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fukushima report 2017

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2017年12月の記事一覧

津波と放射能汚染で消えた街・JR常磐線・富岡駅前

津波と放射能汚染で消えた街・JR常磐線・富岡駅前

 2011年の東日本大震災後、フクシマに取材に行くと、よく足を運ぶ場所がある。福島第一原発から約15キロ南にあるJR常磐線・富岡駅(双葉郡富岡町)である。同じ場所に何度も行ってみることで「復興」の実像が見える。一種の「定点観測」である。

(冒頭の写真は2014年5月15日に撮影した富岡駅の様子。津波が運んだ自動車がホームで引っかかってそのまま草むしていた)

(2017年9月15日付『河北新報』

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福島第一原発まで1キロ 放射能街道を行く〜原発事故が起きると街はどうなるのか

福島第一原発まで1キロ 放射能街道を行く〜原発事故が起きると街はどうなるのか

 福島第一原発を中心に「帰還困難区域」と政府が名付けたエリアが今も広がっている。

 要するに「放射性物質の汚染が一番ひどく、今も立入禁止が続く封鎖エリア」である。政府が放射能汚染地域につける名称は「できるだけ無難で、刺激の少ない表現」を選ぶ。そして行政用語なので二重にややこしい。

 緩めに決めた政府の基準ですら、そこに一年間いると、のべ被曝量が50ミリシーベルトを超えてしまう。原発作業員や医療

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