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作家はいつもさみしい夜を乗り越えて

イラストレーターを名乗り始めてから、これまで色々な展示や個展を経験させてもらった。同じ規格の多人数のグループ展もギャラリーすべての壁を自分の作品で埋めつくす個展も、オリジナルの作品を創り出すときには自分自身の孤独と必ず向き合うことになる。ということは、やる度に理解がどんどん深くなっていった。

1.自分へお問い合わせ地獄

さて。個展をやるにあたって。今どんなテーマで何を描きたいんですか?おしゃれにしたいですか?新しいことにチャレンジしてみたいですか?それを誰に見せるつもりなんです?いつものお仕事と調整できそうですか?コスパ考えてますか?イマジナリーわたしに教えてください!

自分の中を覗き込んで、とうとう最終的には、これからオマエはどうしたいんか?人生で何か伝えたいことあるんか?(アイフルの女将みたいになっちゃった)の壮大な自問自答に発展するとやばくなるお問い合わせ地獄。なんだかよくわからなくなる時もありますが、セルフコーチングのまねごとで何かひとつの「答え」や候補策・アイデアのようなものへ近づけてくれるので、向き合うのは地獄ですが、まあ、やってみています。

2.突入、さみしい夜

描く内容が決まれば、あとは孤独の毎夜がやってくる。(マネージャーやアシスタントさんがつくほどBIGでもなく)誰も助けてはくれないのだ。サボったらサボった分だけ自分が苦しくなる。自分の敵は自分。ただエンジンがかかれば全て忘れる。オードリー若林さんの有名なことば「ネガティブを潰すのはポジティブではない、没頭だ」ってやつかもしれません。側から見たら毎晩シンとする中、絵をもくもくと描いているさみしい奴に見えるのかもしれないけど、本人は、絵が描けてきてる!めっちゃ楽しい〜〜〜!キャッキャになっています。さみしい平和。

3.準備はやっぱり大変でさみしい

私はデジタルイラストなので、印刷入稿をすることが多いのですが、ふっと待ち時間がやってくるせいか、ここで急に展示前ブルーに陥ることがある。もう逃げられないという感じがして、作品数が足りなかったのでは…ここ本当にこれでよかったかな…など考え事をしすぎてどんどん弱気になってくる。(たぶん周りから強いと思われてそうですが、私は意外とメンタルがふるふるのお豆腐かもしれない)このタイミングでグッズ入稿したりパッケージを作っています。ギリギリ。

4.結局また展示をやりたくなってさみしい

しかし不思議なことに展示が終わったあと、作家はもっとさみしくなります。これは共感してくれる作家さんが多いと思いますが、展示や個展はお金も時間も体力も使うのですごく大変。なのに終わると無性にまた何か展示をしたくなります。反省点すら気持ちよくさみしい〜とか言える。会期中嬉しすぎてアドレナリンがどばどば出ているのかもしれないね。展示が無事に終わった安心感と共に寄り添ってくれる、またちょっと違う「さみしい夜」もある。


そんなアドレナリンどばどばな感じで私が参加している展示のお知らせです。清澄白河のondo galleryさんで開催中のPARALLEL展。影山紗和子さん、TRAMPOLINEさんお二方との企画展示で、ondoさんからお話を聞いた時からずっと楽しみにしていました。本展は、徳川印刷さんのご協力のもとジークレープリントが中心の展示となっております。もしご興味ありましたらぜひギャラリーへお越しください。


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