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ヒトよ、ネコと和解せよ -4-

 直後に飛び掛かってきたサイボーグメキシコライオンに向け迎撃射撃。メタリックに輝くサイボーグメキシコライオンは俺の放った銃弾を噛みとめ、バク宙しながら何事もなかったかのように着地する。

 そう、サイボーグメキシコライオンだ。うつろな男女によって起動したソウルアバターは人間ではなく、付き添っていたキジとサバの二匹をコアとして顕現、それが今飛び掛かってきたサイボーグメキシコライオンである。

「うひょおおおおおおおおっ!!!?」

 俺の背後で絶叫があがった。M・Nがアフロをはためかせながらもう一匹のネコが乗るソウルアバター、メカマネキネコタンクがぶっ放すミサイルから必死に逃げ回っているのだ。建築資材に突き刺さり派手に爆発が起きる。

「R・V!ちょっとなんか武器ないかな!?」
「こいつを使え!」

 なおも俺に飛び掛かろうとそれこそ大型猫科肉食獣その物の構えで威圧してくるサイボーグメキシコライオンを銃撃牽制しながら、俺は背負った刀袋をM・Nの方に放る。彼はニンジャめいて空中回転しながら刀をキャッチし、即座に抜刀しながら着地した。

「これ高くない?使ってダイジョブ?」
「ちゃんと斬れると言うだけの安もんさ!」

 まあ、実の所まともに斬れると言うだけでも数十万円はくだらないのが日本刀というものだが、そんな事を気にされてケガされてもこっちが申し訳ないので黙っておく。所詮武器など、使えば壊れるものだ。

「Gaaaaaaarrrrrr!!!!」

 銃撃牽制の合間を縫って飛び掛かってくるサイボーグメキシコライオンのかぎ爪が俺の身体に達するよりも早く、掌底でもって鼻先をうがつ。ライオンの飛び掛かる勢いに対し突き刺さったカウンターは、その破壊力を増してライオンの身を吹き飛ばした。

「フギャーッ!!?」

 もんどりうって宙を舞う機械化ライオンの前足付け根を狙ってトリガーを引く。放たれた銃弾は過たずに着弾、右前足を吹き飛ばした。

「いい子だから早々に負けを認めてくれよ……?」

 こちらの願いもむなしく、機械化ライオンは三本足で軽やかに着地し、なおもこちらに殺気を向けてくる。何故ネコがこれほどまで明確な殺意を人間に向けるのか気がかりだが、こちらとて死ぬわけにはいかない。

 撃ち切ったマガジンを入れ替えながら二体のメカネコ兵器を視界に入れると、M・Nの方もまたメカマネキネコタンク相手に攻めあぐねていた。こちらが同士討ちにならないよう彼がマネキネコの火器射線を俺から引き離してくれていたのだ。

「M・N!タッチ交代だ!」
「OK!R・V!」

 見た所ライオンが近接担当であり、マネキネコが遠距離支援型だ。であれば、武器の距離がかみ合う組み合わせの方が戦いやすいと見て俺達は戦う相手を入れ替えるが、相手とてそれをただ見過ごしてくれるわけではない。

 メカマネキネコタンクの身に張り付いているミサイルポッドがこちらを向こうとした予兆から、俺は駆けながらミサイル弾頭へと先制射撃を行う。発砲音の後に火花が散り、即座にミサイルが装填されたままに爆発した。

「フギャーオウ!?」

 メカマネキネコタンクから困惑の悲鳴?があがる。しかし爆発に巻き込まれてなおマネキネコ本体は健在であった。

「コイツは厄介だな……」

 まさかごく普通のネコちゃんがここまで脅威になるとは。自分のソウルアバターを使うにはここは街中に過ぎるのもネックだ。俺の視界の端で四肢でもって大地を踏みしめるサイボーグメキシコライオンと対峙するアフロサムライの姿が見えた。

【ヒトよ、ネコと和解せよ -4-終わり:-5-へと続く

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