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猫が飼えたら(7)

駆け込んで眼科

幸いにもここは大都市東京。眼科はコンタクトレンズ処方の御用達店みたいなとこも多いので、すぐに夜も診察してくれるところが見つかった。半ばパニックになりながらしどろもどろで症状を話す私に受付の人は落ち着いて対応してくれ程なくして診察が始まった。
先生にこれまでの経緯を話し、簡易のアレルギー検査を受けることになった。10〜20分ほど待つだけで検査が完了すると、種類の猫の皮膚にアレルギーありの反応があると言われた。
花粉症が酷くて春先に鼻血が出るとか、食べ物のアレルギーで好きな食べ物が食べられなくなったとか、身近な人では確かにあった。でも、他人事だと思ってたのに。
ガーン、ガーン、ガーン…。

それからというもの

猫アレルギー体質の人間という絶望的な宣告を受けた私は、猫と会わないで幸せに暮らしましたとさ…とはならなかった。
頻度こそ控えたものの、猫カフェに行くのは辞めなかった。念入りに手を洗って入室、猫たちにはひとなでかふたなでにとどめる。触った後は自分の顔や服には触らない、退室の時も念入りに手を洗う。はたから見ると楽しめてるか疑問に思うかもしれないけれど、自由気ままに走り回ったり寝転んだり、おもちゃで遊ぶその姿を見るだけで、ふふふと思わず頬が緩んであっという間に1時間経ってしまうのでした。
ああ、可愛い猫。私が猫アレルギーなばっかりにこれ以上仲良くなることは出来ないんだ。嗚呼と嘆いていた。あの日までは。

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