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スーパーボウルMVPトム・ブレイディにみる新しい「柔軟性」の概念

先日アメリカンフットボールの優勝決定戦スーパーボウルが行われ、バッカニアーズが18シーズンぶり2度目の優勝を飾りました。



その立役者が史上最多5度目のMVPに輝いたトム・ブレイディです。



彼はアスリートとしてはベテランとも言える年齢の43歳にして未だトップレベルの活躍をしています。



なぜ彼はいつまでも高いパフォーマンスを発揮できるのか。



その秘訣は、おそらくトム・ブレイディがアルゼンチンの代替医療開業医であるアレックス・ゲレーロと10年以上をかけて作り上げたトレーニングプログラム「TB12 method」ではないかと思います。



TB12 methodはトレーニングプログラムではあるものの、全体性を持ったいわば「健康法」であり、トレーニングとコンディショニングのどちらも加味されたプログラムと言えます。



それだけでは他のプログラムと代わり映えしないのですが、TB12 methodではもうひとつ重要(これが一番重要)な、キーワードがあります。



それが『Pliability』です。


Pliabilityとは直訳すると柔軟性となりますが、普段我々が運動やトレーニングの際に用いる柔軟性とは違います。



その際に一般に用いられる柔軟性はFlexibilityやSoftnessです。



ブレイディはこのPliabilityについて、「生まれついての自然な柔軟性」を強調しています。



間は生まれながらにして柔軟性を持っており、少なくともある時点までは筋力より柔軟性のほうが優位なのです。



トレーニングをすることや日常生活は筋力を優位にしている他なりません。



したがってPliabilityは「体にかかる力を吸収して分散させるように体を教育していく」ことだとされています。



言い換えれば、柔軟性が外力に対する身体の防御システムとして機能することを目指しているのです。



このPliabilityがどんなものかというと「リズミカルに筋肉を収縮・弛緩させると同時に、長く柔らかくする、深層筋へのアプローチ」とされます。



アプローチのひとつを説明すると、イメージが出来る人は「対象者はアプローチされる筋を随意的に収縮・弛緩させ、施術者は徒手マッサージないしダイレクトストレッチをその部位に行う」といったものだと思っておいてください。



これには多少の痛みが伴うこともあります。



トム・ブレイディ曰く、脳は外傷的な出来事を記憶しているのであり、その記憶は意識的であれ無意識的であれ、動作や反応に現れます。



たとえば自転車で転けたときの痛みは、次は転けないようにするために体のコントロールを教えてくれるといったところです。



また自らの意識で全身の筋肉をくまなく収縮弛緩させるため、体のアンバランスに気づくことができます。



トム・ブレイディはこのPliability Trainingをトレーニングの前後に全身行います。



またバイブレーション機能のあるフォームローラーなども活用します。



このPliabilityですが現在トレーニングの世界で一種のトレンドとなっているキーワードFunctionalの次に流行るのではないかとされています。


そして今回のトム・ブレイディの活躍がそれをさらに加速させそうです。



今日はTB12 methodそしてPliabilityの哲学的な部分とその触りをご紹介いたしました。



もし興味のある方は、日本語版はありませんがAmazonに『TB12 method』の電子書籍が販売されていますのでご購入されてみてはいかがでしょうか。



一応、以下にリンクを貼っておきます。





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