の段階から上級者の段階になっても継続していくやっていく必要があるのはボキャビルとイメージ音読です。

ご参考までに、英文のテキストカバー率は、98%と言う研究結果が出ています。これは、英語のテキストを読む際に、テキスト内の総単語数に対して、自分が瞬時に意味が分かる単語の割合が98%はないと正確に英文を理解できないという研究結果です。速読に使う教材はテキストカバー率が100%の文書が向いていると言われています。それくらい語彙の増強は重要なのです。

🔸【ケンブリッジ大学プレス】How much vocabulary is needed to use English?
Published online by Cambridge University Press


TOEICの問題作成者側は、英文を正確に速く理解出来る力を測定することを意図して問題を作成しています。まずするべきことは英文を正解に理解する為の精読(英文解釈)です。TOEICのリーディング問題は正確に英文内容を理解していないと誤答を選んでしまう引っかけの選択肢が全ての問題にあります。

精読の先にあるのが速読です。

どんな英文に対しても一度読んで正確に意味を理解できる読解力がついてくると自然と速く読めるようになっていきます。 


4, パート7の時間不足を解消する為のステップ。  “正確に”理解できる読解力 x 時短テクニック

ステップ①
【読解力養成】読解力を養い正確に読めるようにする。その為には、パート7の文書の英文解釈(単語/文法知識の蓄積、構文把握、意味理解)を行う。英文を意味の塊で区切り、スラッシュリーディングをすることにより英語の語順で理解できるようにする。

【音読】毎日、その文書を音読する。

【ボキャビル】単語は英文をたくさん読み、何度も出会うことにより覚えていくのが理想ですが、効率的にTOEICに頻出する英単語を覚える為には『金フレ』を使ってボキャビルするのが有効。

ステップ②
英文を正確に読めるようになれば、初見の英文を”一度読んで“理解できるように訓練する。この一度読んで内容を理解し、短期記憶に内容を留めることはパート7の時間不足を解消する上で非常に重要!

それには、イメージ音読が有効。英文を読む際に、頭の中に場面のイメージを浮かべながら読むと記憶に残りやすい。

英文と同じ内容の場面を自分が過去に経験していたり、同じような場面をドラマなどの映像で見たことがある場合、イメージ化しやすい。

また過去に同じようなストーリーの英文を読んだ際に一度イメージ化したものはイメージ化しやすい。

また、公式問題集の特典音声のパート7の部分を1.2倍の速さで聴いて理解し、イメージ化できるようにする。

ステップ③
英文を正確に理解できるようになれば、読むスピードを徐々に上げていく。読むスピードの目標は、WPM 150(1分間に150語)以上を目指す。WPMは、Words Per Minuteの頭文字で1分間に読める単語数を指すます。TOEICのリスニング問題を読み上げるスピードがだいたいWPM 150と言われています。公式問題集の特典音源のパート7を聴いて場面のイメージ化ができるように練習します。

🔸TOEICにネイティブ並みの読解速度は必要ない。WPM150で読めればリーディング問題は解き終わる。

速度より大事なことは、英文を一度だけ読んで内容を正解に理解し、短期記憶に残すこと。

これには日々のパート7のスクリプトのイメージ音読と公式問題集の特典音源のパート7の部分を聴いて理解し、場面のイメージ化ができるようにすることが有効な方法!

ステップ④
TOEICのリーディング問題の解答時間不足解消には上記の正確に理解できる読解力を養うことに加え、この記事で紹介する時短テクニックを使って解答時間を最短化することにより、時間内に”正確に”解き終わることを可能にする。

※英語のネイティブスピーカーのWPMの平均は、200〜250WPMです。日本人のWPMの平均は80〜100WPM。TOEICのリーディング問題を解き終えるのに必要なWPMは150と言われています。

🔸リーディングの時間不足解消 = “正確に”理解できる読解力 x 時短テクニック


🔸【イメージ化学習】トリリンガルの脳、視覚野で言語を学習。東大の論文。トリリンガルはバイリンガルよりもイメージを使って学習しているという結果が出た。


🔸あなたのWPM(1分間に読める単語数)が測れるサイト



第二章: リーディング問題の解答時間を短縮する為の時短テクニック


それでは、次にリーディング問題の解答時間を最短化する時短テクニックについて説明していきます。

中には、そんな些細な事かと思われることもあるかもしれませんが、些細な事を組み合わせることにより、大きな差を生み出すことができます。

結果を出している人ほど些細な事を大切にしていますが、その部分は見えませんし、見せません。一部の先天的な天才を除いて、生まれた時は人間の能力にはそんなに差はないと言われます。特に英語という言語習得には特別な天才的才能は必要ありません。しかしながら、例えば、毎日5分の音読を続けていると、長年のこの小さな事の積み重ねにより、人生において大変大きな差を生み出します。

一流のプロ野球選手は、目標を達成する為には考えられうるあらゆる対策を講じます。日々の素振りをするにも何気なくバットを振るのではなく、実際の試合でバッターボックスに立ったという気持ちでピッチャーが投げる球をイメージしながら一振り、一振りに”気持ち”を込めて素振りをします。

ひとつひとつの些細な事を大切にして継続してやることが最終的に大きな目標達成に結びつきます。


🔸高校野球の名門 高松商業の勝負の神様
『勝負の神様は細部に宿る』
「勝負の明暗を分けるのは、日々の小さな当たり前を当たり前にできるかどうか。 細かい部分を怠る選手は勝負のできない選手である。」野球やゴルフ、卓球の素振り、英語の音読、歌手のボイトレなど日々の地味な練習に”気持ち”を込めて本番をイメージしながらやっているかどうかで大きな差がつく。


🔸雨垂れ石を穿つ(うがつ)
これは、私が全国通訳案内士試験に英語で合格した後、働きながら独学で中国語の勉強を20年間続けて同試験に合格したときに座右の銘としていた言葉です。とにかく毎日、最低5分は中国語の音声を聴いて口パクシャドーイングしたり、単語を覚えることを継続しました。日々の小さな行動の積み重ねにより、遂には石を穿つ(合格する)ことができました。行動し続けない限り何も変わりません。


🔸「努力の天才」と呼ばれるイチローさんの言葉

「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」

「努力せずに何かできるようになる人のことを『天才』というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを『天才』というのなら、僕はそうだと思う。人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。」

「僕は天才ではありません。なぜかというと自分がどうしてヒットを打てるかを説明できるからです。」

「びっくりするような好プレイが、勝ちに結びつくことは少ないです。確実にこなさないといけないプレイを確実にこなせるチームは強いです。」

「考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまうことになります。」

「やれることは全てやったし、手を抜いたことはありません。常にやれることをやろうとした自分がいたこと、それに対して準備ができた自分がいたことを誇りに思っています。」

「同じ練習をしていても、何を感じながらやっているかで、全然結果は違ってくるわけです。」

「どうやってヒットを打ったのかが問題です。たまたま出たヒットでは、なにも得られません。」

イチローさんは、なぜその結果が出たかの理由を言語化することや上手くいったことの再現性を非常に重要視している。このことをイマジネーションを働かせて自分が目指す分野に落とし込んで考えてみる必要がある。




🔹時短テクニック① Time Management



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