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5冊読了(2/19〜2/28)

1『その街の今は』柴崎友香

2『図解 臨床心理学』稲富正治

3『幸せになりたければねこと暮らしなさい』樺木宏

4『誰も知らない「名画の見方」』高階秀爾

5『なぜイヤな記憶は消えないのか』榎本博明


今年は何冊の本が読めるでしょうか。
3月ももうすぐ終わりそうな現時点では、読んだ本はまだ12冊ぐらいです。
1ヶ月に4冊ぐらいですかね。
じゃあ週に1冊ぐらいという割合でしょうか。

記事のタイトルの日付は、この期間内にこの5冊を読み終えたよ、っていう意味なので、この5冊の本を最初から最後まで全部読み終えた期間というわけではありません。
読み始めたのはもっと前からで、読んでいた期間はそれぞれバラバラです。
1を読み終えた日が2月19日で、5を読み終えた日が2月28日であるということですね。
なんでこういうタイトル付けにしたのかもう覚えていませんが大した意味合いはないです。

5冊読んだらまとめて感想を書く、ということにしていますが、最初は別に5冊に縛っていたわけでもないんですよね。
何冊でもいいからなんとなく区切ってまとめて感想を書こうっと、っていうくらいの意識でいたんですが、でももう最初からずっと5冊でやってきたので必ず5冊で感想を書くようにしています。
そうなりましたいつの間にか。

だからわざわざ「5冊読了」なんて書かなくてもいいんですよね。
絶対5冊なのだから。
だからって急に通例のタイトルを変えるのもなんだし、変えるなら今年最初の記事の時に変えるとかならよかったですが、その機会はもう過ぎちゃったので、まあもうこのままやっていく感じですね。

あんなに寒かった冬が終わり、やっと暖かくなってきましたね。
いろいろな感じのことが良い具合になっていけば良いですね。


1は柴崎友香さんの小説です。
柴崎さんの本を初めて読みました。
芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、を受賞した作品とのこと。

柴崎さんの作品は『きょうのできごと』と『寝ても覚めても』を映画で観ていて、その2作品とも好きで、きっと原作も面白いんだろうなと思っていました。
なのでいつかこの原作者のかたの小説は読もうと思っていて、映画で観た作品の原作を読んでもいいんですが、どうせなら知らない作品の方が良いかと思って、タイトルも内容も知らなかったこの小説を手に取りました。

物語の中でそんなに大きな出来事は起こらない静かな内容なのだろうと思っていたらその通りでした。
昔の大阪の街の姿に興味を持つ28歳の女性が主人公の物語です。
娯楽的なストーリー展開はあまりなくて、描写を味わうような文学傾向の強い作品だったなぁという印象でした。

その点は少し読む前の予想とは違っていて、映画で観た作品はお話としても単純に面白いと感じる作品だったので、そういう部分も期待して読んだらちょっと肩透かしを食らった感じでした。
もうちょっと刺激があるのかなと思ったんですよね。
作品によって趣きは結構違うのかしら。
大阪という街にもあまり親しみがないので、風景描写も正直あまりピンとこなくて、たぶん親しみがなくても絵が浮かんだり情緒が感じられるようになっていると思うのですが、ちょっと僕にはそれが難しかったです。


2は臨床心理学の本です。
最近はうつ病とかPTSDとかアスペルガーとか統合失調症とか、様々な心の病気の名称をよく聞きますが、それが何を指しているものなのか、どういう症状なのか、何が原因で罹患してしまうのか、具体的にはよくわからないですよね。
そういった目に見えない心の病について広くわかりやすく解説されている本をと思ってこの本を読みました。

項目ごとに見やすくイラストも挿入してあって、易しく読める本でよかったです。
臨床心理学を学んだ人が職業としてそれを役立てられるように書かれた本でもあるようなので、それぞれの症状に対して、こういうアプローチで療法するべきだというところまで書いてあって興味深かったです。

心の病というのは、生まれ持った疾患や幼少期の生い立ちや日々の生活習慣や突発的に生じるものなど様々で、それが現代の医療でこれだけ細かくカテゴライズされていて、その予防や療養の方法が広く研究されているということが、自分や周囲の人がいつそういった病を発症するかわからない現代人にとって、好ましいことではあるなと思いました。
でもそれは、それだけ研究されるほど多くの人が症状を抱えている、という実情を示唆することでもあり、改善や向上されるべきは医療や心理学ではなく社会全体の方なのにな、と思ったりもしました。


