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kisssellx のGorugeと申します。 主にこちらでは小説を書いていこうと思い…

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kisssellx のGorugeと申します。 主にこちらでは小説を書いていこうと思います。 たまにくだらないことも書きます

マガジン

  • 【小説】Recycle Mafia

    時代の変化に翻弄される若者がとある重大事件の犯人達と関係を持ってしまう 裏社会の人間との繋がりを持ちやがて「人間」のリサイクル業を営む話

最近の記事

Recycle Mafia #3-3 parallel world

目の前に迫る銀色の影。瞬間的に目の前が見えなくなっていた。 気が着くと、ベッドの上だった。 恐る恐る、包帯をはずし、鏡を見た。次の瞬間、涙が溢れた。 ナチは斜視の手術をしたことを思い出していた。 手術前は、まるで、自分だけが不幸を背負ったような顔をしていた。それが、簡単な手術で見事に蘇った。 手術後、今までの自分を恥じた。元通りの活発な生活に戻ろうとしても、戻れない自分にジレンマを感じた。 そんな自分が嫌で嫌でしょうがなかった。だから、久しぶりに会った、友達の誘いに乗った

    • Recycle Mafia 3-2 dark story

      数秒・・いや、数分・・・いや、数時間。 いったいどれ位時間が経ったか解らない。 気を失っていた。 首の辺りが重だるい。 辺りを見回すが、何もない。ただの部屋だ。どこだ?ここはいったい。 ふと、前歯が無い事に気が着く。殴られ前歯を折られたことを思い出す。 「あの野郎!」 歯と歯のあいだから、呻きに似た声が漏れる。いつか仕返ししてやる。 だが、ここはどこだ? そして、今どうなってる? 記憶を呼び戻す。 あの倉庫を出てすぐに、黒服の男たちに囲まれた。 あのイチとか言う奴らは逃げ

      • Recycle Mafia #3-1 outro(after the rain)

        1年後・・・ 月曜日 AM8:00 「おはよう!」 シンゴが事務所に入ってきた。ナチは「おはよ」とだけ言って、目はパソコンの画面と睨めっこ。 江東区木場のチョッと裏通り。 1階は店舗兼倉庫。基本的に作業場となっている。 2階は事務所兼溜まり場。寝泊りも出来るスペースとなっている。事務所内は清潔に保たれている。ナチは綺麗好きだ。 2階にある事務所は主にナチの作業場であって、パソコンが一台、プリンターFAX電話の複合機が一台、コンポ1台、あとはみんなで食事をするテーブル、椅

        • Recycle Mafia #2-16 make story

          老人は全て素直に語ってくれた・・・・とは思わないが、そう信じる以外3人に選択肢は無かった。 この場所に連れて来られた理由。 そもそも、この場所。それは、横浜の中華街のはずれにある巨大な中華飯店「桃源楼」は、横浜を拠点にする、中華マフィアの本部だ。 中華マフィアと言っても、上海、北京、福建、東北系、台湾、香港、と色々な勢力があるが、ここは今一番勢力がある福建マフィアの本部だ。 数年前までは、歌舞伎町を拠点とする、上海、北京の勢力が大きかったので、福建は池袋を拠点としていたが、

        Recycle Mafia #3-3 parallel world

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        • 【小説】Recycle Mafia
          24本

        記事

          Recycle Mafia #2-15(045)

          「老板(ラオバン)お連れしました。」 シンゴ達は中華レストランの奥の個室に通された。 老板とは、中国語で、「社長」という意味。 個室の入り口では、スーツを着た色黒のアスリート体型の、ヤクザというよりどちらかと言うとスポーツマン風の男2人がシンゴ達を迎えた。 部屋に入って驚愕した。 円卓を挟んで、真ん中の椅子にどっしりと座っている男、いや、老人。 「ラオバン」と呼ばれていた老人。 「オーナー・・・・?」 イチが言葉を漏らした。 黒いスーツを着た、先ほどのボディーガード2人は

