若いうちからアドテックに登壇して良かった3つのこと
ちょうど10年前の2012年のアドテックで初めて登壇させていただいた機会から10年が経過し、自分なりに少し振り返ってみました。
私はサイバーエージェントに2006年に入社した時、同社でインターネット広告代理店部門が最も大きく、私もそこに配属されました、当時の私はインターネット広告産業の端くれ(いや、端くれ の中の端くれ、だったに違いない) の私にとって周囲の情報収集は以下の実践者である先人達の個人メディアや書籍であった。
お三方とも当時お会いしたことない、広告やマーケティングの仕事に関わるの雲の上のような存在で、広告代理店やメディアやプラットフォームなどの知見や実践経験のある方がブログを書いてくれ、当時サイバーエージェントは勢いはあるものの、人材は20代中心で若いためまだ経験が深いとは言えず、リスティング広告やリターゲティング広告が出たばかりであり、メルマガ広告も全盛期で、上記のメディアは広告やマーケティングに関わる様々な視点や知見を追体験させていただくには本当にありがたい存在であった。
そんな中、アドテックが日本で初開催したのが2009年。アドテック自体もどんどん進化していますが、当時のアドテックはまさにアドテクノロジーの見本市で、様々な最新テクノロジーやベンダーのブースがあり、正直感動しました。ブースの写真を撮ったり各社のパンフレットをもらって、家で復習した。
普段話ができないような先人や有識者達の登壇ばかりで、サイバーエージェントからは役員くらいしか登壇しておらず、業界の重鎮といわれるような40-50代の方々の登壇も多かった。
私が初めて登壇したのは2012年。
ご縁あって、最初の登壇は20代で登壇させていただき(おそらく当時一番若造だったのでは?)、昨年までで累計7回の登壇機会をいただいてきました。
若いうちからアドテックに登壇して良かった3つのこと
1. 一次情報を元にした視座や視点の広がり
広告やテクノロジー、マーケティングに関わる様々な方々の立場の話をアドテックの登壇機会を通じて、日常的な仕事や取引の利害関係なく、フラットに意見交換や議論できるので、視点や視座が広がると思います。モデレーターをすると、更にそれが広がるように思えます。モデレーターは慣れるまでちょっと大変でしたが(汗。まだ試行錯誤ですが。
一次情報というのがポイントで、ネットや本で見ただけではない、実際の震源地である一次情報に近いというのもポイントです。
2. 学び続け、実践し続けること
アドテック全体のテーマ設定は毎年進化し、故に私の登壇セッションのテーマも変わります。原理原則は大きくは変わらないかもしれませんが、市場は動き続けるので、学び続け、実践し続ける必要性があります。個人的には、単なるしゃべり芸人にならぬよう、学び・実践し・結果を出すことによって自分自身をアップデートし続けることが大事かな、と思ってます。
3. 会社を超えた同志が増える
同じテーマや課題で登壇者同士で議論を深めることで、考えや課題の共感領域が増え、会社を超えて同志が増えると思ってます。ただ単に人脈が増えるとかではなく、同じテーマや課題に対して議論をするということがまた良いと思ってます。一緒に登壇した人だけではなく、スピーカー待合室での会話や、会場でもいろんな人と会えます。そこでのちょっとした会話もけっこう大切にしています。
登壇を聞くことができるのはカンファレンスパスにお金を払って参加されるフルカンファレンスパスの方のみなので、もちろん中途半端なことはできないということが前提にはなりますが、私の原体験ではベンダーや広告代理店側の若手はモデレーターで揉まれるのはお薦めします。お恥ずかしながら、自分がまさにそうでしたが視点が狭義な状態で提案をしてしまっている市場が加速している感が否めないというのはあります。広告主側の更に深い現状や課題の理解促進にもつながりますし、そのテーマや市場について改めて考え、学ぶ機会になり、より良いマーケティングやプランニングなどの価値がが世の中に増えてくるのでは、と思ってます。
モデレーターはセッションを回すために、そのテーマについては理解や予習しなければいけませんし、参加者のお話しや会場の雰囲気を見て臨機応変さも求められます。
私は自分のストレッチのためにも、毎年できるだけ異なるテーマのセッションに登壇させてもらうようにしています。
それでいうと広告主側もですかね。今後は経営戦略の方やCFO/CHROなども登壇が増えてくると面白いなぁ、と個人的には思ってます。
以下これまで登壇させていただいたセッションタイトルと、なんとかありものの写真や画像。
ad:tech 2012 THE モバイル革命:モバイル/タブレットにおけるブランドマネージメント戦略とは アドテック
スマートフォンのアプリの活用やスマートフォンを活用したマーケティングコミュニケーションをしている会社は当時はまだ多くなく、私はサイバーエージェントグループのスマートフォンに特化したマーケティング子会社であるCyberZに在籍していましたが、まだまだ黎明期につき、もちろん答えなどあるテーマではなく、自分自身にとってもありがたい初回の機会でした。
ad:tech kobe osaka kyoto 2017 デジタルマーケティングとブランディングの融合
デジタルを活用した広告やマーケティングの勢いが出てきて、YouTubeなどの動画広告活用も積極的になり始めたあたりから、この手のテーマは増えてきたように思えます。今もなおありますが。
