認知症の方に伝えるべき事とは?
新型コロナウイルスによって
外出する機会が減った結果
認知症を患うリスクが大幅に上がっているとの
情報が週刊誌に出ていたそうです。
認知症は運動不足によって
発症するリスクは上がります。
もし新型コロナウイルスを過剰に恐れて
この先も家から出ない生活をしていけば
間違いなく認知症は増えるでしょう。
しかし予防的に散歩などの運動を
取り入れたとしても
認知症を完全に防げるわけではありませんし
大事なことは
認知症を
自分も周りの人も
どう受け入れていくか?
と考えることだと思います。
認知症の方に伝えること
確かに
認知症になりましょう!
という人はいませんし
認知症にならないように予防しよう!
という情報が溢れているということは
世の中に
〝認知症になりたくない〟
という思いが
あるからでしょう。
それは全然わかるんですが
だからと言って
認知症の方を
哀れみの目で見たり
健常な状態ではない
という捉え方をするのはどうかな?
と思います。
認知症の方との対応に
苦労されている方は
家族や医療関係者でも確かに多いです。
否応なく進行する認知症の症状に
怒りを覚えることもあるでしょう。
家族の方などは
「なぜ私がこんな思いをしなければならないのか」
と絶望し、ご本人や
手を差し伸べてくれる人々をも
拒絶するようになってしまうこともあるそうです。
家族が抱える辛さは
これからどうなるのか?という
「先が見えないこと」という不安が
家族のストレスを増やしていくのです。
医療者も
認知症の方に暴力、暴言を吐かれたり
本人のために何かをしてあげたい!
とお世話をしたとしても
拒否されたり存在を否定されることもある。
病気のせいだとわかっていても
ストレスを感じてしまうことは
少なくないんですよね。
認知症の方に何を伝えるべきか
徐々に認知症の方に対して
苦手意識を持ってしまうこともあり
自分にストレスを与える
敵対した存在だと認識し始めることもあります。
すると認知症の方が
自分の意向に沿わない言動があった場合
正論などで強引に言い負かせようとしたり
することがあります。
そうすると認知症の方は
恐怖を感じ不安になるから
2次感情として怒りを表すようになる。
介助をしているつもりが
認知症の方にとって
介助者が恐怖の対象でしか無くなってしまいます。
看護学生さんと認知症について勉強する際にも
お伝えしていますが
大事なことは認知症の方に対して
〝自分達は仲間であること〟を伝えることです。
認知症の方と触れ合う機会が少ない方には
あまりピンとこないでしょうが
認知症はただ物忘れが激しいという
病状だけではありません。
記憶する力が弱くなった結果
今までできていたことができなくなり
自尊心が傷付けられる。
そして介護され始めると
さらにその自尊心が低くなっていく。
その不安によって次第にイライラさせたり
怒りを生み出してしまう。
しかも前頭葉の機能も落ちてくると
徐々に感情のコントロールが難しくなり
認知症の方はさらに怒りやすくなります。
認知症が進行すると
言葉もうまく使えなくなってくることがあるので
余計に感情的になってしまう。
すると周りの人たちは
認知症の方と
必要以上に関わろうとは
思わなくなります。
認知症の方は人の感情の変化など
雰囲気などの変化に
敏感になると言われています。
次第に認知症の方はさらに
周りの方々を恐れていきます。
結果として孤立していると感じやすくなるんですよね。
認知症の方と接する時
入浴のお手伝いや
おむつ交換のために来たのではなく
〝あなたに会いに来た〟ということを
言語的、非言語的に伝えることが
大事になるんです。
つまり用事のために会いに来たという
わけではないことを伝えるんですね。
なので当たり前ですが
認知症の方に向かって
「俺たち仲間だよ!」
と本当に言うわけではありません。(笑)
は?
と言われておしまいです。😂
敵が味方か値踏みしている
誰だってどんな状況に置かれても
自分を肯定してくれる人に
心を開くものです。
当たり前です。
でもその当たり前を
実行できる人はなかなかいません。
認知症の方がご飯を食べなかったり
薬を飲まなかったりすると
「せっかく作ってくれたご飯なのに
なんで食べないの!」
「薬を飲まなかったら病気が悪くなるよ!」
と否定的な対応をしがちです。
ところが認知症の方なりの
意見や判断があるから
その行動に出るわけです。
なぜご飯を食べなかったのか
薬を飲まなかったのか
という行動の裏に
どんな思考があったのか
聞いてみたり
想像してみるのです。
すると
ご飯が美味しくなかったり
他に食べたいものがあったり
家に帰るつもりだからご飯を食べなかったり
不安でたまらなくて、死のうと思っているから
ご飯を食べなかったりするかもしれません。
もしくは
自分のことを否定的な態度で
接している人が飲まそうとしている薬なんて
ロクな薬じゃないはずだ!
と思っているのかもしれません。
心を開ける相手なのかどうかを
値踏みしていることも多いのです。
そして案外駄々をこねるような
言動がある時というのは
相手に心を開いていて
甘えているということだってあるのです。
なので私は認知症は
対人関係の病という側面が強いと思っています。
自分の思いを上手く相手に伝えることができない
コミュニケーションの問題が
その人を孤立させてしまう病だということです。
認知症ケアにおいて
ユマニチュードという概念と技術があるのですが
その概念が〝優しさを伝える〟というものなんです。
ユマニチュードの技術を取り入れて
コミュニケーションをとると
劇的に認知症の方の症状が改善したという
ケースが多々あります。
具体的な方法については
とても書ききれませんが
大事なのは
〝あなたにとって私は敵ではありません〟
ということをちゃんと認知症の方に
伝えることです。
そのためには技術の前に
相手の関心に関心を持っていくこと。
これを自分の決まりごととすることが
重要になります。
何があっても怒らない!
と頑張るのではなく
〝なぜこの人はこういう行動に出たのだろう?〟
と相手の関心に関心を持つことで
次第に相手を心から受け入れられるような
マインドになります。
つまりその時点で
相手を変えようとするのではなく
自分を変えることができて
お互いのストレスを軽減することができる。
それが認知症ケアの
大事なことではないかな?と思います😉
サポートしていただけると相当喜びます😭