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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#ドキドキ

久し振り(世界と私19)

いつも通りの朝。

祐一を送り出して、
私はギャラリーに向かった。

「おはようございます。」

「おはよう!」

奥から南さんが出て来た。

「昨日は大丈夫でしたか?」

「うん、あんまり記憶が無いけど、
朝起きたら自分のベッドで寝てたから大丈夫!」

「かなり酔ってたから家に帰れたか心配だったんですよ。」

「ごめん!何も食べないで飲んでたから、
すっかり酔っちゃった。みづきはお酒強いんだね!

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運命と私 67

運命と私 67

「江藤さん、何してるの?」

「かみさんにお弁当頼まれて。」

「そうなんだ。」

江藤は高級なお弁当屋さんの袋を持っていた。

「随分豪華ですね。」

「今日はかみさんの誕生日で、
ここのお弁当買って来てって頼まれたんだ。」

「仲良しなんですね。」

「そうでもないよ、色々あって大変だけど、
どうにか修復できたらと思ってて・・・」

修復?
やっぱり中谷の言ってたことは本当だったのかもしれない

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運命と私 52

運命と私 52

「ただ混ぜるだけじゃ、ハンバーグは出来ないんだな!」

「そうだね!パン粉入れすぎたんじゃない?」

パン粉の味が強くてまずいハンバーグだった。

「パン粉?」

祐一はキッチンからパン粉の袋を持って来て、
「これ半分入れた。」と見せて来た。

「え~入れすぎだよ!」

「入れすぎなの?どうしよう、
何かコンビニで買って来る?」

「食べれるから大丈夫、
祐一が始めて作った料理だから有難く頂きます

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運命と私 27

運命と私 27

楽しい時間はあっという間に過ぎる。

時計を見ると9時半を過ぎていた。

お店を出ると寒さで酔いが一気に醒めた。

「今夜もご馳走様でした。」

「いえいえ、寒いから早く行きましょう。」

私たちは足早に駅に向かった。

北沢は2ヵ月前に今の家に引っ越して来たばかりで、
私の最寄りの駅の隣の駅が北沢の最寄りの駅だった。

電車に乗ると席は空いていなかった。

私と北沢が並んで立っていると、
電車の

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運命と私 21

運命と私 21

「こんばんは、
お仕事はもう終わりましたか?
今夜はごちそうさまでした。」

色々と考えて短くてもおかしいし、
長すぎてもおかしいかなと思い、
当たり障りのない文にした。

すると、
5分もしないで返信が来た。

「こんばんは、
メールありがとう嬉しいです。
仕事は終わりました。
今日はゆっくり話しが出来なかったので、
もし良かったら来週、
夜ごはんでも食べに行きませんか?」

なんて積極的な人な

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