3は猫の本です。
良いタイトルと表紙ですね。
著者は出版業界にお勤めで保護猫7匹と生活しているお方です。

今の生活に不安や迷いがある方は思い切って猫を飼ってみることで、その悩みのほとんどは解消されますよ、という主張をされている内容です。
そもそも猫を飼うことは健康にも良いものであるとし、猫と生活を共にする中で起こす行動が人体に及ぼす好影響について科学的に述べられています。
その上で、飼い主としてペットの行動に振り回されたり躾けることを諦めたり、そういった猫の自由奔放さを見習い、性格的な面で共鳴するように影響を受けることで精神的にも楽になれるといいます。

保護猫を7匹も飼っていらっしゃるその道のプロの方ですから、主張には説得力があってとても良い本でした。
項目の間ごとに挟まる猫の写真も可愛くて最高でした。
僕も猫を飼ってみたいと思っています。
まだ、そういう願望を持っているだけの段階ですが。
でもその参考として読むには最適の本でした。


4は美術に関する新書です。
歴史的名画を紹介しながらその見方や味わい方を解説してくれる一冊です。
新書なのでサイズも小さいし、堅苦しくなく読める本です。
美術書は分厚かったりサイズが大きいものが多いので助かります。

西洋美術など、世界の名画に関する本を去年から何冊か読んでいっています。
いずれもそれほど専門的なものではなくて、入門編というか、初心者にもわかりやすく説明してくれる本です。
興味は持っていますがもともとそんなに詳しい分野ではないので、そういう本の方が僕なんかのレベルには合っています。
その上でこの本は、興味は持っているけど知識はないという僕みたいな人にピッタリかなと感じました。

歴史的な名画とされている作品は、やはりそのものだけを見てもその魅力や価値などが分かりづらく、醍醐味を味わうためにはその作品が作られた歴史的背景であるとか、作者の人生を知るということが必須になるかと思います。
そういうことを、有名な画家や作品を取り上げて解説してくれるので、親しみを持てて興味が深まりました。

僕は熱心に勉強しようという程までではないですが、一般的な教養を得ようというぐらいの意識で美術の本を読んでいっています。
頑張って覚えようとする感覚ではないけど、こういう入門書を何冊か読んでいっているだけで、ほんの少しずつ知識は増えていっているような気がします。
この本でゴヤとか覚えました。
ゴヤ面白いですね。
ゴヤ。


5も新書です。
知らない作家さんでしたがタイトルに興味を惹かれて読んでみました。
心理学の偉い方なのだと思います。

自分の人生に満足しているかしていないか、いま幸せか不幸せかということは、実質的に現在その人がどんな状況にあるかとか、これまでにどんな経験をしてきたかということで決まるものではなく、その過去の経験を今どのように捉えているかということが大きいとのこと。

例えば貧乏な家庭で育ち悲惨な子供時代を過ごしてきた人の中でも、それを悲観的に捉えてトラウマとして抱えている人もいれば、その経験があったからこそ自分は強くなれたとポジティブに捉えて前向きに生きている人もいます。
大切なのは経験そのものではなく、その経験を記憶の中でどう捉えているかということで、ではイヤな記憶でもそれを前向きに捉えるにはどうすれば良いか、というようなことを紹介する内容の本です。

まあ主張はわかるし納得する部分もあるのですが、なんとなく全面的に肯定はできない内容でしたね。
いや、主張自体は概ねそうなんだろうなぁと思えるのですが、この本の文章自体があんまり好きじゃなくて響きませんでした。
前半の3分の1ぐらいまでは興味深くて面白かったのですが、それ以降は同じ主張を言い方を少し変えて繰り返しているだけで、読み物としてかなり退屈だったんですよね。
なんか無駄に多く例を出して文字数を稼いでるような感じだし、本当に何度も同じことを繰り返している記述が多くて、でもそれも全く同じではないから、ある意味文章を書くのは上手い方なんだろうなと思いました。

まあなんというか、全然悪い本ではないので、というか勉強になるし前向きになれる良い本なのだろうとは思うので、お勧めしないことはないです。

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