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「アパレル消費とリコマース市場」に関する調査を実施 〜情報リテラシーが高い人ほど「リユース・レンタル品活用率」「買い物への満足度」が高い結果に〜

こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。

サマーセールの時期になりましたね!みなさんは、今年のサマーセールで何かファッションアイテムを購入されましたでしょうか。

リコマース総研の調査によると、今年サマーセールを「利用した/利用予定がある」人は29.9%という結果になりました。この10年で「服を買う時は、バーゲンやセールを利用することが多い」人の割合は53.2%から47.4%に減少しており(※1)昨今のセール離れの兆候が伺えます。

ファッションを楽しむ手段として、定価やセールで買って所有する以外にも例えば、リコマース市場を代表するリユース、レンタル、サブスクリプションなどの選択肢があります。フリマアプリの浸透などによって消費者自身が値段を決めたり、レンタルやサブスクリプションの活用によって所有ではなく保有したりと変化する消費体験において、消費者はどのような買い物体験に満足度が高いのか。セール品、ファストファッション、リユース、レンタルについて調査し、世代別、情報リテラシー別に詳細を掘り下げました。

※1 博報堂生活総合研究所「生活定点 1992-2022」
https://seikatsusoken.jp/teiten/answer/455.html


調査結果サマリー

アパレル購入に対する意識

  • セール品を購入した際の意識は「安く買えて満足した」が57.3%で最多。一方、「デザインに満足した」「品質に満足した」の回答割合は2割未満。~ セールは価格への満足度が高いものの、品質やデザインに対する満足度が低い傾向 ~

  • 42.7%が「特定の決まったブランドで買うことが多い」と回答。世代別では、Z世代が最多の56.3%。~Z世代は“失敗しない消費”を求める傾向からか、特定のブランドから購入する傾向~

アパレルの購入体験別にみる満足度の差

  • 2,000円の買い物を、3つの異なるお買い物体験で比較検証を実施したところ、「1. ファストファッションで2,000円のTシャツを購入し、1シーズン着て捨てる」に満足と回答した人は19.3%

  • 「2. 6,000円のTシャツを購入して1シーズン着た後、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」に満足と回答した人は40.8%。世代別ではZ世代が最多の61.2%

  • 「3. 定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」に満足と回答した人が47.1%という結果に。世代別ではZ世代が最多の60.2%~ 最終的に同等の出費(2,000円)でも、短期間で使い切るより「リセールバリューを考慮して買ったモノ」や「リユース品の購入」の満足度が高い傾向 ~

アパレル購入と情報リテラシー

  • 「情報リテラシーが高い」と回答した人は、そうではない人と比べて、「​​セール品やアウトレット品を主に買い、定価ではほぼ買わない」「リユース品やレンタル品を活用している」「自分はよい買い物をしていると感じることが多い」を回答する割合が高い。また、リセールバリューを意識した買い物への満足度が高い傾向も明らかに~情報を収集・取捨選択することで、“定価で買う”以外にもリユース・レンタル品を活用するなど、”所有””利用”に多様な選択肢があることから、自らの買い物に対する満足度も高いことが伺える~

アパレル購入に対する意識

セール品を購入した際の意識は「安く買えて満足した」が57.3%で最多である一方、「デザインに満足した」19.0%、「品質に満足した」15.6%と回答割合は2割未満に。 セールは価格への満足度が高いものの、品質やデザインに対する満足度が低い傾向が伺えました。

42.7%が「特定の決まったブランドで買うことが多い」と回答。世代別では、Z世代が最多の56.3%と、Z世代は“失敗しない消費”を求める傾向からか、特定のブランドから購入する傾向が伺える結果になりました。

アパレルの購入体験別にみる満足度の差

2,000円の買い物を、3つの異なるお買い物体験で比較検証を実施したところ、「1. ファストファッションで2,000円のTシャツを購入し、1シーズン着て捨てる」に満足と回答した人は19.3%。「2. 6,000円のTシャツを購入して1シーズン着た後、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」に満足と回答した人は40.8%。「3. 定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」に満足と回答した人は47.1%がという結果に。
リユースを活用した、「2. 6,000円のTシャツを購入して1シーズン着た後、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」、「3. 定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」の体験ではいずれもZ世代の満足度が最も高く、それぞれ61.2%、60.2%という結果に。
最終的に同等の出費(2,000円)でも、短期間で使い切るより「リセールバリューを考慮して買ったモノ」や「リユース品の購入」の満足度が高いことがわかりました。

アパレル購入と情報リテラシー

「情報リテラシーが高い」と回答した人は、そうではない人と比べて、「​​セール品やアウトレット品を主に買い、定価ではほぼ買わない」「リユース品やレンタル品を活用している」「自分はよい買い物をしていると感じることが多い」の回答する割合が高い。また、リセールバリューを意識した買い物への満足度が高い傾向も明らかに。情報を収集・取捨選択することで、“定価で買う”以外にもリユース・レンタル品を活用するなど、”所有””利用”に多様な選択肢があることから、自らの買い物に対する満足度も高いことが伺えました。

おわりに

セール品の購入は金銭的メリットを感じやすい一方で、デザインや品質への満足度が低いことがわかりました。また、ファストファッションで安く購入し使い切るより、リユースを活用した買い物体験の方が満足度が高いこともわかりました。生産者が決めた価格で消費者が買う(所有する)という時代から、レンタル、サブスクリプション、リユースなどアパレルを楽しむ選択肢が増えた現在では、スマホネイティブなZ世代を中心に、うまく情報を収集し、その時々のニーズに合わせて選択肢を使い分けることで、同じ出費額でもより満足度が高い買い物体験が今後広がっていくのではないでしょうか。

▼主席研究員

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