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映画『天気の子』感想

予告編
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 本文中で「公開時期が~~云々」と述べていますが、公開当時(2019年)の感想文なので、あまり気にしないでくださいー。


よもやま話


 この映画の感想は書こうかどうか悩んだんですよね。『君の名は。』(あの時は「ああ、佐田啓二が出てるやつでしょ?笑」とか言って話をはぐらかしてたなぁ……)のヒットもあってか世間で話題になり過ぎちゃって、各メディアで幾度となく特集されて、公開前にも関わらず「余計なお世話」ってぐらいに作品の情報をバンバン出してくるし、もうお祭り騒ぎでした。

 そしてひとたび公開されれば、映画評が片っ端から取り沙汰され、作品内のトリビアがネット記事上にまで溢れ出す。「あの雨は放射能の恐怖のメタファーで~~」「自由意志の尊重が~~」「美しい街並みや天気の描写が~~」……。いやいや、もう何も言うこと無いよ笑。

 だからちゃんとした話(今までの感想文も真面目だったかどうか定かではありませんが)を読みたい方はネット記事を漁ってた方が良いんじゃないかと。

 映画に限らず、何かしら作品に触れた後の感情を言葉にするのって意外と疲れるもの。世間にはプロアマ問わず、五万と意見が転がっていますから、誰かしらが自分の意見を代弁してくれてると思いますよ、きっと。


 さて、盛大な言い訳も終わったので述べていきます。「言うこと無い」からこそ、言わなくても良いどうでもいい事を言える最大のチャンスですしね笑。まず、公開時期(7月19日)に、都心が7月らしからぬ長雨に見舞われているという、物語の内容とリンクする偶然。そして劇中では都市伝説などを扱うそんなオカルト話(雑誌の仕事)が動いているという、またしても偶然。この奇妙な重なり合い一つだけを取ってもインパクト大。ここ数年、天候による被害があちこちで出ているから必要以上にはしゃぐのは憚られるべきだとは思いますが、これはもう「新海誠監督、もってるな」と思わざるを得ません。


 何より東京の街並み。山手線沿線に詳しい人なら、それだけで楽しくなるぐらい緻密に描かれています。内容が天気に絡んでいるだけに、俯瞰というか少し高い視点から東京の街並みが映ることも多かったけど、何てことない普通の道とかの描き方があまりにもリアル。「そうそう、目白駅降りてすぐのところにこの階段あるよね」「そっから高田馬場方面に歩いていくとちょっとした下り坂があってね」といった「あ、ここ知ってる!」という楽しみがあります。道に詳しい人ほどそんな瞬間が多くあるんじゃないかな? 普段の通勤通学の際、ずっとイヤフォンしてスマホをイジっているだけだと気付けない魅力かもしれません。

 映像の美しさも然ることながら、雑踏、雨などの日常の音も混ざっているから尚更です。でもまぁ流石に全部は分かりませんでしたけど、メイン級ではないちょっとした横道の景色も楽しめる東京観光ツアー感だけでも、観て損はない。むしろ絵が綺麗過ぎてリアル以上。何とも思っていなかった道をほんの少しだけ好きになれます。今まであまり理解できなかったけど、作品のファンたちが「聖地巡礼」と言ってあちこち行脚してスポットを崇拝して回っている気持ちがちょっぴりわかった気がします。


 結末に関しては監督がインタビューでも答えている通り、人それぞれだと思います。ただ二人の関係についてだけ言えば、違う形も見てみたかったなぁ、なんて。「どうかこの二人は結ばれてほしい」とか「幸せになってほしい」「報われてほしい」と思いながらも、結局は上手くいかないパターンも好きなんです。ボーイ・ミーツ・ガール、んで、ハッピーエンドってのは素敵ですけど、ちょっと切ないまま終わる方も捨て難い。
 昔の新海監督の作品ってそんな感じの結末が多かったけどなぁ……。また作ってくんないかな。


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