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【DTM】初心者の作曲できない問題を解決する②【調性イメージ(長調編)】

【Roadroller Sound Studio】(@RBYYYYYYYYYYYYY)です。

 ↓(前回の記事)


次は作曲手順について考えてみましょう。

作曲方法は大まかに分けて2つあります。

・「メロディー先行型」
・「コード先行型」

個人的にはまず「コード先行型」で慣れることをオススメします。

初心者の方はメロディーが先行して浮かびがちですが、後から伴奏(コード)を肉付けしていく方法は「リハーモナイズ」と呼ばれる高度な作業と同じであり、ある程度の音楽理論や知識、音楽センスがなければ調和の取れていないコード進行になりかねないからです。

「じゃあどのコードから始めれば良いの?」というお話になりますよね。

ギターやピアノの経験者であれば、おそらく好きなコードというものがあるでしょうから、一発目に好きなコードを持ってくるという基準があるかも知れません。

まだまだ初心者で特段好きなコードが決まっていないという方、好きなコードはあるけど作曲するのにどのコードから始めるか決められないという方に向けて、今回もオススメの割り切り術をご紹介させて頂きます。


それは "調性(Key)のイメージ" から決めるというもの。

クラシック音楽に馴染みのある方はピンと来るかも知れませんが「調性(Key)」には現代に至るまでイメージが語り継がれております。

その表現は著者によってさまざまですが、今回の記事では全ての長調(Major Key)のイメージをまとめてご紹介させて頂きます。


【 長調(Major Key)の調性イメージ 】

ハ長調(C Major Key)#♭×0

・明るく真っ白なイメージ
・開放的
・本能的(大胆、力強い、勇壮)
・子どもっぽい
・単純(素朴)
・陽気
・安定感のある調


ト長調(G Major Key)#×1

・春のイメージ(※ 秋の晴れた空と言われることも)
・明るく朗らか
・無邪気
・若さを感じる調
・誠意を感じる調(人を惹きつける雄弁な性格)
・冥想、優美
・静かで田園的、ノスタルジーを感じる調
・甘く、喜びを感じる調
(※ 小編成で室内楽的な曲が多く、大規模な作品はあまりないとされる)


ニ長調(D Major Key)#×2

・神聖的、宗教的
・祝祭的、歓喜
・精神の高揚
・華やかで高尚な調
・雄大
(※ ファンファーレでよく用いられる)


イ長調(A Major Key)#×3

・カンタービレ(表現豊かな調)
・歌謡的でメロディアス(親しみやすい)
・陽気で牧歌的
・明るく響く調
・輝かしく希望に満ちた調(それでいて非常に攻撃的)
・純粋、快活、誠実
・情念の表現に向いている調とも言われている


ホ長調(E Major Key)#×4

・のどかな自然のイメージ
・輝かしく温和で喜ばしい
・高貴な調
・騒々しく喧嘩しているように感じる調
・とても美しいセンチメンタルな響きも存在する調
・繊細で不均衡ゆえに線の細い流麗さをもたらす調
・絶望に満ちた、死ぬほどの悲しみを比類なく表現できる調
・恋の調
(※ 一方では希望のない恋愛を表現するのに最も適していると言われる)


ロ長調(B Major Key)#×5

・オーケストラでは珍しい調(ポップスでは多い)
・型崩れしたユーモア溢れる調(耳障りと言われることも)
・都会的なサウンド
・積極的にアプローチすると大胆な誇りを感じる調
・消極的にアプローチすると清潔な純粋さを感じる調
・敵対的で硬質な調(不快と言われることも)
・絶望的な性質を持っている調


嬰(えい)ヘ長調(F# Major Key)#×6

・オーケストラでは珍しい調(ポップスでもそこまで多くない)
・不可解、煩わしい印象(おそらく楽譜が読みにくいため)
・南国風の晴れやかな明るさを持つ
・黒鍵の多いエスニックな響きを伴う
・色彩豊かな、色鮮やかな調
・柔らかみを持つ調
・特にロマンを感じる調


嬰(えい)ハ長調(C# Major Key)#×7

・ハ長調(C Major Key)より典雅で明朗で輝かしい

※ ほとんど使用されることのない調
使用する音の種類だけで言えば、変ニ長調(Db Major Key)で事足りるため、変ニ長調で作曲されることが多いというのがその理由(※ 他の調から転調する場合はその限りではない)

