自分も相手も大切にする自己主張~アサーティブネス
もしもわたしが、今よりもあと5%…
もしもわたしが、今よりもあと5%
人と人とは対等だと心から思えたなら…
相手の意見や意思、言いたいことを自分に言ってくれていいし、むしろよく聴かせてほしいんだよ…という自分の意思を、相手に対してもっと素直に、冷静に伝えることができるし、実際に言うことも聴くこともできるだろう
もしもわたしが、今よりもあと5%
自分に誠実になれたなら…
自分の取り組んでいることの内容や、それに対する思いや願い、そして現在の状況が見通しが、逐一、気軽に、話せるようになるだろう
そうできることは、自分がやりたいことがもっとやりやすくなることにつながっていくだろう
もしもわたしが、今よりもあと5%
自分に率直になれたなら…
自分のやりたいことをもっとすぐに実行・実践できるだろう
自分のやりたくないこと、優先度もしくは重要度、もしくは、その両方を下げていることに当たる頼まれごとや誘いを、自分の思いとともに素早く率直に断ることができるだろう
もしもわたしが、今よりもあと5%
自分の言動やケアに責任を持てたなら…
後味の悪い捨てゼリフだとか、売り言葉に買い言葉の応酬になるような、不毛なやりとりがなくなるだろう
また、自分からなくすように持っていけるだろう
そういうやりとりを余儀なくされたときに、自分が受けたダメージから回復することがもっと早まるだろう
また、ダメージを受けにくくなるだろう
わかりはじめたことがある。それは…
自分が不快だと感じることや、違和感があることを、如何に冷静に、穏やかに相手に伝えることが大切かということ(自分も大切、相手も大切)
自分が大切にされたときの感覚を、自分で充分に感じ、味わうこと
それはアサーティブであることが望ましいという実感につながっていく
そして
相手に対して、如何にして受容の姿勢を伝えられるか?
自分だけではなく、相手もアサーティブであってよいのだ、相手もまたアサーティブであってほしいのだという意思表示を如何にして伝えられるか?
アサーティブであることとは?
アサーティブネス(アサーティブであること)とは…
自分も相手も大切にする自己主張の姿勢
まず、私と対話する。
それから、相手と対話する。
そして、双方の共通の思いを満たす。
まずは、わたしから。
自分が適切かどうかを確認できるのは、自分の気持ちや考えだけである。
自分が変えられるのは、自分の選択と行動だけである。
その上で、結果として、相手を受け入れない選択、離別する選択もアリ。
◇
アサーティブネスは、人権運動と行動療法をベースとした自己主張のトレーニング。
どれだけ社会のしくみや法が整備されても、人の意識はそうすぐには変わらない。自分の、他人の、主張や言動や行動…それらを、社会の変化に頼るばかりではなく、かつ、他人や社会に抑え込まれるのではなく、どんな人であっても自分の主張をしてもよいという在りかたを実践していく取り組みであるとのことです。
お互いに思いや考えを伝え合うこと
相手を萎縮させることで事を運ぼうとする、
闘争的で攻撃的な『ガンガンちゃん』
自分を抑えることで事を運ぼうとする、
逃走的で受身的な『ヘナヘナちゃん』
状況や人を操作することで事を運ぼうとする、
操作的で作為的な『ネチネチちゃん』
コミュニケーションが困難になってしまう、自分の心のなかに居るこれらの『3つのわたし』。その『3つのわたし』を…
人やコミュニケーションの可能性を信じて、
主張し行動することで事を乗り越えようとする『イキイキちゃん』
自分にも、あなたにも、この人にもあの人にも、誰の中にも居るはずのその
『イキイキちゃん』を目覚めさせて、ついつい外に出て行きたくてうずうずしている『3つのわたし』をうまく手なづけていきましょう、ということ。
攻撃的でも受身的でも作為的でもなく、自分も相手も、お互いに思いや考えを伝え合い、よりよい着地点を目指そうとするコミュニケーションのありかたであり、スキル。
誰でも、自分のこころもちひとつで知っていき、実践することで身に付けられるもの。
気持ち・意思・姿勢が相手に伝わること
たとえば…
自分の中の当たり前の感覚とは違うものごとを目の当たりにして、
それはおかしいに決まっている!普通そうじゃないでしょ!
