見出し画像

『マリー・ローランサンとモード』展レポ②

前回に引き続き、マリー・ローランサン展でのお話を。

ローランサンの作品たち



パステルやくすみ、なめらかな曲線など女性らしさを取り入れたローランサンの作品たちは、見ていてうっとりとするようなものばかりでした…!
額縁に入れて家でずっと眺めておきたいほど。
ありがたいことに写真撮影が可能な作品もありました。


ハープの音色が聴こえてきそう
『ヴァランティーヌ・テシエの肖像』
パリで活躍した舞台女優を描いたらしい

シャネルによる舞台衣装について

マリー・ローランサンとシャネルはともに舞台衣装を手がけていたようです。

なかでも私が目が惹きつけられたのはシャネルによる『青列車』での衣装たち。

「バレエってこんな衣装でも舞台に上がれるの!?」と思わずにはいられないほど。
海水浴場が舞台となっているため、演者たちは水着や帽子を身に纏って踊っているんです。
水着も私たちが着ているものと大差がなく、「これ昨日買って来たんよね」と言われてもほとんど驚かないレベル。


普段でも着れそう

それが100年も前には既に取り入れられていたと想像すると、シャネルの発想力がいかに先進的なものだったかを感じることができます。

ちなみに振り付けにはテニスをするサンオイルを塗っている姿も表現されており、限りなく普段の生活に近く新しいバレエのスタイルがじわじわ伝わってきます…!

YouTubeでの参考動画はこちら。
https://youtu.be/udKRvEsCTvE

ローランサンの色彩

シャネルはマリー・ローランサンと仲が悪かったと伝えられていますが、2人の死後何年も経た後にはシャネルがローランサンの色彩をイメージしてドレスを作ったそうなんです。
(このデザイナーはカール・ラガーフェルド)


息を呑むほどの美しさ。


遠くから見たらこんな感じ。

ローランサンのカラーを取り入れつつ、シャネルが重視した機能性(裾がドレスの割に動きやすそうであったり)も踏襲されていて、1920年代に活躍した2大デザイナーが100年後にやっとタッグを組んだという、映画化できそうなお話やん。

おわりに

よく雑誌のインタビューなどで女優さんが「日常生活に美を意識して取り入れることは大切」と答える記事を見ますが、一般ピーポーの私たちも「美しいものを見る必要がある」と思いました。
ローランサンの美しい作品を見ると、心の奥底にあったドロドロした感情や不満がスッと消えていくような気がしたんです。
お寺や神社に行くような感じとはまたちょっと違う、心の浄化ってこういうことなんですね。

今まで知らなかったマリー・ローランサンというデザイナーに出会えて良かったなぁ。
また1つ面白い世界が増えた。

開催期間は6月11日まで。
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20230416-20230611


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?