私は気の利いたことはたいしてできませんでしたが、スピーカーの皆様のおかげで人気ランキング1位も取れて、これは嬉しかったです。
ad:tech Tokyo 2017 AIが変える顧客体験
2016年から私もイスラエル発のAIを活用したマーケティング・インテリジェンス企業Datoramaに参画したとはいえ、この登壇者見ていただくとわかると思いますが、日本のマーケティングや広告領域のAIにおける先駆者達です。正直このテーマでこのスピーカー達の中モデレーターをやるというのはかなり緊張感がありました(汗)登壇前にAIについて改めて学びましたし、各スピーカーの方々のオフィスに伺い、みなさまのお人柄、仕事内容、AIについての考え方などを事前にインプットさせていただきました。
ad:tech kobe osaka kyoto 2018 今気づかないと失敗するーカオスな情報から、正しい気づきを得るマーケティング・インテリジェンス
モデレーターが2回目となり、登壇者を少し選んでみたいというリクエストを事務局の方に相談したところOKとのこと。毎回大丈夫か、何人可能か状況次第では変わると思うのですが、以前からとても話したかったクレディセゾンの磯部さんと、当時資生堂で多数のブランドを様々なチャネルを活用していながら、統合的にマーケティング・インテリジェンスしている中條さんにお声がけ。磯部さんからの推薦でバリューズ後藤さんにもお声がけいただきました。みなさん東京が拠点にも関わらず、関西でのイベント参加にご快諾感謝でした。
ad:tech 2018 アドフラウド15%!?広告の透明性と検証を各ステークホルダーがどう課題解決するか?
日本でも2016年くらいからアドフラウドとアドベリフィケーションへの意識も変わり、そこに対しての取り組みや議論も増えてきました。特に以下のP&G社のニュースやNHKのネット広告の闇という放送あたりで、広告従事者の注目度が変わったように感じます。
そんな中のタイミングで、この面々でのセッションは少しヒヤヒヤしましたが(笑)、なかなかエキサイティングで生々しいセッションとなり、私も勉強になりました。
そんな時は、終わってからアドテック会場の東京国際フォーラム近くで打ち上げが一番です。
ad:tech Tokyo 2019 マーケターはAIをどう操り、企業の成長につなげるのか
またAIのテーマが私に回ってきました。かつ今回は1名参加できなかったのですが、海外勢が当初は2名でした。どうやってモデレートするか、新しいチャレンジがありましたが、それぞれのスピーカーさんのバックグラウンド、着眼点も異なり、私自身が勉強になってしまいました。
ad:tech Tokyo 2020 優秀なマーケター確保の秘訣とは
HRに関わる、採用や組織創りがテーマです。最近”People”関連のテーマも増えてきました。それぞれの立場や役割、会社のフェーズや状況も異なる御三方と私の意見も含め、議論を深めさせていただきました。
この後も懇親会しましたが、写真は残念ながら撮り忘れ。
ad:tech Tokyo 2021 BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いはどこにあるか?
アドテックにBtoBマーケティング要素が入ってきたのは少し珍しいのではないでしょうか?日本は広告やマーケティングというと、ビジネス規模こそBtoBは多いものの、広告やマーケティング関わる従事者の人口的にもトピック的にもコンシューマー向けなことが多い印象なので、BtoB要素が入ってくるのは個人的に嬉しかったです。
日本にアドテックを誘致し、私に2012年の最初の登壇の機会をくれた、アドテックを運営するComexposium japan株式会社(旧dmg::events)の元社長の武富さんには本当に感謝です。
最近はシリコンバレーでのチャレンジもしているようで、以下のnoteも更新しているみたいで、引き続きどんどん先に行く人なので、引き続き私もまだまだ前に進めねばと、刺激になってます。
4月15日から公式スピーカー募集開始したようです。ぜひ若いうちに応募をしてみることをお薦めします!(以下公式アナウンス転載です)
若いうちから、とタイトルで記載しましたが、年性別国籍関係なく、意思がある人はどんどん登壇して、またそこで新しい価値が創出できると良いのではないか、と個人的には思ってます。
■番外編
2011年はad:tech New Yorkにも参加しました。今の時代はオンライン上でグローバルカンファレンスも増えましたし、10年前と比べると状況もだいぶ変わったとは思いますが、当時の私にとって海外のカンファレンスで受ける刺激といったらカルチャーショックでしかなかったです。むしろ、日本だけで仕事して、狭い視野でやっていた自分に大反省でしたし、少し自信を失いかけましたが、それもまた反骨精神になりました。
2012年のad:tech New Delhiに行こうと飛行機に乗ったら、中国で飛行機の遅延で1-2日立ち往生して、インドに行けず結果上海空港でとんぼ帰りになったのは良き思い出(笑
久々に海外のカンファレンスで刺激を受けに行きたい今日この頃です。
以下当時のad:tech New Yorkの雰囲気。
少しでも関心のある方はぜひアドテックの会場に足を運んだり、スピーカーエントリーをおすすめします。
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