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伊豆伊東高校ビジネスプラン発表会

今回は静岡県立伊豆伊東高等学校のビジネスプラン発表会に、昨年に続き2回目のご招待を頂きました。1年を通してアドバイザーとして授業やメールなどで意見を交換し、プランの作成に協力させていただきました。その成果を拝見することが出来ると思い、以前より楽しみにしておりました。高校生が考え、作った発表がどの様になったのか御覧ください。

「ビジネスプラン・グランプリ」とは
日本政策金融公庫が主催する高校生ビジネスプラン・グランプリです。
「活力ある日本を創り、地域を活性化するためには、次世代を担う若者の力が必要で、日本政策金融公庫は、将来を担う若者の創業マインド向上を目的に、全国の高校生および高専生(1~3年生)を対象としビジネスプランを競う全国大会です。」
一部抜粋「高校生ビジネスプラン・グランプリ

伊豆伊東高校の発表一覧

■観光ビジネス グループ
①『伊東に来たら、ぐり茶だら?』
②『Twinkle Sea』
③『伊東商店街活性化計画』
④『Instagram で伊東を救おう!』
⑤『もっと熱海!(熱海市在住生徒による熱海市に関する発表) 』
■地域戦略論 グループ
①『ITO ミラクル観光株式会社~人手不足の課題、お埋めします~』
②『全国に広げよう!ヤングケアラーの輪』
③『世界からIT人材が集まる“風呂フェッショナルタウン ITO”!』
④『伊豆伊東レンジャーZ ~単身高齢者と一緒にポイントゲットだZ~』



『全国に広げよう!ヤングケアラーの輪』

発表者の一人「平松美紅」さんには年の離れた兄弟がおり、両親が共働きのため、家事や兄弟のお世話など行っている、いわゆるヤングケアラーです。
その中でも平松さんが1番負担に感じているのが食事の面倒とのことでした。
食事の面倒自体が嫌いな訳ではなく、毎日することで自分の時間や休日など自由が限られてしまう悩みを抱えておりました。支援は少しづつ広がっていて、全国に子ども食堂が広がってきています。しかし曜日や時間が限られるなどまだまだ利用が限定的なのが実情で、こうした現状や平松さんと同じ悩みを抱えるヤングケアラーを支援したいという思いが、今回のビジネスプランへ繋がった事が伺えました。


発表内容

私達はヤングケアラーのために「株式会社ヤンケアフレンズの輪」を立ち上げ子ども毎日食堂を運営したいと考えました。

子ども毎日食堂とは
ヤングケアラーに食事を提供したいという飲食店は、 当社に加盟店として登録をし、ヤングケアラーを支援したいという飲食店利用客に1口100円のチケット「ほんのチケット」を購入してもらいます。チケットが10枚溜まったら、 子供1人に無料で食事を提供する仕組みとなります。加盟店は寄付金を原資とするため、金銭的負担は無く、寄付者はメリットとして、寄付に応じて加盟店からドリンクなどの無料サービスが受けられます。

このビジネスモデルがうまくいくかどうかを検証するために、地元飲食店にご協力をお願いし、実証試験を行いました。

協力店舗内で「ほんのチケット」の販売を開始したところ、23日間の実証実験で200枚ものチケットに支援をいただくことができました。

集まった寄付金を基に、子ども食堂を3回行い合計26人の子供たちが集まり、子供たちはもちろん、飲食店や寄付者の方からも大変好評でした。実証試験の成果としては、ネットニュースで私たちの取り組みを知った一般市民の方々から寄付金が送られてきたり、複数の地元飲食店からぜひ加盟をしたいという問い合わせがあるなど、 予想を超える反響がありました。

運営を行うには安全面や、収益面などで課題も残っておりますが、この仕組みを全国に広げていき、市役所や学校が把握できていない隠れヤングケアラーを見つけ、ヤングケアラーの輪を大きくしていきたいです。


『世界からIT人材が集まる“風呂フェッショナルタウン ITO”!』

こちらのグループではシャッターが閉まったお店が増えていることがキッカケで、人口減少や若者の流出について考えていました。それと同時に市でも同じような悩みを抱えていて、市役所ではサテライトオフィスの誘致に力を入れており、補助金や制度を設けているとのことでした。しかし関心はあるものの実際に誘致までは繋がって居ない現状の中で、難しい課題ながら自分の育った地の今後を考えてプランに臨んだ事が伝わりました。


発表内容

私達はどんな課題があるのか知るために、まず実際に検討しているIT企業にお話を聞くことにしました。検討企業から伊東では3つのポイントがあると伺うことができ、「温泉」「人材」「物件」この3つを上手くマッチングすることで伊東ならではのメリットが生み出せると考えました。

「温泉」
全国的に有名である日本三大温泉の一つ「伊東温泉」に入浴が出来る温泉入り放題チケット

「人材」
伊豆伊東高校では、情報科があるため、生徒たちに向け必要なIT技術を指導

「物件」
多くの地元不動産会社から情報を得られる場の提供

この3つのポイントを実現できる会社として「風呂フェッショナルタウン ITO」を設立します。

風呂フェッショナルタウン ITOでは、IT企業へのマッチングイベントを開催します。 各不動産会社から物件の紹介動画、伊東の魅力発信動画を見ることで、伊東をより深く知ることができます。さらに、マッチングイベント後に見学会への参加することで、実際に伊東を見て回ることが可能になります。

次に、温泉についてです。 日本三大温泉の1つである伊東温泉が入り放題になる特典がつけば、地方進出を考えてくれるIT企業の方も増えると考えました。温泉入り放題チケットやお食事割引チケットの特典をつけることにし、伊東に来た1人1人にメリットを持たせることで、より良い環境が作れると考えました。

最後に、地元高校生に向けたIT寺小屋の実施についてです。私たちが通う伊豆伊東高校の生徒の中には、 地元に就職先がないことから、卒業後の進路を県外に決めてしまう人が多くいます。しかし、地元に就職先ができたらどうでしょうか。伊東に移転したIT企業が寺小屋を開いて、高校生に向けてIT技術を指導することで、高校生のIT技術の発展につながります。さらに、IT企業が高校生を直接雇用することで、将来へのリクルートにつなげることができます。費用は「風呂フェッショナルタウン ITO」負担で、気軽に参加することができ、より高度なIT技術を学ぶことができます。

地元不動産会社とサテライトオフィスを検討しているIT企業を繋げることで、ITの人材不足と地域の人口減少を解消でき、伊東の魅力が伝わると嬉しいです。


まとめ

今回発表されたどのプランもよく考えられており、すべての発表を紹介したいところですが、私が特に注目した2つのプランを紹介させて頂きました。今回プランを作成した高校生は3月で卒業となり、進学や就職となります。生徒の皆さんは、これからも多くの挑戦や経験をしていきますが、さまざまな困難を乗り越えて今後どの様な活躍をして行くのか、とても楽しみです。

リアルインベントでは伊東に限らず地方課題に対して取り組んでおり、地方採用をはじめ地方支社の設置、地方企業との協業に力を入れております。今後もこの様な活動を通じて地方創生を実現できるように邁進してまいります。

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