まるで一本の映画を観たようでした。【創作大賞感想】
自分の作品を書き終えたら、
無性に本が読みたくなりました。
でも、本屋に行く予定もなければ、
行く時間もない。
読むことよりも、
優先的にやるべきことがあったのです。
来客予定(家の点検)が入っていたので、
一刻も早く身支度を終えて、
部屋の掃除をしなくてはならなかったはず。
そんな状態のわたしですが、
とある記事を目にして、
読んでみたい願望が抑えられなくなりました。
その、とある記事とは、
青豆ノノさんの創作大賞感想記事です。
そして、とあるクリエイターさんに
出逢うことができました。
森葉芦日さん。
わたしが本来やるべきことを後回しにして、
一気に読んだ作品がこちらです。
森葉芦日さん
『制服にサングラスは咲かない』
ただ、読み始めたタイミングが悪すぎて、
途中流し見になっていた部分もあったかも…
と思い、もう一度物語の世界観に足を踏み入れ、
ようやく感想を書くに至ります。
もう既に錚々たる方が
感想記事を投稿しておりますので、
その後にこの記事を投稿するのは
お恥ずかしいものです。
本当にただの一般庶民の一読者である
わたしの感想が、
何かを変えることは、到底できないと
思うのですが、
この夏の思い出として、
わたし自身への課題として、
書いてみようと思います。
どうかお納めくださいませ。
以下、感想となります。
ネタバレするほどの内容を
書くことはできておりませんが、
内容に触れている部分も
ございます。
もし何も事前情報なく
この物語を楽しみたいという方は、
ここまでにしていただいて、
ぜひ、物語を楽しんできてくださいね。
森葉芦日さん
はじめましてです。
はじめましてなのに、ご挨拶もなく
このような感想記事での出逢いとしてしまい、
大変な失礼をしていると思っているのですが、
ここで書かないと、わたしがこの夏後悔する
と思いました。
誠に勝手なのですが、
どうぞお付き合いください。
森さんの作品、拝読させていただきました。
物語の展開も、文体も、表現も
すごかったです。
(さっそく語彙力なくしている…。笑)
次が気になって、一気に読み進めました。
読ませるって、
物語に惹き込まれるって、
こういうことなのかもしれない。
も、直感的に思いました。
このひとつの作品を読むだけで、
生きている人として、
いつかは感じ取るだろうすべての心情に
触れることができるのではないかと
感じるほど、いろいろな感情になりました。
生きるって、
楽しいこと、幸せなことばかり
起こりませんよね。
むしろ、苦しいこと、悲しいことの方が
多いのかもしれません。
嫉妬だったり、嫌悪だったり、
自分を毒づけてしまう感情にだって
出逢いますし、
絶望感、
もう何もかも投げ捨てたくなってしまう壁にも
ぶつかります。
わたしは、そのようなネガティブな感情を
文章で表現することが苦手です。
本当は持っていたくない感情を
確かに自分が持っていることにも、
過去に感じたことがあるということにも
気づいているのに、
その感情をどう書いて表したらいいのか、
そもそも、どのように持てばよいのか、
わかっていなかったのです。
腫れ物に触る
というよりも、
首が座っていない赤ちゃんと
どのように一緒にいればいいのか
わからなくなるという感覚に
近かったかもしれません。
でも、物語を書くうえで、
感情は、切っては切れないものというか…。
むしろ、そのネガティブな感情をも
ありのままのせるから
文章だけで表現する小説上のキャラクターが
生きてくるのだと思いますし、
物語に層がうまれて、
より立体的になるのだと感じました。
その効果なのか、
森さんの作品は、
文章を目で追っているはずなのに、
どこか映像を見ているかのように感じられました。
まるで、映画を観たかのような充足感。
苦しさを抱えながらも、
その瞬間瞬間での幸せを感じ取れるようになった
ツリバリとアジサイふたりのことを思うと
結末を知ることは、とても苦しかったです。
物語の終盤、
なんとなく嫌な予感はしていましたが、
まさか、そのような結末とは。。。
状況的には受け止められないのに、
辛さや苦しみの中を過ごしてきたツリバリが、
最終的には、
様々な苦悩を乗り越えた先に
ほんのちょっと光を見出したかのような
感じが受けました。
苦しさだけで終わらせないのが
森さんの作品なのですね。
最後は涙が流れました。
1回目に読んだときに、
その涙が何を表すもなのかが
わからなくて。
だから、落ち着いたタイミングで
最初から読み直しました。
物語の展開に対して、
ただただ苦しみだけがあったわけでは
なかったです。
悲しみ、苦しみ、ざわざわ、安堵
わたしの心のなかでは
いろんな感情が揺らめいていたようです。
なんだか、不思議な感覚なのでした。
スッキリするような、
ホッとするような。
涙を流したことで
ざわめきが少しずつ落ち着いてきて、
元のところへ戻っていったような
感覚を覚えました。
ほっとしたきっかけの1つとして、
最終話で、
ツリバリとリョートの交友が続いている様子が
描かれていたことです。
心が通じ合っている、
もしくは、ツリバリが信頼している人。
オンラインゲームの世界だけでは、
なかなか出逢えなかったようなタイプの
交友関係なのかな?と感じました。
ツリバリにとって、大切な人との別れとの
対比として、リョートとのリアルな友人的会話が
あたたかく描写されているように感じました。
かなり個人的な話をさせていただくと、
以前福島県に住所を置いていたことがあります。
仕事の関係で、県内各地を回っていたので、
郡山の地名が出てきて、
なんだか親近感が湧きました。
プラネタリウム、ありますよね。
いつの日か、この物語の聖地巡礼したいなあ…
なんて勝手ながらに思っています。
あとがきも読ませていただいて、
この小説が、なぜスキ1ケタなんだろう?
と純粋に疑問を持ちました。
書くのプロのみなさまが
森さんの作品を推している理由が
わかったような気がします。
noteで読むより、
紙の本で読みたいと思いました。
noteの街で、森さんの作品に出逢うことができて、
本当によかったです。
これからの森さんの作品も、
楽しみにしております。
たくさんの方に
読まれる作品となりますように
心から願って。
ステキな作品を読ませてくださり、
本当にありがとうございました✨
最後までお読みくださり、本当にありがとうございます(^^)!もしよろしければ、サポートいただけると大変嬉しいです✨いただいたサポートは、今後のnote活動をもって、還元していきます。