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ほぼほぼ日刊パルプ冊子

パルプスリンガー、遊行剣禅のパルプ小説個人誌です。 ほぼ一日一回、1200字程度の小説かコラムが届きます。 気分に寄っておやすみするので、大体月間10回~20回程度の投稿になりま…
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#パルプ小説

五十億の死、幾万の骸

 骸、骸、骸。 銀の骸、緋の骸、緑の骸、桃の骸、灰の骸。 おおよそ、黎明期のAIによって描画…

全裸の呼び声 -60- #ppslgr

「ハァ?」  レイヴンはとうとう、相方がこの異常空間におけるSAN値チェックに失敗し、狂気…

全裸の呼び声 -59- #ppslgr

『プロポーションッ!』  熱い露出誇示咆哮と共に闇の露出者はダブルバイセップスを、光の露…

全裸の呼び声 -58- #ppslgr

「ふたりとも下がっておれ。こやつの相手はワシでなくば務まらぬじゃろう」 「貴様はいつもそ…

全裸の呼び声 -57- #ppslgr

「まともな飯、水、空気を恵んで貰えるなら、靴だって舐める。今なら」 「恩人なんだからしな…

全裸の呼び声 -56- #ppslgr

 百は流れてくるツッコミどころの内、せいぜい一つくらいしか茶々を入れられていないが、それ…

全裸の呼び声 -55- #ppslgr

 屈強な全裸の集団が、あたかも孔雀の尾羽飾りのごとく一斉に裸体をさらけ出し見せつけるのはとても愉快な心地のする見世物ではないだろう。だが、異常存在にさんざん遭遇した黒い男には、いささかの動揺ももたらすことはない。  露出者達が一斉に空中ポージング行為に及ぶのと同時に、レイヴンもまたコートをひるがえしはためかせた。続いて、一発に数えるにはやや尾を引く銃声が鳴った。ぼとぼとと、殺虫剤にさらされた蚊柱めいて落下する露出者の群れ。濡れた路面に、がしゃがしゃと音を伴ってスライドレール

全裸の呼び声 -54- #ppslgr

「裸ーッ!」  全裸中年男性レギオン存在は、先程射出された分体と再合体すると、ボリューム…

全裸の呼び声 -53- #ppslgr

 体調不良時の悪夢でもそうはお目にかかれない最低攻勢を、三者はそれぞれの手札を切って耐え…

全裸の呼び声 -52- #ppslgr

「最悪過ぎる」  暑苦しいにもほどがある筋肉ムキムキの中年男性群による、組んずほぐれずの…

全裸の呼び声 -51- #ppslgr

 AI生成悪夢めいた、この世ならぬ街路を進むうちに、いつしか威勢のいい掛け声が空気を震わせ…

全裸の呼び声 -50- #ppslgr

 久しぶりに人間性のある食事を済ませた一行を待っていたのは、より一層変質が進んだドブヶ丘…

全裸の呼び声 -49- #ppslgr

 レイヴンの声に安堵も慢心も存在しなかった。未知の神性とはべらぼうにめんどくさく、厄介で…

全裸の呼び声 -48- #ppslgr

 アノートは神妙な顔でうなずいた。ことここに至っても自分の置かれた立場にいまいち実感がわかなかったのだ。 「露出会の目的も合わせて状況と、こちらの目的を再設定しよう」 「ほう、ワシからの説明はいらんようじゃな?」 「ああ、おおよそ検討はついた。間違いがあったら指摘してくれ」  レイヴンはノートをテーブルの上に広げるとそれぞれの勢力を書き込む。 「俺たちが現状解決すべき問題は二つ。露出会による強制露出化精神汚染と、得体のしれない日本のドブヶ丘化だ。事象としては別だが、おそ