リコマース総研 by Mercari

リコマースに関わる国内外のトレンドや市場動向、消費者の消費行動の変化を研究し、社会・経…

リコマース総研 by Mercari

リコマースに関わる国内外のトレンドや市場動向、消費者の消費行動の変化を研究し、社会・経済・生活など様々な視点からリコマース市場が与える影響を探求する研究機関です。

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【2023年6月版】国内リコマース業界のカオスマップを作ってみた

こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 今回は、「国内リコマースカオスマップ」を作ってみたので、公開します! リコマースとは?リコマースは、製品の適切な長期利用を促進する産業を指し、二次流通プラットフォームやサブスク・シェアエコ、リペア事業者、自社リユースを実践する一次流通のブランド・メーカーなどが参画する、循環型社会の実現と経済成長の両輪を目指す活気ある市場です。 この市場は、商品寿命をのばし循環させることで、大量生産・大量販売

    • 「リサイクル通信」から「リユース経済新聞」へ。媒体名を変更した背景を瀬川編集長に聞いてみた

      リサイクルショップ向けの専門新聞「リサイクル通信」が、今春、その媒体名を「リユース経済新聞」に変更しました。2000年の創刊から24年。このタイミングで媒体名の変更に踏み切った背景には、どのような考えがあるのでしょうか。 今回は「リユース経済新聞」編集長の瀬川淳司さんをお招きし、媒体名を変更した理由と、その背景にあるリユース市場の現状や展望、企業取材を通じて感じているリセールビジネスの課題について、リコマース総研の所長である與田がお話を伺いました。 リユース経済新聞 編集

      • 循環型ファッションの浸透は、行動デザインがカギ

        こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。今回はメルカリ総合研究所の共同研究パートナーとして、二次流通における消費者行動について多岐にわたる調査をしてきたマーケティングの専門家である慶應義塾大学商学部教授の山本晶先生にお話を聞いてきました!これまで先生が研究してきた二次流通市場における消費者行動から得た知見をもとに、企業がサステナブルなファッションを浸透させるために必要なことは何かを伺いました。 慶應義塾大学商学部教授 山本晶 1996

        • 国内外の注目リコマース事例をピックアップ!【2024年4月版】

          リコマース総研が注目する、国内外のアパレルブランドが取り組むリコマース事例をピックアップしてご紹介します。 UNIQLO 古着プロジェクト by RE.UNIQLO「UNIQLO 古着プロジェクト by RE.UNIQLO」では、RE.UNIQLO回収ボックスなどで集めた服を厳選し「ヴィンテージ感を叶える製品染加工」や「品質をアップデートする丁寧な洗濯」などによりアップサイクルを行い、ユニクロの古着として期間限定のPOP-UPストアで販売しています。 ユニクロでは、服が次

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        【2023年6月版】国内リコマース業界のカオスマップを作ってみた

          海外アパレルブランドのリコマース事例まとめ【2024年4月版】

          リコマース総研にて、海外のアパレルブランドが取り組むリコマース事例をまとめました。今回取りまとめた事例は「顧客からの自社製品回収や自社の廃棄素材などを再利用して再販を行っている」取り組みを対象としています。 海外アパレルブランド リコマース事例リコマースに取り組んでいるグローバルブランドは数多く存在しますが、日本においては再販を行なっていないケースも多く、今後日本でのリコマース展開が期待されます。海外においては、直販だけではなくThredUPなどのプラットフォーマーと組んで

          海外アパレルブランドのリコマース事例まとめ【2024年4月版】

          国内アパレルブランドのリコマース事例まとめ【2024年4月版】

          リコマース総研にて、国内のアパレルブランドが取り組むリコマース事例をまとめました。今回取りまとめた事例は「顧客からの自社製品回収や自社の廃棄素材などを再利用して再販を行っている」取り組みを対象としています。 国内アパレルブランド リコマース事例日本国内では、定常的な取り組みとしてリコマースを推進するブランド、期間限定のPOPUPストアやキャンペーンなど、リコマースを試験的に行っているブランドに分かれています。販売チャネルはリアル店舗での展開が多く、海外と比較するとEC展開は

          国内アパレルブランドのリコマース事例まとめ【2024年4月版】

          最新グローバルレポートから見る「リコマース」 -サステナビリティと経済合理性の実現-

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 昨年6月に取り上げた米国ThredUp社の「リセールレポート」について、最新版「リセールレポート2024」が発表されたので、解説していきたいと思います! サマリーグローバルリユース市場は2028年までに3,500億ドルに 2025年までには、グローバルアパレル市場の10%がリユース品で構成されると予想されています。 米国ではオンラインリセール市場が拡大傾向にあり、2023年は昨年比23%

          最新グローバルレポートから見る「リコマース」 -サステナビリティと経済合理性の実現-

          リコマース総合研究所 所長交代のお知らせ

          リコマース総合研究所(以下、リコマース総研)は、循環型社会の実現と経済成長の両輪を目指す新市場「リコマース」を研究するための機関として2023年6月に設立されました。リペア業界からリユース業界を経て、リコマース業界での豊富な経験を持つメルカリの迫俊亮が所長を務めてまいりましたが、2024年4月1日より、リコマース事業の事業責任者を務める與田祐樹(よだ ゆうき)が所長に就任いたします。 與田は、メルカリの経営戦略室で循環型社会の実現に向けたロードマップの取りまとめを行い、リコ

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          アパレルや家電メーカーは自社リコマースの必要性を感じている!?ニーズや課題を深ぼってみた

