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映画『きっと、うまくいく』感想

予告編
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過去の感想文を投稿する記事【96】

 明日、10月20日(金)にWOWOWにて放送予定の本作。

 本文中でも述べていますが、主演を務めたアーミル・カーン氏のことを知るきっかけにもなった一本です。『PK』とか『ダンガル』も面白かった覚えがあるのですが、そっちは感想文書いていないんですよね……。

 いい機会だから観直してみようかしら?


あと、ちょうど良さげなサムネ画像があったので「みんなのフォトギャラリー」から拝借させて頂きました。


怯える背中を優しく押してくれる言葉。もう怖いものなんてない


 日本に届いた時にちょっと話題になったらしい本作は、それまで多くの人々が持っていた「兎にも角にも踊ってナンボ」というインド映画へのイメージを払拭するには十分過ぎる程の高評価を勝ち取り、これを機にボリウッドの認知度も高まった、まさしくインド映画史を大きく変えた1本、なのだそう。とはいえ、やっぱりダンスシーンはあるのね笑。


 一部、物語が停滞とまでは言いませんが、ピア(カリーナ・カプール)とのダンスシーンは長く感じちゃいましたけど、邦題の基にもなっている『All Izz Well』のダンスシーンは素晴らしかったと思います。お気に入りはシャワールームでのシーン。白色ベースの壁に映える個室の赤い扉や濃淡様々な色のポリバケツ、生徒たちが腰に巻いているバスタオルまでがカラフルで、画面全体の色彩バランスが良く、観ているだけで気持ちが良い。

さらに大量の放水で気持ち良さげにはしゃぐみんなの姿、そして歌詞の内容も相俟って、まさしく青春の男子学生たちのエネルギッシュさや真っ直ぐさ(それとバカらしさ笑)が溢れ出ているミュージカルシーンになっています。

その後のキャンパス内のあちこちで踊るシーンも同様。一人一人では地味な服装ながら、画面全体として生徒たちの私服や小道具の色のバランスが良いし、晴天の下、木々も青々としていて、これだけでとても明るい気持ちにさせられる。


 ……だからこそ、このシーンの締め括りには驚かされた。とある生徒が作ろうとしていたドローンの原形とも言える機械を完成させ登場させたことで、曲調とのギャップと同時に、成功と挫折というギャップをも生み出していたのだと思います。そのおかげで、あの締め括りの一コマが二つのギャップによる衝撃を持つ一コマへと変貌している。


 この一連の件にも表れていますが、本作のキーワードとなるこの言葉は単なる綺麗事ではないのだと作品を通して教えてくれる。「なんとかなるよね」なんて楽観的な言葉ではなく、本作の舞台で言えば勉学や出世のため、前進する者に立ちはだかる見えない恐怖と戦うための重要な言葉なのだと。その重さが、ラストシーンの清々しさにも繋がるに違いない。



 原題を直訳すると『3バカ』になるらしいこの映画は、その3人組1パーティを主人公にした物語として観るのも面白いのですが、ファラハーン(R・マーダバン)やラージュー(サルマン・ジョーシー)と同様の目線、つまりランチョ―(アーミル・カーン)という一人の男の魅力に良くも悪くも踊らされる者の視点で観るのも面白いと思います。ローワン・アトキンソンを爽やかにしたような感じの外見のこの男は、イケメンだとかブサイクだとかそういう次元ではない力を持った顔をしている。目力なのかな?表情なのかな?よくわかりませんけど、『All Izz Well』を歌う時の茶目っ気たっぷりの表情なんかミスター・ビーンそっくりに見えるかもしれません笑。彼の出演作は本作を機に日本にもちょくちょく届くようになったとか。これはチェックするしかない。


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