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映画『最高の人生の見つけ方(2019)』感想

予告編
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 2008年公開、ロブ・ライナー監督の『最高の人生の見つけ方』のリメイク作

 なんでも、6月4日からHuluにて配信開始されているそうですー。


人間の死亡率は100% だからこそ明るく考えたい


 「ももクロってすげぇなぁ」というのが本作の一番の感想です笑。(ごめんなさい、詳しい人へ。何か誤情報があったら教えてください→)キッスとコラボしたり、フォークルと対バンしたり、エンタメやら楽しい事に対する節操の無さが良いと思います。これから感想を書いていきますが、本作一番の見どころは吉永小百合さんがももクロのライブに参加しているシーンかもしれません。



 冗談はさておき、本題。
 モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンが主演したロブ・ライナー版は良かった。近年は名作映画のリメイクが増えている(以前も書いたかな……?)から、「リメイクする」というニュース自体に対して驚きは少なかったですけど、まさか日本でリメイクするとは思わなんだ。映画に限らず、元の作品が好きだと「好きが故に他のは観られない(受け付けない)」という声は一定数存在するみたいです。僕も多少はその気持ちがわかります。けど、映画に関してだけは雑食で良かったと心から思います。それこそ、節操無しにね。


 いわゆるバディ系作品は特にですが、二人組というパッケージはその組み合わせの妙も然ることながら、その二人の凸凹感、或いは差異、違いといったものが凄く大切だと思います。子供と大人、白人と黒人、富豪と貧者etc. 広い括りで言えば男と女、飼い主とペットなども同様。もしくは障がい者と健常者、ポジティブとネガティブ、ヤンキーとゴスロリ等々。過去に色々な作品で様々な形で描かれてきました。

 そして、本作におけるそれは、セレブと庶民、独り身と家族持ちというロブ・ライナー版と同じ要素に加え、性格における対照性、あとは年齢差とか。でも実は、一番の個性は身長差なんじゃないかと思っているんです。同じ日本人で、おまけに二人共がお美しい。そんな中で、シルエットだけでも簡単に認識できるエッセンスは作品の観易さに繋がっていたんじゃないかな。

 それだけではなく、細かい描写。例えば病室に居る二人に、陽の光が差し込んでいるシーンで、一方にのみ強めに光が当たることで彼女の姿が少し霞むというかボヤける。これによってどちらが先にこの世を旅立ってしまうのかを予期、暗示させていたり等々、随所に細かな描写はあるものの、そういった細かなことなど気に留める必要もないくらいに全体的に観易い作りだと思いました。



 ——「10年とか20年に1回くらい、“人間の死” についてちゃんと考える機会があった方が良いと思う」——

たしかインタビューか何かで犬童一心監督が仰っていたこの考えは、何故『最高の人生の見つけ方』をリメイクしたのかという理由と同時に、上記の観易さの理由にもなっている気がしてなりません。青春を謳歌する若者、思春期の学生たち等にとっては “最初の” ちゃんと考える機会となる作品になり得るし、或いは多くの大人達にとっては “改めて” ちゃんと考える機会となる作品にもなり得る。そしてそれを重く感じさせない仕上がりなのもまた良い。ロブ・ライナー版と比較すると家族への焦点の当て方が如実だったのも、同様の理由のためかもしれません。



 近年、いわゆる良作・傑作と評される映画はすべからく「驚きの展開」「多様性」「映画にする意味」「意義のあるテーマ」といったものが付随しているし、事実、そういうものが求められている気がします。それは僕も含めての話。でも、“ただただ良い話” ってのも映画にしたって良いんじゃないか、とも思っています。

さっきからなんか分析家・評論家チックな物言いで小難しくまとめようとしちゃっていますが、「人生って素敵だね」とか「人って美しいね」とか、シンプルな良い話や綺麗事を屈託のない純粋な気持ちで楽しむのも、物語を楽しむ際の醍醐味の一つ。映画通を気取る奴ほど、良いだけの話、素敵なだけの話の映画をコケにしてきません? 馬鹿にしやがって……。すみません、愚痴を零しちゃって。この前そんな奴に遭遇しちゃったもんでして。



(なにがあったんだ……。今となってはもう何も覚えていませんが、相当イヤな奴に遭遇してしまったんだと思います。)


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