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 EUでは昨年12月に売れ残った服や靴などの衣類を破棄することを禁止する法案や、今年2月に消費者が家電製品を「修理する権利」を認め、一つの製品をより長く使える環境整備を企業に義務付ける法案が合意するなど、サーキュラーエコノミーが規制によって推進されつつあります。 日本では衣類破棄や修理に関する規制が設けられるのはまだ先になりそうですが、アパレルメーカーや家電メーカーに従事している人たちは、リコ

          アパレルや家電メーカーは自社リコマースの必要性を感じている!?ニーズや課題を深ぼってみた

          EUで売れ残った服や靴が廃棄できなくなる!?〜EUの規制内容解説 & 日本にも及ぼす今後の影響とは〜

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 2023年12月5日、欧州議会とEU加盟国は、売れ残った服や靴などの衣類を破棄することを禁止する法案で大筋合意したという画期的なニュースが日本でも話題になりました。 欧州連合理事会のプレスリリース この法案の解説と、今後日本にどのような影響がありそうかを予測していきたいと思います。 法案のサマリー製品をより長持ちさせ、修理、アップグレード、リサイクルを容易にするための「デジタルプロダクトパ

          EUで売れ残った服や靴が廃棄できなくなる!?〜EUの規制内容解説 & 日本にも及ぼす今後の影響とは〜

          ※資料DL可能※【イベントレポート】ファッションワールド東京で「リコマース」について講演しました!

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 2023年10月10日〜12日の3日間、東京ビッグサイトで開催された日本最大のファッション展「FaW TOKYO(ファッションワールド東京)」で「リコマース」についてメルカリの吉川が講演をしてきました! 「“サステナビリティ×経済成長”の両輪を目指すグローバルトレンド 「リコマース」とは? 」と題し、リコマース産業の国内外の動向について講演した内容を中心に、イベントレポートをお届けします! 日

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          ※資料DL可能※【イベントレポート】ファッションワールド…

          「モノの循環」という価値を高めるには?数々の現場を見てきた経産省責任者が得たヒント- サーキュラーエコノミー実現に向けた国の戦略を責任者に聞いてみた-

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 前回の軍地彩弓さんと安居昭博さんの対談に続き、今回は経済産業省の資源循環経済課長である田中将吾さんに、2023年3月末に策定された「成長志向型の資源自律経済戦略」や日本のサーキュラーエコノミーに関する政策の展望などをお伺いしました。 田中将吾さん 平成13年 東京大学経済学部卒、経済産業省入省 平成20年 ロンドン大学(UCL)留学(MSc Public Policy) 平成22年 経済産業政

          「モノの循環」という価値を高めるには?数々の現場を見てきた経産省責任者が得たヒント- サーキュラーエコノミー実現に向けた国の戦略を責任者に聞いてみた-

          「実は日本のポテンシャルは高い」サーキュラーエコノミーを深掘り続ける2人がそう断言する理由- アパレル業界におけるサーキュラリティと経済合理性の両立は可能か?識者たちの見解を聞いてみた-

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 今回は編集者/ファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓さんとサーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さんにサーキュラーエコノミーの国内外トレンドや、ファッション業界における取り組みなどについてお話を伺いました。 軍地彩弓さん 大学卒業と同時に講談社の『ViVi』編集部で、フリーライターとして活動。その後、雑誌『GLAMOROUS』にてファッション・ディレクターとして活躍。2008年に

          「実は日本のポテンシャルは高い」サーキュラーエコノミーを深掘り続ける2人がそう断言する理由- アパレル業界におけるサーキュラリティと経済合理性の両立は可能か?識者たちの見解を聞いてみた-

          「アパレル消費とリコマース市場」に関する調査を実施 〜情報リテラシーが高い人ほど「リユース・レンタル品活用率」「買い物への満足度」が高い結果に〜

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 サマーセールの時期になりましたね!みなさんは、今年のサマーセールで何かファッションアイテムを購入されましたでしょうか。 リコマース総研の調査によると、今年サマーセールを「利用した/利用予定がある」人は29.9%という結果になりました。この10年で「服を買う時は、バーゲンやセールを利用することが多い」人の割合は53.2%から47.4%に減少しており(※1)昨今のセール離れの兆候が伺えます。

          「アパレル消費とリコマース市場」に関する調査を実施 〜情報リテラシーが高い人ほど「リユース・レンタル品活用率」「買い物への満足度」が高い結果に〜

          メルカリUS「リユースレポート2023」からみるアメリカのリユーストレンド

          こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。 今回は、メルカリUSが発表した「リユースレポート2023」( https://merc.li/whyz7C5wa )を解説していきたいと思います! メルカリUS「リユースレポート2023」サマリーアメリカのリセール市場は2031年までに3,250億ドル規模に 2022年から2031年までのリセール市場の87%の成長は、小売(非リセール品)市場の成長予測の2.4倍と急成長 アメリカに住む成人

          メルカリUS「リユースレポート2023」からみるアメリカのリユーストレンド

          資源循環と経済性の両立:循環型社会・アパレル分野における新しい政策潮流

          はじめに最近、循環型社会や衣服のリユースについて社会的な関心が大変高まっています。また、これまでの総研の記事の通り、欧米ではリコマースという新しい産業も立ち上がってきています。今回は、日本における循環型社会・衣服のリユース等に関する政策的な議論を紹介し、アパレル業界におけるリユース・リコマース関係政策の今後の展望もお示しできればと思います。 最近の循環型社会実現に関する政府の動向3Rを含む循環型社会の実現に関する政府の全体計画は「循環型社会形成推進基本計画」(循環基本計画

          資源循環と経済性の両立:循環型社会・アパレル分野における新しい政策潮流