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れい (碧井 零)
2022年6月3日 11:53
”とんがり帽子のアパート。妻を亡くし我が子との生活。好き嫌いの多い子だ。どうやら海苔巻きは気に入ってくれたらしい。具のない海苔巻きに醤油をつけて食べている。それからライスボールもいい。カツオのふりかけを混ぜて作ると、よく食べてくれる。皮膚も弱いから、あまり油物は食べさせられない。この間、店で買ったドーナツはよくなかった。食べたら直ぐに搔きむしって大変だった。どうやら、あの店は古い油を使っているら
2022年5月16日 16:51
警察というのは疑うのが仕事である。常々、彼は言うのだった。「警察がなんだ。馬鹿警察の言うことは聞くな。」馬鹿警察とは全く的を射ていると思う。 彼女が去って真っ先に後ろ指を指されるのは彼だった。「愛情が足りなかった。」「かわいい姪を大事にしなかった。」親戚というものは、そういうものなのだろう。被害者に徹している方が都合がいい。そうして彼の兄までもが弟に疑念を持ったとき、彼は自身の家族
2022年5月8日 17:59
母の日に想いを寄せて… あの日、彼女は言ったという。「あなたと一緒になれないなら私は死ぬ。」彼は何と答えただろうか。私には分からない。 彼は病気だ。ベーチェット病という。リウマチ症状や粘膜の炎症などを引き起こす。膠原病というものの一種らしい。咽頭に潰瘍ができてしまうと息ができなくなる。その通り道は小さな縫い針の先よりも細いのだという。 喉には穴を開けており普段はガーゼで塞いでいた。