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伊藤亜紗 著 「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んで②

今日は、昨日投稿した読書感想文の②を書きます。➀はこちらです。


 日常生活の中で、あえて「見えなく」する時があることにも気付きました。わたしの場合は、目を閉じて音楽を聴く時、楽譜を見ながら楽器演奏の練習をする時です。習慣にしているドラム練習もそうなのですが、楽譜の一部分をあえて「見ない」ようにしたり、楽譜を「見ていない」瞬間もあるし、何を、どこを見ていたら、何を視界に入れたら、もっとも良い音が出せるだろうか、とか、うまく演奏できるだろう?と、吹奏楽やオーケストラで演奏していた時にもよく思っていたし、実行していました。

 それから、具体的な違いはあるものの、「生きずらさ」を抱えているという意味では、健常者も障害者も、現代社会においては同じかもしれず、その生きずらさから解放される術を、そうとは意識せずともやっているのが障害者なのかもしれない、ということも、本書を読んで感じたことのひとつでした。

 わたしの日常生活の場合は、ストーマケアや、薬をきちんと飲むなど持病と付き合うことは面倒くさい時もあるのですが、この本を読んでみて、「自分で出来ることは自分でしてきたな」と思えるようにもなりました。持病もストーマも、すぐに変えられることではないので、日常生活を送る上でどうしてもやらなきゃいけないことがあります。そういう生活が、もしかしたら、持病と付き合う以外の面でも、多少おっくうなことがあっても避けずに向き合えるという自分の長所につながっている側面もあるのではないかと、感想文を書くことで初めて言語化することも出来たと思います。

 自分の体験やエピソードが多い感想文になってしまったかもしれませんが、本書は、線を引いた箇所や、付箋を貼った箇所もかなり多く、各章、発想の転換をうながしてくれるようなことが必ずといっていいほど書かれているので、次々と書き足りないことが出てきてしまいます。

 興味のある方は、ぜひ一度読んでみていただきたい本です。

 読書会では、メンバーの皆さんに質問したいことを聞くことができ、その答えになるような話だけでなく、いろいろな話ができたのも嬉しかったし、雑談タイムでも勉強になる話が聞けたりして今回も楽しかったです。前回はスマホが高温状態になり、途中で数分間、退席してしまったのですが、今回は卓上用の扇風機をあてながら参加したら大丈夫だったので、よかったです。


 


 



 


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