兎野 今日子

ただの猫好きです。

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  • 猫が飼えたら

    私は猫を飼えるのか、見守ってほしいです。

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猫が飼えたら(1)

猫との出会い 子供の頃、実家の近所に昔ながらの駄菓子屋さんがあった。 そこは1匹の茶トラの猫を飼っていて、名前はもう覚えていない。田舎なので、当然のように放し飼いをしていて、よく我が家の庭にも遊びに来ていた。それどころか、我が家の中にも度々上がり込んで日向ぼっこしていた。 皆さんは、自分の子供の頃の写真で特に覚えている1枚というものはあるだろうか。私はどのアルバムに残っているかわからないその1枚を思い出す。その名前を忘れてしまった猫が我が家に上がり込んでいるときに撮った私

    • 猫が飼えたら(7)

      駆け込んで眼科 幸いにもここは大都市東京。眼科はコンタクトレンズ処方の御用達店みたいなとこも多いので、すぐに夜も診察してくれるところが見つかった。半ばパニックになりながらしどろもどろで症状を話す私に受付の人は落ち着いて対応してくれ程なくして診察が始まった。 先生にこれまでの経緯を話し、簡易のアレルギー検査を受けることになった。10〜20分ほど待つだけで検査が完了すると、種類の猫の皮膚にアレルギーありの反応があると言われた。 花粉症が酷くて春先に鼻血が出るとか、食べ物のアレル

      • 猫が飼えたら(6)

        初めての猫カフェ 上京してすぐ、初めて猫カフェに行った。今までは、庭を歩いたり、そこら辺に自由にいた猫にほとんど会わなくなって自分の中の「猫」が不足していた。猫に触りたい、いろんな表情をする猫を大量に見たい。ねこねこねこ…猫に飢えていた。 主要駅にはだいたい猫カフェがあるぐらいには店舗の数も増えてきていた頃で、適当に通りがかりにあった店舗を訪れた。いる、色んな種類の猫がいっぱいいる。毛が長いの短いの、白、黒、茶、サビ…とても興奮した。そして、触りまくった。やっぱり猫は可愛い

        • 猫が飼えたら(5)

          支えなし よく不調から立ち直った人の話や、劇的ビフォーアフターみたいな話の後ろには支えてくれるパートナーや、なんでも受け入れてくれる家族がいたみたいなことがあるけれど、そういう時私は少しがっかりする。なーんだ、1人じゃないじゃん。誰かがいるじゃん。だからだよって、本人の努力はまるで無視して思うことがある。というか、結構思う。 完全に卑屈な考え方だけれど、心身共に低調でパートナーもいない私にとってはかなり重要な話だった。心が元気じゃないと親身になって相手をしてくれる友達さえも

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        猫が飼えたら(1)

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        • 猫が飼えたら
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          猫が飼えたら(4)

          我が家の問題(2) 夏が終わって、涼しくなった頃、たたたっとかける音が天井からするようになった。明らかにネズミかなにか小動物の足音。幸い部屋の中で見ることはなかったので、安心していたらある日他の部屋の住人が訪ねてきた。 「あなたの部屋から下の部屋に水漏れしている」と告げられ、驚愕した。私の部屋では水漏れは全くなかったからだ。 1日水道の栓を閉めて、配管からの水漏れがないことを確認し、次はどこだとなり洗濯機をどけ盤を外したら、そこには大穴の空いた配管があった。いびつに削られた

          猫が飼えたら(4)

          猫が飼えたら(3)

          私でもできる仕事 穏やかとダメダメの波がありながら、なんとかこうにか波を乗りこなして週に2、3日ながら働くことができるようになった。 久しぶりに会った先輩が紹介してくれたのは、データ入力の仕事で、単調で悪いねと言ってたけど、単調じゃないと気持ちがぶれた時続けられないと思っていたので、好都合だった。 渡されるデータを一つ一つ確認して打ち込んでいく。イヤホンをつけて音声も確認するので、オフィスの一角で他の人とはほとんど喋らず黙々と確実にこなしていく。 先輩は別の仕事をしているの

          猫が飼えたら(3)

          猫が飼えたら(2)

          「自分がどうしたいか」 私はしばらく「自分がどうしたいか」について考えることができない状態だった。職場の人間関係、終わらない仕事量で心も身体も壊し、なにが好きでなにが楽しいか全く考えられない時期が続き、起き上がることもしんどい、ただただ時間を空費する日々でした。 あんなに好きだったバラエティ番組も、笑いを体感するのが楽しかったお笑いライブも、ただただ空虚に感じて、当初感じていた楽しさが自分からは遠い存在になっていた。 メンタルクリニックの先生は「今はゆっくり休みましょう

          猫が飼えたら(2)