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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#未練

運命と私73( 同じ気持ち)

運命と私73( 同じ気持ち)

江藤は私を椅子に座らせて、
「ごめん、オレ川崎の苦しさが、
何もわかってなくて・・・」

「私こそごめんなさい、
なんか最近情緒不安で・・・」

「彼氏と何かあったの?」

「彼は今海外出張中なんです。」

「そっか、寂しかったのか?」

「そうかもしれません。」

「川崎には幸せになってもらいたい、
これだけは本心だから。」

「はい・・・」

私たちはお店を出て帰ることにした。

「1人で帰れ

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運命と私 68

運命と私 68

私は急いで家に帰って来た。

「急に帰っておかしいと思ったよね。」
でも真っ赤になっている顔を見られるのは嫌だった、
まだ未練があるみたいじゃない?

未練・・・

江藤に触られたところがジンジンする。

祐一がいるのになんでこんな気持になるの?
自分でも自分の気持ちがわからない。

私の中の江藤の記憶がすべて消えたら楽なのに・・・

夜ごはんを買い損ねた私は、
カップラーメンを食べて寝ることにし

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運命と私 47

運命と私 47

私と江藤の間に重たい空気が流れていた。

無視するのも気まずいので、

「おはようございます。」とあいさつをした。

「おはよう、元気そうだね、
なんか生き生きしてる、
この前の彼と上手くいってるの?」

「えっ?はい・・・一応・・・」

「そうなんだ川崎が幸せなら嬉しいよ。」

江藤の様子がおかしかった。

私は何かあったのか聞こうか迷っていると、
エレベーターが開いて江藤は、
「先にいくよ」と

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運命と私 25

運命と私 25

待ち合わせ場所に着いたのは、
6時過ぎだった。

心がざわざわして、モヤモヤして、
落ち着かなくて、
もう帰りたいと思ったが、
今更断ることが出来る訳もないので、
私は深呼吸を何度もして待ち合わせ場所に来た。

北沢は噴水の前に立っていた、
「ごめんなさい遅れて。」

「いえいえ全然大丈夫です。
行きましょうか?」

「はい。」

私は何か違和感を感じていた。

江藤なら「かわいい洋服だね」の一言

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運命と私 24

運命と私 24

仕事が終わり北沢との待ち合わせ場所に向かい、
会社を出て歩いていると、
急に手を掴まれ路地裏に引き込まれた。

「痛い!」

「ごめんごめん!」

江藤が謝って来た。

私は驚いて、
「こんなところで何してるんですか?」
と声を上げた。

「静かに話そう、何回もメールを送ったのに、
無視するから、一回きちんと話そう。」

「話しはありません、待ち合わせしてるから、
もう行きます。」

「もう男がい

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運命と私 16

運命と私 16

江藤とのことがあってもう1週間以上が過ぎた。

12月なり急に寒くなり、街ではコートを着る人が増えた。
最近の江藤は遅刻ぎりぎりで出社することが多かった。
奥さんのつわりがひどく、
家事をしてから出社しているらしい。
私は江藤と話すこともなく、
目を合わせることも無かった。
江藤からメールは来るが無視していた。

仕事が終わり会社を出た。

金曜日だからなのか?
行き交う人がいつもより多く感じる、

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