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育てるとは知ること〜カビ事件の教訓〜【胡蝶蘭その6】

意気揚々と仕立てた水耕栽培の胡蝶蘭の根が丸一日でカビだらけ。
胡蝶蘭も私もお互い真っ白(カビと顔色)でボーゼンです。

「保護ラン活動」なんて言って、ゴミ行きの胡蝶蘭を「保護」してきたつもりが、見た目重視の私の都合で、隠れていた根を剥き出しにされて、挙げ句にカビだらけにされて、死?
いいひとのふりして連れて帰って、拷問?
え。これ以上の極悪非道ってありますか。

罪悪感やら何やらがぐるぐると頭の中をかけめぐります。
きっと5分足らずの時間だったのでしょうが、体感的には何時間…いや、時の感覚もありません。
瞳孔開いていたと思います。

どうしよう…。
ヨロヨロと近寄り、胡蝶蘭を手にとります。
根に、びっしりと、カビ…。

次の瞬間、もう洗ってました。
考える間もなく、洗面台でザーザーとカビを洗い流します。
ひとまずカビが落ちていく様子を見ながらやっと思います。
「調べよ私!なんとかする!」

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出来る限りカビを落とした胡蝶蘭は、風当たりの良い場所で根を乾かします。
心の中で謝り倒します。
ごめん!どうか耐えてくれ!

私はというと、思い付く限りの、現状打破に導いてくれそうなキーワードでひたすら検索です。
集中力爆発。
すると、植物の植え替えの際に、根にアルコール消毒を行なっている動画を発見。
食べ物や植物にも安心して使える除菌液とのこと。
コレだよ!!!!

1秒でも早く手に入れたかったので、翌日ドラックストアを何軒かまわり、無事発見即購入走って帰宅します。
丸1日乾かしていた根に、ひどいカビの再発はしてない模様。
祈るように、丁寧に、根にアルコール除菌液をスプレーします。
あとは、祈るだけ…。

結果、やはり大ダメージでした。
根の大半は枯れてなくなってしまいました。
しかし全滅はせず、1〜2本の根は生き残ってくれました。
葉はそのままでした。

その後の私は、根を再生させる育成方法を見つけるべく、さらに検索の鬼と化しました。
そして半年後、びっくりする程に根が張り、瀕死の胡蝶蘭は復活を遂げたのでした。
胡蝶蘭「が」凄い。

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今私が住んでいる部屋は、室温も湿度も高め、日中の風通しも良くありません。
しかもそのカビ事件の時はすでに暑かった。
そんな環境で常に水に浸けて育てる方法は、合わなかったのです。
でも、第一号は、同じ条件でもカビ生えなかったんですよ。
二号三号がダメでした。

つまり、些細な環境の差、胡蝶蘭の個体差、それらの組み合わせによって何がベストか変わってくるということです。

生き物を育てる。
それは相手をよく観察して知ること、そして調べること。
同じように見えてもひとつひとつ違う命だと理解すること。
適切な情報や知識を得ることと、体験や体感で相手を知ることは、同じ分量でなければならないようです。

特に私は初心者なのに、水耕栽培という例外的な育て方を選んだのですから、もっとずっと慎重であるべきでした。
反省のうえ、その後も水耕栽培を続けていますが、きちんとアルコール消毒をして数日乾かすと、カビが生えることはありません。

特に植物って喋らないので難しいです。
頑張って世話しても、上手くいくこともあれば、枯らしてしまうこともあります。
胡蝶蘭には災難で申し訳なかったけれど、でもやっぱり、生き物と関わるって、難しいから面白いんだよなあと再認識した出来事でした。

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