          Recycle Mafia #2-15(045)

          Recycle Mafia #2-14 collect(893)

          撒いたと思った。 後方に見える車。気にしない事にした。きっと、関係ない。 インプレッサはそのまま大黒ふ頭方面に行くしかなかった。 大師の料金所を通過し、浜川崎で降りた。 この場所は平日はトラックで混雑しているが、日曜日の朝ともなれば、すいすいだ。 「!」 後方から二台スポーツカーの独特の野太い排気音が迫ってくる。 ピッタリ後ろに付いた。 ミラーをみて、絶望した。 GTRだ。 日産GT-R。スカイラインGT-Rの後継車 世界に誇る名車種。 交通機動隊も採用している。この車に

          Recycle Mafia #2-14 collect(893)

          Recycle Mafia #2-13 collect(逃走)

          日曜日の爽やかな朝に黒服。 完全に普通の人間じゃない。 893。 このワードしか思い浮かばない。 イチは、シンゴに視線を素早く飛ばした。シンゴはナチに同じ事をした。ナチの目は真っ直ぐシンゴの目を捉えた。 (逃げるぞ) この893どもが何者で何目的かは解らないが、身の危険が迫っているには変わりない。カトウは置いていくつもりだった。 最初の予定。 真美と明をまだ救っていない。ここでカトウを離したら振り出しだ。 ディスカスからのデータ回収がまだ終わっていない。 このまま捕まって

          Recycle Mafia #2-13 collect(逃走)

          Recycle Mafia #2-12 collect

          「やめろ!!」 何かに取りつかれたように、カトウの首に腕をからめたイチにシンゴが怒鳴った。 ふと我に返ったようにイチがその腕を緩めた。 「なんでだよ。こいつは俺がヤッてやる。後のことは任せろよ」 イチがシンゴをにらみ言い返してきた。 「ダメだよ。」 ナチが言った。 するとイチは腕を解き、悔し紛れにカトウの腰当たりを蹴って言った。 「そうだったな。で、どーするんだこいつは」 すると、カトウがニヤッとしながら言った 「ふん。どうせ、あんたら堅気だろ、なんだかんだ言っても

          Recycle Mafia #2-12 collect

          Recycle Mafia #2-11 attack 3

          玄関を開けるとすぐに上がり階段がある。 靴を脱いで、階段を上がる。心臓の鼓動が止まらない。 二階に着くと、廊下があり突き当りの部屋に入って行く。 冬なのに冷房がかかっている。乱雑にひかれた布団。端の方に盛り上がりがある。 恐る恐る布団をめくると、Tシャツ短パン姿の髪の長い女性が横たわっている。 明らかな異臭。敷布団には血が固まったどす黒いシミと茶色、黄色の恐らく糞尿や嘔吐した後シミがある。女性を仰向けにしてみると、見るも無残な顔面になっていた。 もはやどこが目か鼻か口か解らな

          Recycle Mafia #2-11 attack 3

          Recycle Mafia #2-10 attack 2

          餓鬼どもの溜まり場の公園から、トモの家までは車で10分かからない距離だ。 シンゴは、イチの話を聞くために一旦遠回りをしてから、ナチが見張りをしている公園に車を向けることにした。 ステアリングをにぎる手がかすかに震えているのが自分で解る。 少し広い小道に入って車を停車させて、シンゴが言った。 「さ、どういうことか説明してもらおうか」 「ゴメン。でも、俺なりの計算のうちなんだ。」 「予行演習ってかんじかな。いい意味で力が抜けて、良かったんじゃない?」 「まぁそうだけど、急に

