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マガジン:パルプスリンガーズまとめ

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超巨大自由売買商業施設”Note”を舞台に描くクリエイター達のとんちきうろんトラブル日常!
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2021年8月の記事一覧

全裸の呼び声 -32- #ppslgr

「裸ーッ!」  玉虫色の光彩まとったシャボン玉が、汚濁極まる処分場に吹き出した。一瞬速く…

全裸の呼び声 -31- #ppslgr

 銘のない刀は、二人が説明を受けている間もドブヶ丘でもっとも低く、汚れた場所にあった。何…

全裸の呼び声 -30- #ppslgr

「うるさいよ」  壁と思われた一角に光の切れ目が走り、軋み音と共に開かれた。どうやら、居…

全裸の呼び声 -29- #ppslgr

(世界を元に戻した後、死人も生き返ると思うか?) (思わないね、一都市程度ならなんらかの形で…

全裸の呼び声 -28- #ppslgr

 目当ての蟻地獄めいた瓦礫穴が近づいてくると、それは遠目で見るよりもより一層に醜悪である…

全裸の呼び声 -27- #ppslgr

「最後に一つ」 「まだあんのか!?まあいい言ってみな」 「ここ一週間出没するようになった、…

全裸の呼び声 -26- #ppslgr

「ここらドブヶ丘にゃー、住人にとって厄介きわまりない害獣どもがごまんとおる。住人も慣れちゃあいるが、だからといって無害ってわけじゃあ、ねえ。ちょっと路上呑みで吞んだくれて、そのまま寝込めば翌日には仏さんよ」 「害獣がいなくても逝く気はするがな……」  レイヴンのつぶやきをあっさり聞き流すと、次郎長は続けた。 「どうせお前さんがたがドブヶ丘をうろつくなら、自衛のためにもそいつらを狩るはめになるだろうよ。絡まれ次第、始末してくれりゃいい。大物がくたばれば、そりゃそこらの奴らか

全裸の呼び声 -25- #ppslgr

「ほぅほぅほぅ、ほーおぅ?」  二人を煽った老人はアゴをさすりながら、一切の容赦が無い駆…

全裸の呼び声 -24- #ppslgr

「予想はしてた!してたがネズミからしてアレか!」 「ますます典型的な異界化異常現象だねぇ…

全裸の呼び声 -23- #ppslgr

 従来の広範な概念としてもっとも近いのは、寺社仏閣へつながる商店街めいた参拝道と、ごっち…

いまだあせぬ、神威の痕 #風景画杯

 暑い、じゃなくて熱い。死だ、今ここには死が大気に充満してる。 赤茶けた死の土地の、起伏…

全裸の呼び声 -22- #ppslgr

 股間のブツをもぎ取られるなどという衝撃的な扱いを受けて、オク・ダークは白目を剥いて卒倒…

全裸の呼び声 -21- #ppslgr

「フッハッハッハッハッハ!口ほどにもない!やはり手足の少ない生物はダメだな!」  攻守が…

全裸の呼び声 -おまとめ版- #ppslgr

 雨が降っていた。汎人類が未だ目にしたことがない、名状しがたき汚濁の雨が。雨は西欧とも亜細亜とも異なる建物群を、しとどに濡らし汚していた。そしていびつな建物が立ち並ぶ街路を、お世辞にも薄汚いとすら言えない人影がまばらに行き交う。ここは、汚濁の街だった。  そんな忌まわしい街の道を、白衣の男が走る。名をハカマダという。  ハカマダの白衣はすでにどどめ色に染まって重くなり、彼のメガネは吐き気をもよおす邪悪な色合いのしずくに覆われて視界をさえぎり、底抜けた革靴が踏み散らす水たまり