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メルカリUS「リユースレポート2023」からみるアメリカのリユーストレンド

こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。
今回は、メルカリUSが発表した「リユースレポート2023」( https://merc.li/whyz7C5wa )を解説していきたいと思います!


メルカリUS「リユースレポート2023」サマリー

  • アメリカのリセール市場は2031年までに3,250億ドル規模に

    • 2022年から2031年までのリセール市場の87%の成長は、小売(非リセール品)市場の成長予測の2.4倍と急成長

  • アメリカに住む成人の約8割が過去12ヶ月以内にリセール品を購入した経験あり

  • 2031年までに最も成長するカテゴリーは靴。次にメンズアパレル、キッズ・ベビー用品と続く

  • アメリカの家庭に眠る“かくれ資産”は総額約5,600億ドル(約6兆1,600億円)、1世帯あたり約4,300ドル(約47.3万円)という結果に

  • リユース品を購入する理由の第1位は「お金の節約」。若年層では「宝探し感覚を楽しめる」、「環境負荷を軽減できる」という理由が他世代より高い傾向に

  • 次の12ヶ月でZ世代の約3割は買い物予算が増え、3人に1人はリユース品の購入がもっと増えることが期待される結果に

加速するリセール市場の成長

昨年、アメリカにおけるリセール市場の規模は1741億ドルでした。2025年までには2,260億ドルに成長し、2031年までには3,250億ドルに達する見込みとなり、リセールは消費支出の中で急速に成長しているチャネルの一つとなっています。2015年から2031年までの成長率は257%、2022年から2031年までの成長率は87%と予測されており、また、2022年から2031年までのリセール市場の87%の成長は、小売(非リセール品)市場の成長予測の2.4倍になります。

市場拡大を裏付けるように、過去12ヶ月間において、約8割のアメリカに住む成人がリセール品を購入していることがわかりました。購入者を世代別に見ると、ミレニアル世代が最も多くのリセール品を購入し、その次にX世代、Z世代と続きます。

また、リセール市場の構成をみると2026年までに、オンラインがリセール市場の大部分を占めると予測されています。オンラインチャネルは引き続き好調であり、2022年には15.1%成長しました。一方、オフラインチャネルの成長率は2022年には4.1%となり、2021年から10ポイント下がりました。また、現在オンラインが占めるリセール市場は43%ですが、2031年までには、市場の55.6%に拡大すると予測されており、成長率は141%になる見込みです。

カテゴリー別に見ると、2031年までに最も成長するカテゴリーは靴。次にメンズアパレル、キッズ・ベビー用品と続きます。

消費トレンドからみるアメリカのリセール市場

グローバル的に先行き不安定な経済状況の中で、消費習慣の変化も見えてきました。アメリカに住む約4割の人が節約のために安価な製品に切り替えたり、約6割の人がディスカウントやお得な情報を探し回ったりする一方で、約8割の人は既にリユース品を購入していることがわかりました。

アメリカの家庭に眠る“かくれ資産”は総額約5,600億ドル(約6兆1,600億円)、1世帯あたりに換算すると約4,300ドル(約47.3万円)になります。日本の家庭に眠る“かくれ資産”は総額推計約44兆円、1世帯あたり平均“かくれ資産”は約73.5万円になります。※1日本とアメリカでは算出方法が異なるため、単純に比較はできませんがどちらの国でも多くの“かくれ資産”が眠っていることがわかりました。

約7割の消費者は、お金を節約するためにリユース品を利用しています。一方で若年層においては、持続可能性を重視してリユース品を購入している人も見受けられました。また、Z世代では宝探し感覚でリユース品を探したり、トレンドのアイテムをリユース品で購入する傾向がみられました。

次の12ヶ月でよりリユース品を購入する理由としては、約8割の人が「お金を節約するため」と回答。約3割の人は「環境への影響を軽減させるため」、約2割の人は「サプライチェーンの問題 / 商品の不足のため」と回答しました。その他、次の12ヶ月でZ世代の約3割は買い物予算が増え、3人に1人はリユース品の購入がもっと増えることが期待されます。

※1  「2021年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”調査」 国民一人あたり“かくれ資産”は平均約34.5万円 https://about.mercari.com/press/news/articles/20211214_kakureshisan/

おわりに

アメリカに住む成人の約8割が過去12ヶ月以内にリセール品を購入した経験があるという結果は、アメリカでは買い物をする際の選択肢としてリセール品が当たり前になっていることが伺えます。リコマース総研が7月に日本全国の18〜69歳、1,030名に行ったインターネット調査では、リセール品を活用したことがある人は61.5%でした。その内購入経験者は34%、世代別では、ミレニアル世代(37.3%)、バブル世代(36.1%)、Z世代(31.1%)とアメリカと同様な順になりました。メルカリUSの調査にもあるように、Z世代がよりリセール品を購入するためには、経済的メリットだけではなく、ヴィンテージ品や目新しいものに出会えるという、リセールファッションならではの楽しさなどを伝えていくことも大事ですね。

▼主席研究員

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