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ヒトよ、ネコと和解せよ -11-

「クロォォォ!シュータァァァァ!!!」

 セクト・マキナの両腕が前方に掲げられると、肘からロケットめいて射出、鋭い爪を展開しながら高速回転し文福茶釜ネコマゲドンの茶釜部分に激突!

 火花を散らしながら茶釜装甲を削っていくがネコマゲドンの身震いによって軌道を逸らされ、両腕はジェット噴射と共にセクト・マキナの元に戻っていく。

「ニャゴオオオオオオオオオン!!!」

 ネコマゲドンの咆哮と共に後部九尾が孔雀の様に広げられ、先端から奇怪な紫色のビームがセクト・マキナへと放たれる!着弾寸前に機体全体に展開される不可視の仮想装甲によってこれを拡散!

 巨大な影が一進一退の攻防を繰り広げる間、こっちはこっちでカメラの視界を埋め尽くすメカネコ兵器の群れへと立ち向かう。

 道路を占領したメカマネキネコタンクはミサイル放射と大砲による砲撃、サイボーグメキシコライオンのチームは直接飛び掛かって装甲を直に削ってくる上、新型のウイングネコキメラはレーザー光線でもって執拗にこちらへとダメージを与えようとしてきた。

「全くもって厄介極まりないな!」

 市街地封鎖のために機体出力の大半を空間封鎖に費やしているうえ、その閉鎖された空間もそこまで広いスペースを持っている訳ではない。よってネコ特有の俊敏さに加え、イナゴ禍に匹敵する密度で殺到するメカネコ兵器軍団は今の俺に取ってはかなりの脅威だ。

 だが例え制限された戦闘力であっても、ネコの群れに対抗できないとあってはパルプスリンガーの名が廃る。

 俺はイクサの身をひるがえさせ、空中前転跳躍。巨大質量が跳躍するベクトルの勢いでたかっていたサイボーグメキシコライオン達を振り払うとメカマネキネコタンクの砲撃陣へと着地。柔軟なるニンジャめいて足払いでメカマネキネコタンクを回転薙ぎ払い!

 にゃごにゃご鳴きながら宙を舞うメカマネキネコタンクの群れの中、黒騎士の頭部こめかみに存在する、レーザーファランクスでもってウイングネコキメラの猛襲を迎撃。煙を上げて墜落していくウイングネコキメラ群。

『何をてこずっている!』

 俺の奮闘に怒り心頭なネコマゲドンが見せた隙へ、セクト・マキナは体操選手の様に空中に飛び上がると前転から落下の勢いを乗せた飛び蹴りを放つ!

「フライ・ザ・ネコキィィィィック!!!」

 巨大人型兵器の全重量を乗せた強力な一撃が、ネコマゲドンの茶釜上部、先ほど削られた部分へと突き刺さる!くるぶしまでめり込み破断する茶釜装甲!

『ええい!忌々しい胡乱な人間共め!』

 念話でもって憤怒の念をこちらにぶつけながらネコマゲドンの茶釜は変形!四肢をはやし陸戦形態へと変形した!怒りのままにセクト・マキナへと掴みかかる!

『何故こうもしゃしゃり出て私の邪魔をする!?そんなに低俗な人間共が大事か!』
「そりゃ大事さ!でも俺は何よりお前のために戦っているんだ!」
『ふざけた事を!』

 ネコマゲドンがネコクローをひらめかせればセクト・マキナの獅子エンブレムに断裂が走り、セクト・マキナの反撃の飛び膝蹴りがネコマゲドンの茶釜にさく裂すれば除夜の鐘めいた轟音が鳴る。

「俺は大真面目だ!お前がこのまま暴走すればお前と同じ思いをするネコが沢山出るんだぞ!お前は本当にそれでいいのか!」
『私はそれをこそ望んでいる!』
「ふにゃーおーん!」
「この分からず屋め!何が何でもここで止めてやる!」

 組み合った二体の頭部が衝突音を奏で密着する!その様はまるでプロレスラーがガンをつけ合うがごとしだ!

【ヒトよ、ネコと和解せよ -11-終わり:-12-へと続く

第一話はこちらからどうぞ。

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