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100年以上もの間、親しまれている味だった。ピーナツを味噌とからめた郷土料理。

子どもの頃、給食にも出てきたピーナツ味噌。千葉県だけなのか、他の地域の方も食べるのか。そもそも、いつ頃から作られるようになったのか。千葉県に住んでいながら、さらには千葉県産の落花生を販売していながら、よくよく考えてみると、まだまだ落花生について知らない事だらけ。

ピーナツ味噌の製法にもいくつかあって、その一つがピーナツを煎るか揚げるか。

『油を使わず、煎ったピーナツ味噌の方が良い。』

そんな方もいらっしゃいますが、食感的には揚げたほうがカリッとしているのです。少なからずこだわりを持ちながら、食べていただけている事に嬉しさもあります。

今日は、そんなピーナツ味噌について深掘りしていきたいと思います。

いつ頃から食べられているのか。

ピーナツが日本に伝わってきたのは、江戸時代ごろ中国から。と言われております。そして千葉県には、明治時代から大正時代あたりで、今の山武市で栽培が開始されたそうです。過去に調べた時のnoteをご紹介いたします。

落花生自体は、江戸時代から大正時代には親しまれる食材だったようなので、少なくともその頃からと思われます。

そしてGoogleで【ピーナツ味噌 いつから】と検索してみたところ、農林水産省のページに辿り着きました。まさか次世代に伝えたい大切な味として取り上げられているとは。

色々なサイトで、落花生の育てられた時期に少しの差があるようですが、明治や大正時代から、市場に出回らない規格外があることに驚きました。

市場に出回らない規格外の落花生の活用方法として農家の人たちが「落花生味噌」を考案した。また落花生には脂肪、たんぱく質などの栄養素が豊富に含まれることから、今ほど食料が豊富でなかった時代、保存食として重宝され、郷土料理となる。

農林水産省 ーうちの郷土料理ー より引用

その規格外の落花生を、味噌とからめて食べ始めたのが始まりのようです。規格外の食材をどうにかして、付加価値をつけて流通させようという努力は、今も昔も変わらないんだなぁ。と思いました。

今ほど食料が豊富ではなく、100年以上も前に保存食として開発された先人の知恵が、今もなお親しまれている味と知ってしまうと、千葉県で落花生を販売するものとしては、やはりこの郷土料理というものも伝えていく努力をしていかないとな。と感じてしまいました。

作り方や親しみ方も様々。

弊社でも、様々な作り手のピーナツ味噌を取り扱っています。冒頭でも少し触れましたが、味噌とからめるピーナツを煎ったものを使うか、揚げたものを使うかと言う違いがあります。

調べていくと、砂糖を使わずみりんを使うことで甘みを抑えたり、時には蜂蜜を少し加えたりと、楽しみ方も各ご家庭とかでも違うみたいです。

ピーナツ味噌。

私は、ご飯に甘いものが苦手で、ピーナツ味噌をご飯と一緒には食べません。むしろ、そのまま食べます。写真のように、ご飯のおかず的に楽しむ方もいれば、おやつ的に楽しむ方もいらっしゃいます。

そんなピーナツ味噌ですが近年の落花生の価格高騰により、ピーナツ味噌の価格も年々高くなっている傾向にあります。

郷土料理として保存食として、昔から親しまれてきた味わいも、落花生の価格が高騰すればするほど、以前ほど手軽に楽しめない高級な味になってしまいます。

千葉県の落花生を販売するだけでなく、業界までの広い視野で物ごとをみた時には、この落花生の価格が高くなってしまうのは、親しみある味さえも市場から消し去ってしまうかもしれません。

落花生の工場だけでなく、今度は千葉県産ピーナツ味噌の工場にもお伺いをして、千葉の落花生の状況など、現地の話も聞いてこようと思います。

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。


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