ラスサビだけKeyを半音上げる手法がJ-POPでも多用されていますが、サビが(C Major Key)だった場合は、この半音上げ転調でさらに煌びやかにすることが出来るので、初心者の方にもオススメです。


ヘ長調(F Major Key)♭×1

・新緑、初夏のイメージ
・牧歌的、田園的、自然的風景を感じる調
・優しさが溢れる調性
・純粋で柔らかく広大な雰囲気を持つ
・低い音を多く使うと痛々しい感情が出せる調
・緩やかな曲では荘重(それでいてあまり宗教的ではない)
・荒れ狂ったような雰囲気を持つ調
・人によってはこの世で最も美しい感情を表現できると言われている


変ロ長調(Bb Major Key)♭×2

・明るく軽やかでいて、安定感もある調
・子どもらしい無邪気さも併せ持つ調
・素朴な田舎の風景も感じられる
・壮大な音がしっかりと鳴る、奏でられる
・ゆったりした曲調に最適(静かで瞑想的)
・柔和な輝かしさがある調
・非常に気晴らしに富んだ、壮麗で楽しい調


変ホ長調(Eb Major Key)♭×3

・最大限に美しくエロティックで本能的
・耽美な調
・俗物的なものに陥りかけるほど素直な調
・女神を彷彿とさせる調
・柔和な中にも悠然さを持ち、響きが充実している
・華麗で荘重最大の変化の表出に適すると言われている
・真剣な感情を表現するのに適した調
・壮大あるいは英雄的な気分を表すのによく使用される
・青空の調とも言われる
・残酷さや厳しさを悲愴感を表す調
・真面目で訴えかけるような性質を持つ調


変イ長調(Ab Major Key)♭×4

・死、墓、朽ち果てること、審判、永遠というテーマを感じる調
・夢想的で繊細な調
・抒情的で壮麗な調
・生き生きとして新鮮な調
・欲望を満たす贅沢な高級感をもたらす調
・なめらかで華麗な響きだが、どことなく土俗的
・一部では人間の本能に最も近い調とも言われている


変ニ長調(Db Major Key)♭×5

・少し恥ずかしがりで、その本質は美しいヴェールに包まれている
・柔らかく波打ち、たゆたう調
・奥ゆかしく、深いところにある愛を感じる調
・魅惑的な調
・深刻な雰囲気、荘重な楽曲に合う
・長調の中で最も暗く痛々しい調の一つ、病的なロマン性も併せ持つ


変ト長調(Gb Major Key)♭×6

・不可思議なイメージ
・柔らかい音の響き
・華美
・時々、割り切れない不条理さを感じさせる
・嬰ヘ長調(F# Major Key #×6)より深い感情を示す


変ハ長調(Cb Major Key)♭×7

※ 調号はフラットを7つ使い、さらにダブルフラットが頻発するため、ロ長調(B Major Key)の方が調号が少なく読譜が容易であり、変ハ長調(Cb Major Key)が持たない同主調・下属調・下属調平行調を含めて関係調をすべて持つなど利便性が高いため、通常はロ長調(B Major Key)が用いられ、変ハ長調(Cb Major Key)はほとんど用いられない。

※ シューベルトは特にピアノ曲においてこの調を好んだ様で、ソナタなどの主調で使う事はなかったものの、曲中の転調部分で使っている例を若干見る事ができる。

(Wikipedia より引用)



まとめ


他にも調性のイメージとして "色" というものもあるのですが、僕にはあまり「色聴」という感覚がないことと、他の方のイメージの色と僕の中での色のイメージが合わないものもあったため、今回は割愛させて頂きました。

初心者の方が作曲できない理由のひとつとして、どんな曲を作りたいかを自分の中で定められないというものがあると思います。

そんな時に今回の調性イメージを利用して「こういう曲を作ってみたい」という足がかりにして頂けたら幸いです。

最初のコードは何を鳴らせば良いか分からないという方は(※ 必ず!)自分が良いなと思った調の "ⅠM" "ⅠM7"(トニック)から始めるようにして下さい。

ちなみに僕の場合は先に曲のイメージが浮かぶので「より説得力が増す音、調は何か」という順番でこの調性イメージを確認することが多いです。

次回は短調(Minor Key)の調性イメージをまとめさせて頂きます。


次の記事 →【DTM】初心者の作曲できない問題を解決する③【調性イメージ(短調編)】


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