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国内外の注目リコマース事例をピックアップ!【2024年4月版】

リコマース総研が注目する、国内外のアパレルブランドが取り組むリコマース事例をピックアップしてご紹介します。

UNIQLO 古着プロジェクト by RE.UNIQLO

「UNIQLO 古着プロジェクト by RE.UNIQLO」では、RE.UNIQLO回収ボックスなどで集めた服を厳選し「ヴィンテージ感を叶える製品染加工」や「品質をアップデートする丁寧な洗濯」などによりアップサイクルを行い、ユニクロの古着として期間限定のPOP-UPストアで販売しています。

ユニクロでは、服が次に活躍できる場を創り出すことで、循環型社会に貢献するための取り組み「RE.UNIQLO」を立ち上げ、不要になったユニクロ・ジーユー・プラステの服を店舗で回収しリユース・リサイクルなど様々なプロジェクトを推進しています。これまでに、不要になったダウンを回収し、新たなダウンとして商品化を行う、リペア・リメイクを一部店舗で行うなど、循環型社会に向けた取り組みが推進されています。

ゴールドウイン「GREEN BATON」

ゴールドウインが手掛ける、アパレルの廃棄を減らし、ファッションロス・ゼロを目指すためのリセール事業として2022年7月に誕生したサステナブル・レーベル「GREEN BATON(グリーン・バトン)」。約2年でサイズアウトしてしまうと言われるキッズ製品の廃棄に着目した取り組みです。

「THE NORTH FACE」「HELLY HANSEN「Goldwin」のキッズ製品を対象にGOLDWIN直営店、GOLDWIN WEBSTOREで使用できるポイントと交換する形で買取をして、クリニーング・リペア・アップサイクルを行い、一部店舗やオンラインストアにて再販を行なっています。

「GREEN BATON」がユニークなのは、ワッペンなどでリペアする「リペアカスタム」、製品から使用できるパーツを集め、再利用して新たな製品をつくる「アップサイクル」などにより、「一点もの」として再販を行なっている点です。

「H&M Pre-Loved」

H&Mでは、2013年より自社製品に限らず古着回収サービスを行なっています。日本では、店頭で回収ボックスに入れると次回のお買い物に使えるクーポンがもらえるサービスをご存じの方も多いかもしれません。

H&Mでは、回収した古着のうち“そのまま着られる状態”のものについては、一部の国において販売を行なっています。アメリカではThredUp社と提携し「H&M pre-loved」という自社ブランドの古着を扱うECサイトを開設しています。また、バルセロナ・ロンドンの店舗においては自社ブランド以外のブランドを含めた古着を販売、カナダではReflaunt と提携し、CtoCでの販売を行うほか、ドイツとスウェーデンではH&Mのウェブサイトで販売を行なっています。2024年4月現在、日本ではまだ古着の再販は行われていません。

Chloé デジタルID

クロエは2023年2月より商品にデジタルIDを付与することで、業界初のインスタントリセール(即時再販)の取り組みを開始しています。デジタルIDによりプロダクトの個体識別ができるようになり「本物」であることが証明されるほか、素材や色などリセールに必要な様々な情報が登録されています。

これにより、スマートフォンからIDを読み取り、専用サイトで商品状態を選択・商品画像をアップロードするだけで、フランスのハイブランドリセールサイトのヴェスティエール・コレクティブから即座に価格提示を受けることができます。リセールに同意すると、クロエのオンラインショップまたは店舗でご利用できる割引券、ヴェスティエール・コレクティブで使用できる割引券、ユニセフのジェンダー平等プログラムへの慈善寄付の3つから引き換え方法を選択できます。デジタルIDには、商品の全製造工程のトレーサビリティ、リペアに関する情報なども含まれています。

https://www.chloe.com/jp/chloe/%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B9/subhome/sourcing_section

「Coachtopia」

循環型ものづくりに焦点をあてたコーチのサブブランド 「Coachtopia(コーチトピア)」。2023年にアメリカ、カナダ、イギリスでスタートし、現在は日本でも展開されています。

コーチの製造工程で生まれた端材から作ったアップサイクルレザーや、廃プラスチックなど、リサイクル、再利用、再生可能な素材を用いて環境負荷を軽減したアイテムを展開しています。製品にはチップが内蔵されており、製品に使用されている素材の環境負荷など、製造工程に関する情報を固有アイテムごとに確認することができるようになっています。

ユニークな試みとして、環境活動家、デザイナー、アップサイクラーからジャーナリスト、映画製作者、起業家、ファッション愛好家など環境問題に関心が高いZ世代を中心とするメンバと"Coachtopiaベータ コミュニティ" と呼ばれるコミュニティを形成し、新しいアイデア、素材、コレクションを共に開発しています。

おわりに

海外のみならず、国内においてもリコマースに取り組んでいるブランドが増えつつあります。環境への取り組みと新しいビジネスの創出に向け、ブランドごとに独自のリコマースのカタチを提案しています。今後も新たな事例が登場すると思いますので、定期的にアップデートしていきます!


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