そう反射的に表に出すのではなく
まずはひと息、踏みとどまる。…①
ひとまず相手に確認してみよう。
そう考えて、確認してみる。きいてみる。…②
自分からの提案があれば相手に伝えてみる。…③
さらに、自分がどう感じているか、
考えているかも、相手に伝える。…④
こういうことがすんなりできることもあれば、どうにもできないこともあるでしょう。仕事の場では、とか、遊んでいる場でなら、とか、あの人に対しては、とか、この人だったら、とか。
自分の感覚では、上の ① と ② の流れは、相手との関係性によってすんなりできたりもするし、あまりうまくいかないこともあるし、全然できないことだってある。
ここができたなら、③ や ④ は、わりと自然にうまくいく感じがします。
そこからさらに、「相手の思いや考えもきかせてほしい」という意思を如何に相手に伝えるか。上手く伝えるというよりも、むしろ、そういう姿勢、気持ちそのものが相手に伝わるか。
それがいまの自分の課題だなあと思うのです。
アサーティブであるための【姿勢の4軸】
率直(具体的でシンプル)
誠実(偽りや操作がない)
対等(見下しも憐れみもなく、フェア)
選択への責任(人のせいにしない)
(参考文献1):
アサーティブであるための【11の具体的権利】
1.私には、自分の要求を言葉に表し、日常的な役割に縛られないひとりの人間として、物事の優先順位を決める権利がある。
2.私には、賢くて能力のある人間として、対等に、敬意を持って扱われる権利がある。
3.私には、自分の感情を言葉で表現する権利がある。
4.私には、自分の意見と価値観を述べる権利がある。
5.私には、イエス・ノーを自分で決めて言う権利がある。
6.私には、間違う権利がある。
7.私には、自分の考えを変える権利がある。
8.私には、「わかりません」と言う権利がある。
9.私には、欲しいものを欲しいと言い、したいことをしたいと言う権利がある。
10.私には、ほかの人の問題に責任を取らなくてもいい権利がある。
11.私には、人から認められることをあてにしないで、人と接する権利がある。
*.私には、自己主張をしない権利もある。
※太字の箇所は、自分で自分を縛りつけ、抑圧してしまわないために、特に重要で大切なところだとわたしが感じた部分です。
(参考文献2)11の具体的権利:
「ゆらっく」セミナーについて
以上は、石川県庁と金沢港の間あたりにある小さなコミュニティハウス「シェアマインド金沢」で、月に一度開催されているセルフケアセミナー
世界が変わる 学びと対話『ゆらっく』
の、2018年8月5日に開催された講義内容とレジュメからの引用に、自分なりのアウトプットを織り交ぜてまとめさせていただきました。ありがとうございました。
◇
ゆらっく とは…
ゆらっく:『あなた(You)』が、『楽に』なれる場所
「自分としっかり共にいる」
「自分の声に耳を傾ける」
「自分とゆっくり対話する」
講師は福多唯(ふくだゆい)さん。
女性護身術「Wen-Do(ウェンドー)」の、日本人初、かつ唯一のマスターインストラクターとして、女性専用のセルフディフェンスの普及活動に取り組んでおられます。企業や教育機関などでの教育・講演も多くの実績を残されています。
セルフディフェンスから派生した「いろんなパワー(外圧)に対する心的防御」として、日頃の自分の心持ちを整理する、また、自分の内なる声に耳を向けて、自分の思いや感覚を大切にすることが、日頃のセルフケアとしてスムーズに取り入れられるようになるためのセミナーでもある、とわたしは捉えています。
参加者数人レベルの場だからこそ、自分の思いを言葉にして話すことで、他者に共有してもらいやすい。それと同時に、自分自身にもはっきりと意識づけていくことができるようになる。そういう意義をも感じるのです。
日常のこころのセルフケアのヒントをやさしく知って体験することができる。それにはうってつけの場であると思います。
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