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TANKA

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現代短歌。過去や現在や未来のことを文字にする。漫然とだらだら書きたくなかったので、「素材:キャンバスにアクリル絵具」のような括りを文字の表現にも設けたいと思った。
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2021年1月の記事一覧

現代短歌 《太陽が西からのぼる》

現代短歌 《太陽が西からのぼる》

あたたかい夢抱えつつ目の裏に写り込んでる湖の底

銀色に輝く魚横切れば無視した後悔あぶくとなり消え

悪い癖届く届かぬ五分五分のあなたへの手紙したため続けて

裸足でも歩ける君の応援がここまで届く雪の上なら

ヒヤシンスその根はどこに繋がったあなたの足元その道の先

過ぎし日を反芻しても進まないそれでも思い出として生き続け

甘くても苦くてもいい君のそば居られるならば咲き乱れる花

舌の上転がる球

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現代短歌 《今日も良い日だ?》

現代短歌 《今日も良い日だ?》

住む街が纏う空気も殺気立ち減り続ける菓子増えるゴミ袋

スコールで地が固まらずどうしようグラスに雨雲うかべた過去よ

夢だって見なかったふりフラフラと揺れる天秤戻れない日々

誓います健やかな時病める時その効力はどの程度かしら

あなたなの?返事待つから永遠にいつか会える日が来ると信じて

咲き誇れ誰一人認めなくたってこの花はわたし 生きている限り

散々な思いしたって生きられる明日が来たってまた

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