          Recycle Mafia #2-10 attack 2

          Recycle Mafia #2-9 attack

          「寝れた?」 午前6時イチからメールがきた。 眠れるはずがなかった。緊張と興奮で体がガチガチで神経も高ぶっていた。 ただ、気持ちはいくらか落ち着いていた。 「寝れないよ。でも、肝心な時に電池切れになるわけにはいかないよね。ハルシオンあるから飲んで寝るよ。イチは寝れそう?」 「大丈夫。俺も薬あるから。じゃ、おやすみ」 シンゴは不眠症で心療内科に今でも通っているほど、寝つきが悪いのだ。 ハルシオンは処方された常備薬。 普段の倍飲んでやっと体から力が抜けてゆき、闇の中に引き

          Recycle Mafia #2-9 attack

          Recycle Mafia#2-8 approach

          金曜日 この日も爽やかな秋晴れ。 こんな日は、彼女と手をつないで、紅葉狩りにでも行きたい気分だ。しかしそれは叶わない。 そんな彼女もいないかわりに、周りにはむさ苦しい男ばかりだ。そして、狩るのは、もみじじゃなくて小汚い不良だ。人生損な役割ばかりを与えられるものだ。 この日、シンゴは群馬県富岡市の車工場からランサーを引き取り、上信越道から関越へ入り、少し渋滞していたが、外環へ入りそこから首都高で木場まで帰ってきた。 代車で使っていたとはいえ、走行距離は、5万キロ。

          Recycle Mafia#2-8 approach

          Recycle Mafia #2-7 last plan

          火曜日 澄み渡った青空。まさに秋晴れの朝を迎えた。 食欲の秋。運動の秋。読書の秋。芸術の秋。こんな爽やかなワードが並ぶのが普通の秋だが、シンゴ達の頭には、あのアキ。 朝から、どんより暗い気持ちと、逆に体を嫌でも突き動かす何かを感じていた。 昨夜話し合って、シンゴやナチはどうか解らないけど、少なくともイチは、何かすっきりするものがあった。 まだまだ、問題は山積みだけど、なんていうか・・・方向性がハッキリしたし、仲間が一つになった瞬間が昨日はあったからだ。

          Recycle Mafia #2-7 last plan

          Recycle Mafia #2-6 #third plan

          秋の夜風を背中に受けながら、小走りで駅に向かう。 いつもなら電車とバスで移動なのだが、今日は仲間を待たせているので、タクシーで行くことにした。深夜料金なので、結構高いが・・仕方が無い。それに今日聞いた内容をいち早く仲間に伝える必要があった。 駅前でタクシーに乗り込むと、「木場公園まで」とだけ伝え、シートに深々と座った。 夜の荒川を渡り、江東区に吸い込まれていく。 空は晴れていて、月が良く見える夜だった。 ふと、ipodを取り出し、[MURDER WAS The CASE]

          Recycle Mafia #2-6 #third plan

          Recycle Mafia #2-5 second plan

          人間の欲望は果てしない」 って誰かが言ってたっけ。 つまり生きるってことは、探求し続けることなのだ。 「生きる=DIG」 食べることだって、常に旨いものを探している。 寝るにしても、いかにいい眠りができるか、寝具の技術は進歩し続けている。 セックスだってそう。色んな器具や変態。多種多様なプレイがあるのだって人間だけだ。 どんなに、グーたらな人間でも、「いかに楽して暮らせるか」って事を探求しているし。 掘って掘って掘って、常に探しているのだ。 だから、行き着く先がいつも

          Recycle Mafia #2-5 second plan

          Recycle Mafia #2-4 first plan

          秋の夜の公園。 噴水前のベンチで、明はひととおり話終えると、安心したようで、ポロポロと涙をこぼした。 イチはそんな明の肩をそっと抱き寄せ、頭をなでてやった。 「よく今まで頑張ったな」 「安心していいぞ。」 とだけ言ってやった。が、何の根拠もなかった。 でも心に誓った。奴らを許さない。この町、いや、この世界には要らない。自分でも、背筋が凍るくらい冷徹な思考が背筋を這い上がった。 真美を想った。不憫というより、自分の大切な部分に土足で侵入して散々汚されて、最後に唾を吐いて笑い

          Recycle Mafia #2-4 first plan