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星のクラフト(骨子連載)

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星のクラフト(骨子連載中)
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2024年5月の記事一覧

連載小説 星のクラフト 7章 #10

「やっぱり、あの本だ」  ローモンドは本棚から抜き取り、表紙を撫でた。 「ずいぶん埃が付い…

米田 素子
1か月前
3

連載小説 星のクラフト 7章 #9

 しばらく、ローモンドは本を読もうとしていたが、すぐに「車の中で本を読むことは無理だ」と…

米田 素子
1か月前
3

連載小説 星のクラフト 7章 #8

 翌朝、朝食を済ませると直ぐに車に乗り込んだ。シェフはそんなに急がなくてもと寂しそうに言…

米田 素子
1か月前
4

連載小説 星のクラフト 7章 #6

 ローモンドは少し思い詰めたような表情をした。  「しばらく一人になりたい。おばあちゃま…

米田 素子
1か月前
2

連載小説 星のクラフト 7章 #5

 その本の大きさは、ベッドサイドに置いてあるデスクの物差しで測ったところ、縦22㎝、横16㎝…

米田 素子
1か月前
9

連載小説 星のクラフト 7章 #4

 薄暗い廊下の突き当りに本棚はあり、写真集や民話、紀行などがびっしりと置いてあった。床か…

米田 素子
1か月前
2

連載小説 星のクラフト 7章 #3

「ローラン、樹木の中に居る鳥が光ってる」  ローモンドは再び鼻先を硝子窓に押し付けて外を見ていた。 「蛍光灯みたいね」  樹木の中に寝るための巣があるわけではないのだろうか。むしろこちらに存在を主張するかのように光っている。 「あの鳥は、地球の鳥ではないわね」  ローモンドがそう言葉を発すると、硝子窓が息で白く曇った。 「ひょっとして、青い実の成る星でも、あの鳥を見たとことがあるの?」 「そうじゃないけど、懐かしい気持ちがする」  ローモンドは両掌を硝子に押し当てた。 「どこ

連載小説 星のクラフト 7章 #2

 夕食には近くの川で獲れた魚と山で採れた山菜、マッシュルームのスープ、生ハムとポテトの乗…

米田 素子
1か月前
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連載小説 星のクラフト 7章 #1

 ローモンドは食事のためにレストランに入った時以外、ほとんど眠っていた。よほど疲れていた…

米田 素子
1か月前
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